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「知って得する季語」。あせも予防の「天花粉(てんかふん)」って何のこと?


毎日、暑い日が続いていますね。暑いときに自然と出るのが、そう、汗です。この時季は大人も汗だく(笑)ですが、赤ちゃんは特に汗っかき。新陳代謝がよく自由に動けまわれないぶん、汗疹(あせも)にも注意しなければなりません。

そんな赤ちゃんに用いられるのが、さらさらしていて、ふんわりいい匂いのするベビーパウダーです。この粉を季語では「天瓜粉(てんかふん)」または「天花粉」といいます。この「天瓜粉」、実はある植物と関係があるのをご存じでしょうか?

そこで今回は、なぜこのように書くのか天瓜粉について調べてみました。


天花粉とベビーパウダー、シッカロールの違い

本題に入る前に、現在のベビーパウダーの成分はどのように表記されているのでしょうか。価格や製品ごとに違いはありますが、成分表を見ると、共通して「タルク・コーンスターチ」が入っていることがわかります。コーンスターチといえば、トウモロコシの粉ですね。では、タルクとは?

タルクは滑石(かっせき)という鉱物の一種で、これを砕いて粉にしたものが、さらさら成分の元。ちなみに、世代によってはベビーパウダーを「シッカロール」と呼んでいますが、「シッカロール」は和光堂の登録商標名なんです。なので使用には注意が必要ですが、ある歳時記の天瓜粉の説明にも「シッカロールのこと」とあります。

ほかにも、理髪店で刈り上げするときに使われる粉(天瓜粉)は、ベビーパウダーとほぼ同様の成分だそうですよ。


天花粉・天瓜粉の原料となる植物とは?

さて、本題の天瓜粉についてです。

漢字に瓜が入っていることが大きなヒントになりますが、先述のトウモロコシとも、食べられるキュウリとも関係ありません。瓜は瓜でも「食べられない瓜」=「黄烏瓜(キカラスウリ)」のことだったのです!

「キカラスウリ」はウリ科カラスウリ属の日本固有の植物で、秋になると高いところに黄色い実をつけます。その根からとったデンプンを、江戸時代に汗疹予防として使用していたそう。そこから「天瓜粉」と呼ばれたそう。江戸時代からあったなんて歴史が古く、現在のベビーパウダーの先駆け的なものだったことに驚きですね。

また、天瓜粉を天花粉と書くことは間違いではありません。天花は中国語で「天から降る花=雪」のこと。カラスウリの花は真っ白で高いところに咲くためとも、天瓜粉の転記ミスとも諸説あるそうですよ。


薬草としてのカラスウリ

── 言葉や漢字の成り立ちを知ることは、日常生活に膨らみを持たせてくれるはず。まさかベビーパウダーの先駆けが、植物の根だったなんて驚きですね!

日本では、冬になる前の、植物が枯れないうちに薬用の根を掘る習慣があり、「薬掘る」という秋の季語も存在しています。葛粉になる葛も秋に掘りますし、自然薯などもそうですね。キカラスウリの仲間である赤い実をつけるカラスウリも山野で見かけることができますよ!

天瓜粉は、薬という観点からも、先人の知恵が込められた「知って得する季語」のひとつといえるのではないでしょうか。

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