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ダルビッシュから届いたメール「あんな態度取ってすみませんでした」鶴岡慎也氏語る最大の武器とは


WBC日本代表合宿前日練習 元日本ハムの鶴岡氏(右)とキャッチボールをするダルビッシュ(2023年2月16日撮影)

<ブレーブス-パドレス>◇19日(日本時間20日)◇トゥルーイスト・パーク

パドレス・ダルビッシュ有投手(37)が日米通算200勝を達成した。全て先発勝利での到達は史上初めて。日本ハム時代にバッテリーを組み、昨年のWBCではブルペン捕手として侍ジャパンに同行した鶴岡慎也氏(43)が思い出を語った。

  ◇  ◇  ◇ 

数々の試合でバッテリーを組みましたが、鮮明に覚えているシーンがあります。06年プレーオフ第2Sのソフトバンクとの第1戦。最後のバッターの大村さんを真っすぐで空振り三振に仕留めました。真ん中高め、アウトコース寄り。きれいな回転で浮き上がるような真っすぐで。あのボールの軌道、手に受けた感触がいまだに忘れられません。

入団した時から上しか見ていない投手でした。初めてボールを受けたのは鎌ケ谷の2軍施設で、ダルは高卒1年目。ものすごい器用な投手だなと。いろいろな変化球を投げるけど、その日の体調、球場の環境によって、ちょっと曲がりを変えたり。普通に投げても150キロ。あんな真っすぐを投げるのに、こんなに変化球が好きな投手は珍しい。人より速いストレートを投げたい、キレるスライダーを投げたい、落ちるフォークを投げたい。そして、打者を圧倒して抑えたい。執着心がすごいんです。

試合中になだめたことは、何度もあります。あれだけの投手だから「走者が出ても抑えればいい」っていう感覚があるけど、ベンチとしては走られたくない。けん制のサインが複数回出るんです。そういう時は、イライラしながら投げていた。本人はリズム良く打者に向かいたいから。試合後「すまなかったな」と、なだめてもぶぜんとしていたけど、家に帰ると「あんな態度取ってすみませんでした」とメールが届いていた。プロ野球選手だって、自分の感情を抑えられずに前しか見えない時があるんです。でも、冷静になれば、ちゃんと気遣いができる。配球、捕球、ブロッキングなど捕手の技術、空気を読む力。たくさんのことを教えられました。

昨年のWBCで、久しぶりにダルの球を受けました。本気の球を受けるのは、これが人生で最後だろうなと感慨深い気持ちになりましたが、真っすぐの質、変化球のキレ、打者に向かってくるスライダー、カーブがポヨーンと抜ける指先の感じとか、20代のころと全く変わってなかった。野球選手が一番闘わないといけないのは「老い」だと思うんです。特に投手は、ちょっとした筋力やコンディショニングの低下が、パフォーマンスにつながる。それに真っ正面から立ち向かっている。

WBCでも、もっといいスライダーが投げられると思えば、翔平(現ドジャース大谷)に「スイーパーは、どうやって投げてるの?」と聞く。後輩から盗んででも、もっといい変化球を投げたいと思っている姿は昔のまま。何十億稼いでも、現状に満足しない。野球への執着心や向上心が、最大の武器だと思います。翔平にも思い入れはありますけど、やっぱりダルは特別で…。ちょうど一緒にプロの階段を上がっていった。いい時代に同じユニホームを着ていたなと。沢山のものを教えてもらって、与えてもらって。感謝の気持ちは計り知れません。

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