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無死満塁、輝いた13球=大勢、巨人に希望―22プロ野球回顧(5)


 新人守護神の投球が最も輝いたのは、セーブのつかない場面だった。巨人が敗れればBクラスが確定する10月1日のDeNA戦(横浜)。0―1の八回無死満塁で送り出された大勢は心に決めていた。「1点も許されない。全て三振を狙おう」  マウンドから気迫が漂う。先頭の藤田は150キロ台の直球を三つ並べて空振り三振に。後続も含め13球で3者連続三振という圧巻の内容。右手でグラブをたたき、笑顔でベンチへ戻った。  実はこの時点でセーブ王争いから脱落した。残り2試合両方でのマークが最低条件だった。それでも何ごともないかのように登板。「出てきただけで相手に『もう駄目だ』と思われたい」という開幕前の誓いは、チームの活力にもなった。  関西国際大出身。ドラフト1位で指名されたが、中央球界での知名度は低く「大丈夫か、という雰囲気は感じていた。周囲の見方を変えてやろう」。救援に適性を見いだされ、ビエイラの調整遅れもあって、抑えで開幕を迎えた。何度も映像でフォームを見直し、高梨ら先輩にも頻繁に助言を求めた。  他球団のスコアラーは「球威抜群で癖のある軌道は脅威。初見では打てない」と正直に報告したという。対策を練っても、次回対戦で大勢の成長が上回った。当初は「できたてほやほや」と評した原監督も、最後は「完全に自分の力。自立して戦い抜いた」と褒めた。  最終戦で新人最多に並ぶ37セーブをマーク。今季の新人王も射止めた。4位だった巨人で、数少ない希望の光。日頃から「わくわく」という言葉をよく使う23歳右腕は、「来季こそ日本一を味わいたい」。自身の成長とチームの復権、そしてファンを喜ばせることに心を躍らせている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕DeNA戦の8回、ピンチを切り抜けた巨人の大勢=10月1日、横浜
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