若者のクルマ離れが叫ばれるようになって久しい。それが事実であるかどうかはさておき、筆者のように「若い世代のクルマ好き」の中に危機感を持っている人が少なからずいることは確かだ。

そして、ただ手をこまねいているだけでなく、実際に行動に移している人たちがいる。今回、取材させていただいた「One’sGarage」の代表を務める石井貴大氏(26歳)もその一人だ。

石井氏は2年前に自動車整備士を辞め、クルマ関連のイベントの情報発信や、イベント運営の代行をはじめた。そして、「クルマ好きな若い世代が、クルマを維持する際のハードルを下げるためのガレージ」の立ち上げを叶えるため、様々な活動を行っている。

なぜ、石井氏は仕事を辞めてまで活動を始めようと思ったのか。そのモチベーションの源泉と、「One’sGarage」で叶えたいと語る世界観について取材した。

「One’sGarage」代表・石井貴大氏(26歳)

▲今回は、石井貴大氏(26歳)を取材した。撮影場所は「incell 花小金井」にて行った。アウディR8は「INCELL(インセル)」を経営する須田力氏の愛車だ

One’sGarage始動への原体験

石井氏が「One’s Garage」の立ち上げを志すきっかけとなった原体験は、5年以上前に遡る。

彼は、かつて中古車ショップの整備士として働いていた。 日産シルビア(s13〜s15型)やワンエイティ等の人気車の相場が、今より落ち着いていた時代だ。自分よりも若いお客さんが、シルビアを買うことが多々あったという。

「クルマ好きが減っていると言われていますが、まだまだ若いクルマ好きもいるもんだな、と思っていました」

憧れのスポーツカーを手に入れた嬉しそうな若者の姿を見ていた石井氏だったが、それと同等に、辛い思いをする姿も見てきたという。

「せっかくシルビアを買ったのに、1年ほど経つと、『維持が辛いから手放します』と悲しそうな顔で相談に来る子が多かったんです」

シルビアを手に入れ、石井氏と同じシルビア乗りの仲間となり、サーキット走行やドリフト走行を一生懸命練習していたはずの若者が、さまざまな理由で愛車を手放していくのである。
「僕は、ただ見ているだけで彼らのために何もできなかったんですね。そんな自分がとても歯がゆかったです」

彼らはみな、望んで手放すのではない。やむを得ない理由があって手放すのだ。

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