みなさんは子どもの頃、どんな絵本を読んでいましたか?みなさんそれぞれ思い出の絵本があるかと思います。子どもが読むものとして思われがちな絵本ですが、最近は大人が楽しめるものも多く出版されており、実はちょっとしたブームになっているんです。
今回は、そんな絵本の歴史についてご紹介します。


子ども向け絵本のはじまりは教科書?

子ども向け絵本のはじまりには諸説ありますが、17世紀にコメニウスという聖職者によって出版された『世界図絵』が子ども向け絵本の起源であると言われています。世界図絵は、勉強が苦痛だと思う子どもたちのためにつくられた、挿絵入りの教科書です。
日本でも、同じくらいの時期に『訓蒙図彙(きんもうずい)』という絵入りの百科事典がつくられましたが、「子どものために」とはっきり意識つくられたものではありませんでした。
子ども向けのものに限定せずに絵本の歴史を遡ってみると、日本には『奈良絵本』というものがあります。奈良絵本は、室町時代後期から江戸時代前期頃までにつくられていた絵入りの写本です。内容は浦島太郎や一寸法師など、現代の子ども向け絵本にもよく見る内容です。また内容だけではなく、判型や文章と絵の配置など、現代の絵本と通じるものが多くあります。
しかし、この奈良絵本は富裕層を対象としてつくられていました。なかには金泥銀泥を使った豪華なものまであるとのこと。今となっては気軽に読める絵本ですが、昔はお金持ちの特権だったんですね。


ドキドキ!ワクワク!『しかけ絵本』の歴史

飛び出す絵本、音が鳴る絵本、ぽっかり穴が空いた絵本。こういった仕掛けがなされた本は、「しかけ絵本」と呼ばれています。しかけ絵本の起源は先ほど挙げた絵本よりも古く、1306年頃だと言われています。
最初のしかけ絵本は楽しむことを目的としてつくられたものではなく、星の動きや人体の仕組みなどをわかりやすく表すためにつくられました。有名なもので、マシュー・パリがつくった「円盤しかけ」があります。円盤をくるくると回すことで、星の動きを視覚的に表せるようになっています。
今も絵本売り場に行けば、知育用のしかけ絵本をたくさん目にします。絵本に仕掛けを施して理解を促すということは、こんなにも昔からされていたことだったんですね。

今日、11月30日は絵本の日です。絵本の日は、『ナルニア国物語』や『ロード・オブ・ザ・リング』の翻訳者として有名な瀬田貞二が、11月30日に『絵本論』を出版したことを由来として、『絵本と図鑑の親子ライブラリー』によって制定されました。
絵本の日の今日、お気に入りの絵本を探しに出かけてみるのもいいかもしれませんね。

<参考・参照>
日本における子どもの絵本の歴史 : 千年にわたる日本の絵本の歴史 絵巻物から現代の絵本まで その1.平安時代から江戸時代まで:https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/26550/mp_44-081.pdf
国立国会図書館, コメニウス『世界図絵』:https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-237.php
福岡市南区大橋の絵本と図鑑の親子ライブラリー:http://bibliokids.jp/days/