11月は冬の便りがなかなか届きませんでした。上旬は記録的な高温となり、中旬になって北海道で平年より大幅に遅れて初雪を観測。下旬にも寒気は流れ込んだものの、長続きしませんでした。

●遅かった寒気

11月は寒気の流れ込む時期が遅く、季節の歩みがゆっくりでした。上の図は、今年11月の、秋田市の上空1500メートル付近における気温変化を示したものです。上旬は日本付近に寒気がなかなか入らず、暖かい空気に覆われました。このため上旬は、11月としては記録的な高温となりました。中旬からはようやく寒気が流れ込み、遅れていた冬の便りが続々と届きました。下旬からは一段と寒気が強まったことがわかります。以下、旬ごとの詳細です。

●上旬 ポカポカ列島 暑いくらいの所も

5日頃からは全国的に暖かい空気に包まれ、11月としては記録的な高温となった所がありました。6日には沖縄や九州だけでなく、本州でも最高気温が25度以上の「夏日」となった所があり、和歌山県田辺市の栗栖川では26度1分と、11月としては最も高い気温に(統計開始1979年)。翌7日は「立冬」で、暦の上では「冬」を迎えたものの、暦とは裏腹にしばらく暖かい日が続きました。9日は日本海を進む低気圧に向かって暖かい南風が吹き、北陸で気温が上昇。石川県小松市の最高気温は27度1分と11月としては1979年の統計開始以来1位の記録に。10日には関東や東海で夏日一歩手前まで気温が上がり、最高気温は神奈川県藤沢市の辻堂で24度8分(統計開始1992年)、栃木県佐野市で24度7分(観測開始1978年)と11月2位の記録となりました。

●中旬 ようやく初雪 遅れていた冬の便り続々

中旬に入ると一転、強い寒気が流れ込んで、遅れていた季節が一気に進みました。例年なら平地でもすでに雪の季節を迎えているはずの北海道では、14日にようやく旭川市や網走市、稚内市で初雪を観測。いずれも平年より2~3週間遅い観測で、旭川市では1888年の統計開始以来2番目に遅く、稚内市では1938年の統計開始以来、最も遅い記録でした。全国的にも朝はグッと冷えて、翌15日から16日かけては東北や関東甲信でも平年より1~2週間程度遅れて初霜や初氷を続々と観測しました。その後も断続的に寒気が流れ込み、20日には札幌で統計開始以来1890年と並んで最も遅い初雪となり、翌21日は北海道で今季全国で初めて真冬日(最高気温が0度未満)となりました。

●下旬 寒暖差大きく 季節は行ったり来たり

下旬になると、より強い寒気が流れ込んで、北国は本格的な雪のシーズンを迎えました。21日には盛岡市で、本州で今季一番早い初雪を観測。22日には西から冷たい北風が強まって、近畿地方で木枯らし一号が吹きました。24日には冷え込みが強まり、西日本からも初霜や初氷など冬の便りが届きました。ただ、寒気は長続きせず、季節は一気に逆戻り。25日からは徐々に暖かい空気が流れ込んで、季節外れの暖かさになりました。札幌では23日に11センチだった積雪が、26日には0センチに。関東以西では所々で最高気温が20度以上となり、昼間は上着なしでも過ごせるほどでした。28日頃からは再び北日本に強烈な寒気が襲来。北海道や東北では雨から雪に変わりました。
なお、東京地方では30日午後5時現在、まだ木枯らし一号の発表がありません。このまま11月中に発表がなければ、39年ぶりに「発生せず」となります。

●12月も高温傾向

29日に発表された1か月予報によると、12月も全国的に暖かい空気に覆われやすく、特に関東から九州、沖縄にかけては平年より気温の高い日が多くなりそうです。ただ、来週は季節外れの高温になった後に、強い寒気が流れ込む予想となっているなど、寒暖差が大きくなることもあるでしょう。暖冬傾向とはいえ、急な寒さや強まる雪に注意が必要です。