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「知って得する季語」秋の風イロイロ。秋の風の名前を知ろう!


9月中旬に入り、今日からシルバーウィークに入られた方も多いことでしょう。暑さも落ち着き、朝晩は過ごしやすい気候になってきましたが、この時季は二十四節季でいう「白露(はくろ)」。白露とは、日中の気温の高低差により草木などに表れる水滴のことで、これが夜になって白く見えるから。白露(しらつゆ)ともいい、古くから使われてきた言葉です。さらに、露は秋を代表する季語であり、昼になると消えてしまうので、はかなさの象徴としても例えられています。

ところで、風といえば、春風、秋風、木枯しなどは誰もが知る風の名前ですが、春夏秋冬には、さまざまな風の名前がついています。俳句初心者が歳時記を見て最初に驚くのは、これら風の名前といっても過言ではありません。

そこで、今回は「秋の風」の種類や意味などを調べてみました。


こんなにもある日本の風と「秋の風」の特徴!

まず風の種類に関して、歳時記では代表的なものだけでも数十種類が掲載されています。しかし、日本各地には風土の違いや、土地独自の風の名前も多く存在しているそうで、その数はなんと、2000種類を超えているのだとか! それぞれが違う名前を持っているのですから、風に名前をつけた日本人の感性に驚いてしまいますね。

今回はこの中から、秋に分類されている風の一部をご紹介します。

○黍嵐(きびあらし)

黍とは、里芋のこと。9月から10月は里芋の収穫時期であり、里芋畑では、大きな葉っぱが風に揺れて裏返る様子が見られる。それらを揺らすほどの強い風。「芋嵐」ともいう。

○爽籟(そうらい)

「爽」は爽(さわ)やか、「籟」は三つの穴がある笛の音。秋風の爽やかな響きを意味する。「爽やか」は、晴れ渡った気配を表す秋の季語。

○金風(きんぷう)

五行で秋は金にあたる。五行説(ごぎょうせつ)は、古代中国に端を発する自然哲学の思想で、万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説であり、秋は金であるから「金風」、色は白なので、秋そのものを「白秋(はくしゅう)」と呼ぶ。

○色なき風

秋は一面質素な色合いであり、春や夏の華やかさがないことから、色がない季節=色のない風が吹く季節とされる。

※「爽籟」「金風」「色なき風」は「秋の風」の別名。

○鮭嵐(さけあらし)

鮭が産卵にやってくる頃の強い風。東北地方で使われる言葉で、この風を合図に鮭漁が始まるといわれている。

○雁渡し(かりわたし)

初秋から仲秋にかけて吹く北風。雁が渡ってくるころの風から。別名「青北風(あおぎた)」ともいい、この風が吹くと海も空も青く澄むようになるという漁師から生まれた言葉。

(参照:俳句歳時記(春~新年) 角川学芸出版 角川文庫)


もう一つの「秋の風」の意味と使い方

いかがでしたか? 一口に「秋の風」といっても、さまざまな種類があることがわかりましたね。爽やかだったり、色がなかったり、漁師言葉だったり……。実際に風は目に見えませんが、言葉にすることで、より感じ取ることができるのではないでしょうか。

──言葉や漢字の成り立ちを知ることは、日常生活に膨らみを持たせてくれるはず。ところで「秋の風」を使ったこんな句はご存じですか?

物言えば唇寒し秋の風  芭蕉

(悪口を言った後は秋の風のように心が寒くなるなあ)

秋は、草木が衰えゆく季節であり、風が身に沁みて哀れをさそいます。実際吹く風だけでなく、心情的な使い方ができるのも「秋の風」の特徴。芭蕉の句は、人生観を表した句として有名なもの。「知って得する季語」とともに覚えておきたいですね。

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