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今年の漢字 ── 漢字を作る方法と文字遊び


今年も押し迫ってきました。

先日12月12日「漢字の日」に一年の世相を一字の漢字に託して表現する、日本漢字能力検定協会によるイベント「今年の漢字」が発表されました。

清水寺の貫主が大きな漢字を書く光景はおなじみでしょう。

全国から届いた約20万通の応募の結果、今年の漢字は「災 サイ、わざわい」となりました。実は「災」の文字は、2004年にも「今年の漢字」に選ばれていました。二度も「災」の文字が選ばれたということは、それだけ辛い経験、思いをされた方が多かったことを意味します。新しい年は、そうした思いをする人がいない一年であることを願ってやみません。

2004年に続き、「今年の漢字」に選ばれた「災」

2004年に続き、「今年の漢字」に選ばれた「災」


災害が相次いだ2018年

ここ10年の「今年の漢字」は、こんなラインナップです。

2017年:北  2016年:金  2015年:安  2014年:税  2013年:輪

2012年:金  2011年:絆  2010年:暑  2009年:新

そしてご存じの通り、2018年の漢字は「災」に決定しました。

協会のサイトによると2018年は「2月に北陸の豪雪、6月に大阪北部地震、7月に西日本豪雨、9月に北海道地震や台風21号が発生するなど災害が相次いだ」とあります。たしかに今年は特に夏に各地で自然災害が続きました。猛暑も記憶に新しいところです。

強風の猛威をふるった台風

強風の猛威をふるった台風


漢字を作る方法「形声」

さて、漢字にはたった一字で広いことがらを象徴的に表す機能が備わっています。古代中国のもともとの成り立ち(原義)から始まって、他の意味に転用されたり、借用されたりして、長い歴史の中で意味を広げてきたのです。

そのような漢字を作る方法には、大きく分けて4つあるのですが、そのうちの二つについて紹介しましょう。

多くの漢字は偏や旁などのいくつかの構成要素が寄り集まってできています。

偏と旁で構成された漢字の多くは、「意味のカテゴリを表す要素+音を表す要素」、という構成で作られていることが多く、たとえば「晴」という漢字は、「日=天候に関する要素」+「青=セイという要素」という構成です。

また「輪」は、「車=車に関する要素」+「侖=リン」ですから、漢字の旁を読めればその漢字の音読みは読める、というのはだいたい当たっています。この構成の方法を「形声」といいます。漢字全体の9割以上がこの方法で作られているとされます。

「日=天候に関する要素」+「青=セイという要素」の構成で作られた「晴」

「日=天候に関する要素」+「青=セイという要素」の構成で作られた「晴」


漢字を作る方法「会意」

もう一つは、「会意」という方法です。

これは「林」や「森」が「木」を重ねて使って「木がたくさんあるところ」という意味になるような方法です。このほかにも「日」「月」を二つ組み合わせて「あかるい」という意味を表す「明」、「女」が「子」をいつくしんでいるさまを表す「好」などがあります。

同じ部品を繰り返し使う漢字には、このほかにも「火」を重ねて火の勢いがさかんなさまを表す「炎」(ほのお)、などがあります。

また「耳」を寄せ合ってささやくさまを表した「聶」、これに口偏を加えて「囁」(ともにささやく)、「馬」を三つ重ねた「驫」(ひゅう)は、多くの馬が走るようすを意味します。

火の勢いがさかんなさまを表す「炎」(ほのお)

火の勢いがさかんなさまを表す「炎」(ほのお)


「災」という漢字のもとの意味は?

ここで、冒頭に触れた「今年の漢字」に戻りましょう。

2018年の漢字である「災」はもともとどんなふうに作られたのでしょうか。

漢字学者・白川静編『字通』には、巛(さい)+火の組み合わせとなる会意文字です。巛はもともとの形には横棒が一本加えられており、水がふさがれて流れ出すことを指し、水害を示す文字だったということです。

それに火を加えて、水害・火災を現す文字となったという解釈がされています。それが広くわざわいを示す文字として使われるようになりました(漢字の原義にはさまざまな説があり、これにも異なった説があります)。

── 今年、自然災害に限らず、人間関係のトラブルや健康面での問題に悩まされた人もいるかもしれません。そうした方は、希望の「希」を自分の「来年の漢字」に託し、新しい年を迎える準備をしてみてはいかがでしょうか。

「今年の漢字」の舞台となる京都・清水寺

「今年の漢字」の舞台となる京都・清水寺

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