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「伝統的七夕」と、月や星をあらわす夏の季語。8月4日の星空を眺めてみよう


かの『枕草子』には、「夏は夜。月のころはさらなり」と記されています。四季の情景に趣ある風情を見出した清少納言。昼間の暑さが一段落して、涼しい夜風が吹く頃の心地よさ。夜空を眺めながら、ほっとひと息つくのも、夏ならではの楽しみかもしれません。
今回は、「伝統的七夕」についてと、月や星をあらわす夏の季語をご紹介します。


夏をあらわす「三夏」と、「伝統的七夕」とは?

三夏(さんか)は、初夏・仲夏・晩夏の総称で、旧暦(太陰太陽暦)では4・5・6月の3か月にあたります。4月といえば春、桜の季節を想起しますが、旧暦と現在使用されている新暦(グレゴリオ暦、太陽暦)では、約1~2か月のずれがあります。

旧暦は月の運行に合わせた暦で、1年が354日でした。そのため、暦と季節に1年で11日のずれが生じ、約3年ごとに1年を13か月にしてずれを調整していました。暦と季節が合わなくなることから、季節を知る目安として二十四節気や雑節が用いられるようになったのです。

旧暦7月7日にあたる「七夕」の季語は、夏ではなく秋になります。国立天文台では旧暦に近い日として、「伝統的七夕」の日を広報しています。その定義は、「二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間)を含む日かそれよりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から数えて7日目」。月は夜半前には沈み、その後は天の川がくっきりと見える観察条件になるとのこと。2022年は8月4日になります。その後の「伝統的七夕」の日は、2023年8月22日、2024年8月10日と、毎年日付が変わります。


暑い一日が終わり、夜空にのぼる月は涼しげ

月といえば、秋の代名詞といっても過言ではないほど。「月」そのものは、秋の季語になります。中秋の名月の「美」に対して、夏の月に古の人が見出したのは、すこし意外な一面でした。

【夏の月/月涼し】
暑かった昼間が終わり、夏の夜空に凛と輝く月に涼しさを感じるさま。まだ蒸し暑さが残る月の出の頃よりも、夜更の月光に涼気を覚える様子。

【夏の霜】
夏の夜、月の光が明るく地上を照らして霜が立ったように見えること。


蛸壺やはかなき夢を夏の月  松尾芭蕉

なほ北に行く汽車とまり夏の月  中村汀女

八ヶ岳暮るるに静か夏の月  葉山桃女

月涼し灯さぬ舟の漕ぎのぼる  中村苑子

朝の疲れむしろすがしく夏の霜  菅井富佐子


夏の星も涼しい。赤い星は注目のまと

人々が夏の星から受け取ったのは、月と同じく「涼」の風情。天の川に沿って、南の空に輝くさそり座の1等星アンタレス、同じく赤い色の火星も夏を象徴する星とされていました。夏の異名は、「朱夏(しゅか)」。五行思想では、朱色は夏を意味する色でした。

【夏の星/星涼し】
一日の終わり、見上げた空に輝く星々に涼しさを感じるさま。夜風をいっそう涼しく感じさせてくれるように煌めく星の光。

【旱星(ひでりぼし)】
夏の日照りを象徴する星。火星やアンタレスなどの赤い星。天の川沿いにあるアンタレスがひときわ輝く年は、豊作になるとの言い伝えがありました。


草枕の我にこぼれぬ夏の星   正岡子規

アラビヤの空を我ゆく夏の星  星野立子

星涼しく白樺も闇たのしめり  宮津昭彦

星涼し樅のふれあふ音かさね  星野麥丘人

水ゆれて猫の渡りし旱星  柚木紀子


二十四節気では、2022年は7月23日に大暑に入り、立秋にあたる8月7日の前日までが、一年中でもっとも気温の高い季節にあたるとされています。古来受け継がれてきた七夕の節句。今年は8月4日の星空にも注目してみませんか。


・参考文献
大野林火監修/俳句文学館編『入門歳時記』角川学芸出版、KADOKAWA
・参考サイト
国立天文台「伝統的七夕」
国立天文台「暦Wiki太陰太陽暦」

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