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秋が最盛期の「リンドウ」。古来より健胃薬としても有名だって知ってた?


秋の風情を演出してくれるリンドウ。野趣があり秋の台風や枯草の中でも紫の花を咲かせ、楚々とした様子が日本古来から愛されてきました。「万葉集」には「想い草」としてうたわれています。「源氏物語」や「枕草子」にも登場し、例えば清少納言は「リンドウは、枝ざしなどもむつかしいけど、こと花どものみ霜枯れたるに いとはなやかなる色あひにてさし出たる」と記しています。そんなリンドウですが、根が薬用になることは古代エジプト時代から知られ、現在でも漢方で竜胆(りゅうたん)と呼ばれる生薬として利用されています。本日はそんな「リンドウ」のよもやま話を見ていきましょう。


良薬は口に苦し?ウサギと「リンドウ」の伝説

修行者の役小角(えんのおづの、634~701)が日光の山道を歩いていると、一匹のウサギが雪の中からリンドウを掘り出してなめているのを見つけました。不思議に思った役小角がウサギに尋ねると、主人が病気なのでこの草を探していたと答えて去っていきました。役小角も試しにその草の根を掘り、病人に飲ませてみると優れた効き目のあることが分かりました。役小角はこれは二荒神のお告げに違いないと考え、その後日光ではリンドウが霊草になったそうです。

かつては、沼地や田んぼの近くで目にされていたリンドウですが、近年は自生しているものは見られなくなってきました。服用すると独特の苦みが作用し、胃液分泌を盛んにして機能を高め、消化促進、胃酸過多、胸やけ、食欲不振にうまく働きバランスをとってくれる働きがあります。

あまりにも苦みが強く、まるで、竜の肝のようだということから「竜胆」。これがなまって「リンドウ」となりました。

西洋においても、「ゲンチアナ」という名前で健胃薬として効能が知られ、リンドウ(竜胆)の学名「Gentiana」は、リンドウの一種を薬としての利用価値を発見したゲンチアナ王の名前に由来します。中国では、高血圧からくるめまいや頭痛、耳鳴り、膀胱炎にも作用する漢方薬として知られています。

参考文献:假屋崎省吾・孫維良著「メディカルフラワーセラピー」太陽出版

青、紫の他に、白や黄色のリンドウもあります

青、紫の他に、白や黄色のリンドウもあります


家紋や市章にも使われている「リンドウ」

花は開き実のなるものは縁起が良いとされ、吉凶を表現する梅や桜、なでしこ、水仙、橘、フジ、牡丹、すみれ、桔梗などと並んで、リンドウも家紋のモチーフとして登場します。葉が笹に似ているといわれ、別称でササリンドウとも呼ばれるリンドウは、源氏とゆかりの深い紋としてよく知られており、古くは源義経や木曽義仲、江戸時代には清和源氏ゆかりの武家がすべて用いたとされています。いまでも鎌倉市では市章にリンドウを使用しています。花と葉が織りなすラインが美しい紋です。

源氏三神社の一つ「多田神社」の紋

源氏三神社の一つ「多田神社」の紋


「リンドウ」の花言葉は?

「正義」「勝利」

敬老の日にプレゼントされた方も多いのでは?病気に打ち勝つという意味も持ちます。

リンドウが生薬で有名なこともあり、健康と長寿を願い贈るのにはピッタリな花言葉ですね。

「誠実」「的確」「貞節」

曇りや雨、夜には花が閉じて、太陽の光が差し込んでいるときにだけ花開くという、何とも律儀に見えるその性質からうまれた花言葉です。

さらに白いリンドウは、包み込むような優しさだけではなく、気品や上品さ、純粋さが感じられることから「貞節」という花言葉が付けられたといわれています。

「淋しい愛情」「あなたの悲しみに寄り添う」「悲しんでいる時のあなたを愛する」

秋の寂しい野や山に自生しているリンドウが群生せずに1本1本咲いている様子が寂しく健気に見えるのでしょうか?そんな凛とした美しさや強さを愛でる花言葉です。

白のリンドウ

白のリンドウ

お天気も変わりやすく、イベント盛りだくさんの秋ですね。どうぞ健やかにお過ごしください!

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