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春告魚のデカ目さん☆メバルの視力って、やっぱりいいの?七十二候<魚上氷(うおこおりをいずる)>


魚上氷。魚たちが氷の間から元気に飛び跳ねる頃となりました。メバルは「目春」とも書き、ニシンなどとともに春告魚のひとつになっています。「メバル? 食べたことないな」とおっしゃる方も意外と多いようですが、釣り人たちにとってはトップアイドルなみの人気者! その特徴は、ぐるん♪と張り出した大きなお目々とキュートな受け口です。「目張」が名の由来ともいわれ、見るからに目が良さそう…でも魚の視力って、そもそもどれくらいあるのでしょうか?

ウスメバル

ウスメバル


カエルが化けてメバルになるなんて!?メバル釣りが一番人気の理由とは

大きく張り出した、衝撃的なデカ目!! 昔の人にもふつうの魚には見えなかったのか、江戸時代の百科事典には「メバル⇒ヒキガエルが変化したもの」と紹介されています。このデカ目で上方を「一点にらみ」してじっと見張り、小魚やイカなどを食します。古くから、メバルがよく釣れる穏やかな海の状態を「メバル凪」と呼んでいます。

メバルはフサカサゴ科の魚で、北海道南部〜九州、朝鮮半島南部に生息しています。大きさは全長20センチ〜30センチくらい。体色は生息場所や深さによって異なりますが、多くは茶褐色の地色に黒のタテ縞模様があります。ひれにトゲトゲがあるので、触らないように注意しましょう。冬から早春にかけて、魚なのになんと赤ちゃんを出産(卵をお腹で孵してから放出)。春告魚のひとつとされ、上品な味わいが愛されてきました。

メバルは日本じゅうの沿岸で、老若男女誰もが釣りを楽しめるという、お魚界のトップアイドルなのです。海藻の茂る岩場などで群れになり、ときには立ち泳ぎで浮いてきて、動くものにパクッと勢いよく食いつくメバル。初心者でも簡単に釣れて、ベテランには駆け引きの醍醐味があるといいます。しかも姿がかわいくて、食べるととっても美味!

「釣りってちょっとやってみたいかも♪」という人向けに、女性や子どもも安心して参加できる体験教室なども各地で開催されているようです。興味のある方は、関連リンク(日本釣振興会HP)ものぞいてみてくださいね。

いわれてみればカエル顔…

いわれてみればカエル顔…


ところで、魚たちって海の中でどのくらい目が見えているのでしょうか?

人間で「目が良い」というと、メガネ・コンタクトレンズなしでだいたい「視力表の1.0」以上見える状態を指しますね。広い海の中でこまかいエサをみつけて食べたりしている魚って、ものすごく視力がいいのでは? とくにメバルのようなデカ目さんなら、遠視なみに見えていたりして!…と思ったら、意外にも魚の視力はおおむね 0.1〜0.6。マグロやカジキのような大型で表層を回遊する魚は視力が良く、カサゴのような底魚で深海性の魚は視力が悪いといわれているそうです。メバルはカサゴの仲間なので、0.1くらいしか見えないってこと!? 近づいてきたエサや敵に対応するなら、それで充分ということでしょうか。

ところが、魚の「視力」は、それだけでは測れないものでした。「魚眼レンズ」の視野は、人とは比べものにならない広さ。魚にとって死角は、体の後方の一部だけなのだそうです。釣りなどしていて水面をちょっと覗き込むと、こっちには魚が見えていなくても魚にはたいてい見られているのだとか…! おそろしいですね。また、瞬間的に物の形を識別する能力は人の50倍、濁った水の中で物を見る能力は人の約2倍ともいわれています。無人島に漂着した一般人がモリなどで魚を突いてつかまえるのは、そう簡単なことではないようです。さらに、コイやヒラメなどは、人には見えない紫外線まで見えるといいます。

近年は、魚が水中にある釣り糸(ハリス)を見る視力を「線視力」と呼び、ふつうの視力と区別しているそうです。魚はふつうの視力よりも、この線視力のほうが2〜3倍も良いといわれています。つまり、釣り糸につけたエサよりも先に釣り糸を見つけてしまう、ということですね! メバルも、この能力が非常に優れているといわれていて、ハリスの太さに気をつかう釣り人も多いのだとか。また、ルアー(疑似餌)の識別などにも通じる「色覚」は魚によって違い、現在研究が進んでいるそうです。

「ランドルト環(視力表に並んだCみたいな形)」の向きがわかる、みたいな視力は、人間限定のものさしなのかもしれません。

サングラスをかけているような

サングラスをかけているような


いったい君は何色なんだ? 美味しくてかわいいから、まるごと味わいたい!!

じつは最新の図鑑に「メバル」という魚はいません。従来はひとまとめに分類されていましたが、2008年、DNAによってアカメバル・クロメバル・シロメバルの3つに分けられたからです。とはいえ…メバルの仲間はたくさんいて、釣ったらどれも黒っぽかったりして個体差もあり、見かけでは判別しかねる場合も多いようです。

さらに呼び名で大混乱! アカメバルの別名は「金メバル(オリンピックシーズンにかじりたくなりますね)」、またどう見ても茶色なのにシロメバルだったり、「青・青地」と呼ばれていたりと、本当は何色なんだ?と問いたくなる紛らわしさ。ちなみに市場で「メバル」といえば、赤っぽいウスメバルのこと。クロメバルは「本メバル」と呼ばれています。ウスメバルは筍の季節に「タケノコメバル」として人気ですが、その名前の魚はちゃんと別に存在しているのです…もう「メバル」ってわかればいいんじゃない、みんなデカ目だし。って感じでしょうか!

メバルは、白身でクセのない上品な味わい。

お刺身、煮付け、焼き魚など、どんなお料理にも合います。お魚博士・さかなクン先生によると「唐揚げなども美味しいのですが、美しい姿をそのまま残して料理することで、大きな頭からも良いお出汁が出ます。メバルちゃんをお料理するときは、ぜひそのままの姿で!」とのことです。また、たんぱく質・ビタミンE・カルシウムなど、老化防止や動脈硬化予防に効果的な栄養素が豊富なので、若さと美を保ちたい女性にもおすすめです。

リンク先では、お子さんにも食べやすいトマト煮のレシピを紹介しています。スーパーなどでメバルをみかけたら、ぜひまるごとお料理して、春の訪れを味わってみては?

まるごと食べちゃいたいくらい可愛い♪

まるごと食べちゃいたいくらい可愛い♪

<参考文献・サイト>

『あぁ、そうなんだ! 魚講座』亀井まさのり(恒星社厚生閣)

『さかなクンのお魚図鑑』(ANA釣り倶楽部HP)

『WEB版 築地市場のさかな』(東京都市場衛生検査所)

そっくりさんにも遭遇! こちらはカサゴさん

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