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表層雪崩とは?雪崩の発生しやすい時期や場所 危険が迫っている斜面の見極めかた


春、暖かくなるにつれ、雪の多く残っている地域では、雪崩(なだれ)の発生しやすい時期にもなります。雪崩は雪解けの進む時期に起こりやすいと考えがちですが、雪崩の種類には大きく分けて「表層雪崩」と「全層雪崩」の2種類があり、春先だけではなく寒さが厳しい時期にも発生します。この記事では、雪崩のメカニズムや発生しやすい時期や場所、前兆や対処法について解説しています。


雪崩が起こるメカニズム

雪崩(なだれ)とは、斜面に積もった雪が、重力によって下に滑り落ちる現象のことで、人の命を奪いかねない危険な現象です。
斜面に積もっている雪は、雪粒同士の結合しようとする力の他に、落下しようとする斜面下側に向かう力と、斜面上側に働く地面との摩擦力が釣り合う形となっています。雪崩は、この釣り合いが保たれている状況が、気温の変化や降雪、降雨、雪質の変化などの何らかの原因により、バランスが崩れてしまうことによって発生します。


雪崩の種類 表層雪崩と全層雪崩の違い

雪崩には、「表層雪崩」と「全層雪崩」の2つの種類があります。

まず「表層雪崩」とは、斜面に積もっている古い雪の上に、新たに雪が積もり、この新雪部分の層が滑り落ちる現象です。発生しやすい時期は、寒さが厳しく、雪の降りやすい1月から2月頃にかけてです。強い寒気によって短期間に多くの雪が積もった時の他、南岸低気圧により大雪になった時などにも引き起こされます。雪崩のスピードは時速100~200㎞で新幹線並みの速さです。

一方の「全層雪崩」とは、山に積もった雪が、全て滑り落ちる現象です。春先などの気温が上昇する時期や、雨が降った後、フェーン現象などで気温が上がった時などに多く発生し、斜面の上の固くて重い雪が全て流れるように滑り落ちます。雪崩のスピードは40~80㎞で自動車並みの速さです。


雪崩が発生しやすい場所

山の急斜面で発生しやすく、一般的に傾斜が30度以上になると発生しやすくなり、傾斜が35~45度になると最も発生しやすくなります。傾斜30度程度とは、スキー場の上級者コースと同じ程度の傾斜になります。
中木や高木が密集している斜面では雪崩が発生しにくい一方で、低木林やまばらな植生の斜面では雪崩の危険度が高くなります。また、笹や草に覆われている斜面は、土がむき出しになっている斜面よりも雪崩が発生しやすい危険な斜面です。
また、過去に雪崩が発生したことのある斜面にも注意が必要です。


雪崩の前兆

雪崩には前兆となる現象があります。雪崩発生の危険が迫っている斜面の見極め方をお伝えします。
新潟県土木部砂防課によると、次のような現象が現れたときに、なだれの危険があります。

・雪庇(せっぴ)
山の尾根からの雪のはり出しのことで、はり出した部分が雪のかたまりとなって斜面に落ちることによって、雪崩につながる危険があります。表層雪崩は雪庇ができている所で多く発生します。

・スノーボール
斜面をコロコロ落ちてくるボールのような雪のかたまりのことです。雪庇などの一部が落ちてきたもので、雪崩につながる危険があります。たくさんあるときは特に注意が必要です。

・クラック
斜面にひっかきキズが付いたような雪の裂け目のことです。積もっていた雪が緩み、少しずつ動き出そうとしている状態であり、その動きが大きくなると全層雪崩が起こる可能性があります。

・雪しわ
ふやけた指先のような、しわ状の雪の模様のことです。積もっていた雪が緩み、少しずつ動き出そうとしている状態です。積雪が少なくても起こり、全層雪崩が起こる危険があります。

そのほか、雪崩予防柵から雪がはり出していたり、斜面にもとの地形が分からないほど平らに雪が積もっていたりする場合にも、なだれの危険があります。


雪崩に巻き込まれないためにできること

雪崩から身を守るためには、雪崩の発生しやすい時期や場所を知っておくことが大切です。
また、旅行などで豪雪地帯を訪れる際には、気象庁からなだれ注意報発表されていないかどうか最新の状況を確認したり、ハザードマップを確認したりして、危険な場所がないかどうか確認すると良いでしょう。
車を運転しているときなど、雪崩の前兆が見かけられた時には、大変危険ですので、決して近づかず、最寄りの市町村役場や警察署、または、消防署へすぐに通報するようにして下さい。
スキー場でスキーやスノーボードをする際は、決められたコースで楽しむようにし、コース外には出ないようにして下さい。


雪崩が発生した際の命を守る方法とは

もしも、雪崩が自分の近くで起きてしまった場合、流されている人がいるときはその人を見続け、雪崩に巻き込まれた地点(遭難点)と見えなくなった地点(消失点)を覚えておいてください。雪崩が止まったら再び雪崩の恐れがないかどうか見張りをする人を立てて、遭難点と消失点にポールや木などで目印を立てましょう。救助活動は決して無理をせず、関係機関へ通報することも考えるようにしてください。
万が一、自分自身が雪崩に巻き込まれてしまった場合は、可能な限り雪崩の流れの端に向かって横方向に逃げるようにし、身体から荷物を外すようにしてください。雪の中では泳ぐように雪をかき分けて浮上するようにし、雪が止まりそうになった時には、雪の中で呼吸ができる空間を確保するように、手や肘で口の前に空間を作って下さい。雪の上を歩いている人の声が聞こえる場合は、大声で助けを求めましょう。

自然は時に私たちの命を脅かす猛威を振るいます。雪崩や遭難に遭った際に命を守ったり、被害を最小限に抑えたりするためにも、雪崩ビーコン(雪崩の発生により雪の中に埋まってしまった人の捜索や救助をするために作られたトランシーバーの一種のこと)をなるべく持つようにしましょう。


出典:政府広報オンライン「最大で時速200㎞ものスピードに! 雪崩(なだれ)から身を守るために」

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