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成熟した「負けない柔道」=高藤、危なげなく―世界柔道


 派手な大技はなくても、大きな舞台を何度も制してきた安定感は揺るがない。高藤は危なげなく世界王者に返り咲き、日本男子最多に並ぶ4度目の頂点に。「うまくいった。(作戦が)はまった」と胸を張った。  初戦の2回戦と3回戦は早々に相手に指導が三つ。わざと引き手を切らせて指導を与える研究を重ねてきた成果だった。準決勝では東京五輪銀の楊勇緯から終了間際に内股で技ありを奪って会場を沸かせ、決勝は鋭い小内刈りで圧倒した。  国際大会には絶対の自信を持つ。銅メダルに終わった2016年リオデジャネイロ五輪後は攻撃的な戦い方から「負けない柔道」に路線を変更した。相手を研究し尽くし、自分の体の反応に頼らず「絶対に勝てるところでしか勝負しない」。東京五輪で金に輝き、そのスタイルをつまらないと周囲からやゆされても、信念を持って高めてきた柔道は成熟度が増した。  2年後のパリ五輪へ向け、この世界選手権が国内代表選考の大きなヤマになると捉えて自らを追い込んできた。今後については「頭を使った戦い方、状況に合わせた戦い方をどれだけ冷静にできるか」。変化を恐れない。勝利への貪欲さが、29歳を支えている。 (タシケント時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕男子60キロ級で優勝し、金メダルを手にする高藤直寿=6日、タシケント 〔写真説明〕男子60キロ級決勝で、モンゴル選手に一本勝ちし優勝を決めた高藤直寿(上)=6日、タシケント
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