料理をする際に、必ずと言っていいほどに使う道具「包丁」。意外かもしれませんが、きちんと選んで、しっかりお手入れをした包丁で調理をすると、料理の仕上がりが格段に違ってきます。今回は見落としがちな包丁の種類や材質、お手入れ方法をご紹介します。


食材によって変えたい、包丁の種類

「包丁」とひと口に言っても、それぞれ用途によって形状が違い、それぞれに名前が付けられています。まずはどんな種類があり、何の調理に向いているかをご紹介します。
「和包丁」と「洋包丁」
明治の文明開化以降、西洋料理や中華料理が伝わり、食文化が変化しました。それに伴って、調理に使う道具にも変化が生まれました。それ以前の日本人は魚や野菜を主として食していました。「和包丁」は、明治期以前から使用されてきた包丁を指すのが一般的です。そばや餅、寿司や刺身など、様々な食に合わせて和包丁があります。一方、「洋包丁」は主に西洋から伝わった包丁のことを指します。文明開化により、多くの人が肉料理を口にする機会が増え、それまでの和包丁が肉食文化に対応して進化したものもあります。
「和包丁」の代表格
☆刺身包丁(柳刃包丁)
その名の通り、柳の葉のように細く長く、刺身や切り身などを薄く切る時に使用します。イカなどのぬめりのある食材を切るのにも適しています。薄く切ることに優れているので、肉類のカットに使用する料理人もいます。刃渡りが長いため、取り扱いには慣れが必要かもしれません。
☆出刃包丁
出刃包丁は刃に厚みと幅があります。主に魚をさばく時に使用します。骨ごとぶつ切りにしたり、硬い食材を切る際にも重宝します。小出刃(アジ切り)と呼ばれる小さめの出刃包丁は小回りが利いて、使い勝手も良いのでおすすめです。
☆菜切り包丁
四角い形をした包丁で、刃は薄く、カーブしていません。野菜の皮むきやかつらむきにはもってこいです。また刃の形状からカサのあるレタスやキャベツなどをカットしたり、千切りにもとても重宝します。
「洋包丁」の代表格
☆三徳包丁(万能包丁)
最も親しまれている包丁かもしれません。肉・魚、野菜など、様々な食材に向いている包丁です。『最初の1本』や『これだけ』など、どこの家庭にも常備されており、最も親しまれている包丁かもしれません。
☆牛刀
上の三徳包丁と同様に、万能包丁として知られています。三徳包丁との違いは刃渡りが長く、刃先が大きくカーブしている形状のものが多いこと。肉の筋切りなどの際にとても重宝します。肉料理の多い現代の家庭では、こちらの方が使い勝手がよいかもしれません。
☆ペティナイフ
小ぶりの包丁です。小回りが利くので、細かい作業をする時に最適。果物を切ったり、飾り切りや細工切りなど多用途に使えます。手の小さな人にもおすすめです。
☆中華包丁
中華料理の調理で使う包丁で、大きくて重みがあります。様々な食材を切るのにとても便利で、硬いものや骨などを断ち切ることができるほどに強靭な包丁です。しかし、取り扱いが難しいので、料理の中・上級者向きです。


あなたの性格に向いた素材を選ぼう

包丁の鋼材は主に2種類あります。「鋼」と「ステンレス」です。他にも「セラミック」や「チタン」なども一般的になってきました。購入する際に悩むのも素材のことではないでしょうか。包丁は、その切れ味を保つために、多少でもお手入れが必要な道具です。ライフスタイルに合わせて選ぶことをおすすめします。あなたにぴったりな素材はどれでしょうか。
「鋼(ハガネ)」
ハガネの包丁は『錆びる』、『よく研がないといけない』と耳にしたことがあるので?実際、ステンレスと比べて、錆びやすいのは事実です。特に使い始めはすぐに錆が発生します。また、酸性の食材を切ると黒く変色することもあります。しかし、ステンレスに比べて非常に切れ味が鋭く、刃持ちが良いという特徴があります。
「ステンレス」
錆びにくい性質があるので、日常のお手入れはとても簡単です。取り扱いしやすいことから、今ではステンレス包丁の方が普及しています。また材質も進歩してハガネのような切れ味のステンレス包丁も出てきています。さらに技術の進歩で、ステンレスの間にハガネを割り込んだ包丁も登場しています。切れ味と研ぎやすさはハガネに劣りますが、扱いが楽な点は大きなメリットです。
「セラミック」
軽くて扱いやすい、というのが特徴です。また匂いもつきにくく、錆びません。金属アレルギーの方や、衛生面を特に気にする方に人気があります。またデザインも豊富で、キッチンに立つ際に楽しい気持ちに。ただし、硬く、しならない材質なので刃が欠けやすいのが注意点です。専用の研ぎ器があれば自分でお手入れすることも可能です。
「チタン」
とても軽い、というのが1番の特徴です。同じ包丁でも、ステンレス製のものと比べると約半分ほどの軽さです。また錆びにくいという特徴もあります。アレルギー反応が出にくい金属で、医療現場でも使われる素材です。イオン化しにくいので、匂い移りも心配ありません。


日々のお手入れは?

使い終わったらお手入れをするのは、道具を長く良い状態に保つ上で大切なこと。わかってはいるけれど、毎回はムリ…というのが本音ではないでしょうか。もちろん、包丁研ぎは必要ですが、頻繁に研ぐのは刃を早く減らしてしまうし、自分で研ぐのもなかなか難しいものです。
そこで日々のお手入れで、包丁をしまう前に簡単にできることや、毎回、気をつけておきたいことをご紹介します。ほんのひと手間ですので、ぜひ試してみてください。愛着もきっと湧いてくるはずです。
☆一番大切!「水気厳禁」
どんな材質の包丁でも、洗ったらすぐに水気を拭き取っておきましょう。衛生面でも安心です。
☆「出しっぱなしにしない」
包丁は常に刃を守るようにしておきましょう。洗ってそのまま水切り場に置いておく、という方も多いかもしれませんが、ぶつかったりすることで刃が欠けやすくなります。包丁同士がぶつかるような収納もできる限り避けましょう。
☆キレが悪くなる前に「簡単研ぎ」
切れ味を保つために、本格的に研ぐのではなく、日常的にぜひやっていただきたいのが、この方法です。ハガネの包丁をお持ちの方やこれから購入をしようと考えている方は、特に、この方法を試していただきたいです。それは、耐水ペーパーと呼ばれる紙やすりで刃を磨くことです。耐水ペーパーのおすすめは800番〜1000番の荒さです。ホームセンターなどで安く、簡単に手に入ります。やり方は、包丁を水で洗う際に必要分を切り取り、耐水ペーパーで磨くように洗うだけです。見た目も、切れ味も保たれますよ。

これを機に、ぜひ包丁の扱いを見直してみてください。美しくカットされた食材を使えば、料理の仕上がりがぐんとアップしますよ。