「第5回 高速バス・マネジメント・フォーラム」が、12月5日(火)に開催されました。
フォーラムは、高速バスマーケティング研究所の代表 成定 竜一氏が主催。全国のバス事業者などを対象に講義が行なわれました。

高速バスマーケティング研究所 成定 竜一氏
高速バスマーケティング研究所 成定 竜一氏
司会を務めたリッツMC株式会社 中嶋美恵氏
司会を務めたリッツMC株式会社 中嶋美恵氏


講義では成定氏を中心に、バス関連の専門家や事業者が講師として登壇。
テーマは大きく分けて以下の3つです。

講義テーマ

  • 自動運転バスがもたらす未来
  • 個人化が進む観光とバス事業
  • バス事業者の広報のあり方


講義1「自動運転バスがもたらす未来」

SBドライブ株式会社 大澤定夫氏
SBドライブ株式会社 大澤定夫氏
一つめの講義では、SBドライブ株式会社のシニア・プロジェクト・マネージャー 大澤定夫氏が登壇し、「自動運転バスの現在の課題と将来像」について話しました。

ソフトバンクのグループ会社であるSBドライブは、自動運転技術の導入・運用に関するコンサルティングを行なっています。
自らも大型二種免許を取得している大澤氏。実験車を運転するなど、プロジェクトを担う存在です。
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現在、バスを含めた公共交通では運転手の不足や廃止路線の増加など、さまざまな問題を抱えています。
例えば交通が十分に整っていない地域では、買い物へ行くにも車を利用しなくてはならないので、お年寄りが自動車免許を返納したくてもできない、という状況に。

そういった問題を解消するべく、SBドライブでは自動運転バスの実現を目指しています。

そしてすでに、一般公道での実証実験も実施済み。
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(通称:SIP)として沖縄の一般公道で行なわれた実証実験では、バス停のステップから幅4cmの距離で停車するなど、自動運転の高い技術が評価されました。

まだ課題点はあるものの、自動運転バスが実現するのも遠くないと感じられる講義内容でした。

講義2「個人化が進む観光とバス事業」

次の講義では、GSE南薩観光株式会社のグローバルチームリーダー スタディン・キャメロン氏、神姫バスツアーズ株式会社の取締役部長 阪田悦規氏が登壇。

GSE南薩観光株式会社 スタディン・キャメロン氏
GSE南薩観光株式会社 スタディン・キャメロン氏
神姫バスツアーズ株式会社 阪田悦規氏
神姫バスツアーズ株式会社 阪田悦規氏

これまで日本のインバウンドは、団体ツアーをメインに成長してきましたが、今後は個人旅行にシフトしていくとのこと。講義では、個人旅行をより便利にするため、訪日観光客が自由に選択できる「体験・交流・移動手段」などを用意していく必要がある、と語られました。

その中でキャメロン氏が「個人旅行化を進めるにあたり、はとバスで販売されているようなツアーを全国に展開してほしい。また、金額が安い商品でなくても、内容が良ければ参加する人はいる。」と話していたのが印象的でした。

成定氏からは、個人旅行化に対応するためバス事業者が最低限実現した方が良いことを伝授。

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熱心にメモを取っている人も多く、実用性が高い講義内容でした。

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講義3「バス事業者の『広報』のあり方」

最後のテーマの講師は、西日本ジェイアールバス株式会社の取締役営業部長 林田広司氏と日本旅行業協会の矢嶋敏朗氏。

西日本ジェイアールバス株式会社 林田広司氏
西日本ジェイアールバス株式会社 林田広司氏
林田氏からは、「ドリーム号」のブランド戦略について。
2016年に起きた「軽井沢スキーバス転落事故」を受け、同社の京阪神~東京線にも大打撃があったとのこと。

長距離バスの信頼と安心を回復しなければならない、という背景から「ドリーム号」活性化への取り組みがスタートしました。
例としてバスとりっぷの掲載記事を紹介
例としてバスとりっぷの掲載記事を紹介
施策の一つとして、ドリーム号ユーザーであったAKB48の横山由依をアンバサダーに起用し、新ドリーム号「ドリームルリエ」を発表。SNSやプレスリリースを用いて、認知度を拡大させました。

関係者の方に話を聞くと、メンバーは勤務外の時間にもLINEのグループチャットでアイデアを出しあったり拡散状況を送りあったりと、このプロジェクトに注力。やはり同社にとって大きな施策だったようです。
日本旅行業協会 矢嶋敏朗氏
日本旅行業協会 矢嶋敏朗氏
矢嶋氏からは、クライシス(大事故等)時の報道対応について。
実際に大事故が発生した場合、どのように対応するのが適切なのかシュミレーションが行なわれ、やや会場にも緊張感が。
記者会見の対応方法などポイントがまとめられ、実践的な内容がわかりやすく解説されました。


以上、今後バス業界が新たな市場で、どのように広報・サービス開発を行なっていけばよいかが分かりやすく紹介された講義の数々でした。

大事故発生時の報道対応に関しては、実際に生かされないことが一番。考えさせられる内容が多く、充実したフォーラムとなりました。


情報提供元:バスとりっぷ
記事名:「 「ドリーム号」のブランド戦略とは? 「高速バス・マネジメント・フォーラム」に多数のバス事業者が参加