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4年に一度の閏年に思う。「宇宙の法則」に寄り添う暦の歴史と人間の営み


節分もバレンタインも過ぎた今、気になるのは4年に一度やってくる閏日(うるうび)、2月29日のこと。閏年はなぜ4年に一度なの?なぜ2月に閏日があるの?

なぞが多い閏年、閏日から、人と宇宙の関係について思いを巡らせてみましょう。


閏年が必要な理由とは

現在、日本を含め世界中の多くの国で使用されている暦は、太陽の運行を基準にしてつくられた太陽暦。1582年にローマ教皇グレゴリウス13世によって制定されたため、「グレゴリオ暦」と呼ばれています。

グレゴリオ暦では、地球が太陽のまわりを公転する周期が一年で、その日数を365日としています。正確には、実際の公転周期は365日5時間48分45.168秒で、毎年6時間弱のずれが発生してしまいます。このずれを調整するために考案されたのが、一年の日数を4年に一度366日にする閏年です。

なぜ、太陽の運行と暦にずれが生じると問題なのでしょうか。古来、このずれを解消するべく幾度も暦の修正が行われてきました。実際の季節と暦が合わなくなってしまうと、農作業のタイミングはもちろん、特別な日に紐づけられた神事や行事の開催に支障をきたしてしまうのです。グレゴリオ暦の前に使用されていた「ユリウス暦」は、ローマの皇帝カエサルが紀元前45年に制定したものですが、およそ1500年が経過した頃には、暦と天文現象の乖離が顕著になっていました。

グレゴリオ暦で、このずれが完全に解消されたかというと、そうではありません。グレゴリオ暦でも一年におよそ26.8秒の誤差が生じます。かなりの精度といえますが、計算上ではおよそ3000年先には1日増やす必要があるとのこと。今のところ、どのような修正を行うかははっきり決まっていないそうです。宇宙の法則は、一筋縄ではいかないようですね。


冬がない!?10か月だった古代ローマ時代の暦

グレゴリオ暦は古代ローマの暦を元にしてつくられていますが、紀元前8世紀頃のローマで使われていた「ロムルス暦」には農閑期にあたる冬の季節に月日が割り振られておらず、その期間の暦がなかったそうです。このため、現在の1月と2月にあたる月は存在せず、1年は10か月しかありませんでした。

その後にできた「ヌマ暦」では、12月の後に今の1月と2月にあたる月が追加され、12の月の暦となりました。その時も1年は3月からはじまるという考えから、2月が一年の最後の月となりました。

どうやら、当時年末だった2月に閏年の調整を行ったことが、2月に閏日が設けられた理由のようです。ヌマ暦の後に登場したユリウス暦、グレゴリオ暦にそれが踏襲され、現在に受け継がれたことから、2月29日が閏日となったのですね。


天体の動きに導かれる人間の営み

今年は子年。4の倍数の年以外は閏年にならないため、閏年にあたる干支は子年と辰年と申年のみということになります。同じく4の倍数でめぐってくるオリンピック開催年も、いつも閏年ということになるのですね。一年に一度めぐってくる誕生日をはじめ、行事やイベントなど、人は暦という時間の流れに基づいて、さまざまな周期のなかで生きていることに思い当たります。

人間が農耕をはじめたことから、季節の周期的な変化を知るために暦がつくられたといわれています。地球の自転の周期からなる昼と夜が「日」に、月の満ち欠けの周期が「月」に、地球の公転の周期で変化する4つの季節が「年」となりました。

天体の動きに基づいて、時間の流れを「日」「週」「月」「年」として周期性をもたせて整理したものが暦なのですね。人間の営みが宇宙の法則のなかにあることに、あらためて気づかされます。

まもなく4年に一度の閏日。宇宙の法則に寄り添い、生かされていることを感じてみるのもよいかもしれませんね。



参考文献

岡田芳朗・松井吉昭 『年中行事読本』 創元社

参考サイト

国立天文台

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