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「かっこ面白い古語と俳句の世界」──〈其の六〉


令和になって迎えた初めての夏は、暦のうえでは7月23日からの二十四節気「大暑」を最後に終わろうとしています。平成最後の夏もさまざまな出来事がありましたが、“令和初の夏”は、みなさんにとって記憶に残る夏になりましたか?

さて、松尾芭蕉は「松のことは松に習へ」という言葉を残しています。これは、先入観を捨てて素直にものごとに接すれば、そこに本質が見えてくる、という意味だそうです。つまり、見慣れたものでもよく観察すると、新しい発見があるということ。

俳句はよく3Dの世界に例えられます。対象を縦横斜めに見たり、縦に割ったり、横に切ったり……。俳句を通して言葉遊びをすることで、そうした一辺倒でないものの見方が身につくかもしれませんね。

今回も、俳句をたしなまなくても、知っているとちょっと得意、おまけにボキャブラリーも増える、そんな古語の世界を少しだけご紹介しましょう。


読めると楽しい古語「け・こ・さ 行 名詞編」

俳句を完成させるためには、推敲(何度も考え直すこと)が必要であり、句の格式を高める言葉選びの一つが古語なのです。

古語には、名詞・動詞・副詞など、さまざまな言葉がありますが、まずは簡単な名詞からご紹介しています。

今回は「け・こ・さ」の名詞の読み方です。レッツ・チャレンジ!

Q1 「健気」  *ヒント:3文字

Q2 「今日」  *ヒント:2文字

Q3 「虚空」  *ヒント:3文字

Q4 「去年」  *ヒント:2文字

Q5 「谺」   *ヒント:3文字

Q6 「東風」  *ヒント:2文字

Q7 「言祝ぎ」 *ヒント:4文字

Q8 「小叢」  *ヒント:2文字

Q9 「今生」  *ヒント:4文字

Q10 「小波」  *ヒント:4文字

答え合わせで古語の意味を覚えよう!

見慣れた漢字が多数ありましたが、読めましたでしょうか。

答えと意味は以下の通りです。

A1 「健気」 読み:けなげ

意味:勇ましいこと

〈鰯雲小舟けなげの頭をもたげ〉西東三鬼

A2 「今日」 読み:けふ(きょう)

意味:本日。現在

〈けふもいちにち風をあるいてきた〉種田山頭火

A3 「虚空」 読み:こくう

意味:空。大空

〈滴りのきらめき消ゆる虚空かな〉富安風生

A4 「去年」 読み:こぞ

意味:昨年。去年。「去年今年」と書いて冬の季語

〈去年今年貫く棒の如きもの〉高浜虚子

A5 「谺」 読み:こだま

意味:樹木に宿るたましい。やまびこ。木霊、木魂とも

〈手をうてば木魂に明くる夏の月〉松尾芭蕉

A6 「東風」 読み:こち

意味:東から吹く風。春風。春の季語

〈梅東風やくるま座内に児を放つ〉平井さち子

A7 「言祝ぎ」 読み:ことほぎ

意味:言葉で祝うこと。また、その言葉。寿とも

〈ことほぎに人来てゐたる朝寝かな〉富安風生

A8 「小叢」 読み:こむら

意味:森や林。小群とも

〈小叢より富士見えて夏果てしかな〉飯田龍太

A9 「今生」 読み:こんじょう

意味:生きている、この世

〈今生と思へぬ声に雁渡る〉大野林火

A10「小波」 読み:さざなみ

意味:小さい波。細波、漣とも

〈小波の如くに雁の遠くなる〉阿部みどり女



(参照:俳句のための古語辞典 株式会社学習研究社/広辞苑/合本俳句歳時記/俳句開眼100の名句 ひらのこぼ・著 草思社)


古語でふくらむ日本語の幅

── 今回は普段目にする漢字の別の読み方が中心でしたが、いくつ読めましたか?

古語を新しい言語としてとらえるならば、先述したように3Dな言葉のひとつなのかもしれませんね。

「かっこよくて面白い古語の世界」……これからも続きます!お楽しみに。

富士山と小波

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