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綱の責任、必死の土俵=痛みと闘った照ノ富士―大相撲秋場所


 照ノ富士が秋場所10日目の20日から休場した。両膝に古傷を抱えながらも、気力を振り絞っていた一人横綱。終盤戦を前に土俵から離れることとなったが、強い責任感は十分に伝わってきた。  力強い相撲が影を潜め、9日目までに四つの金星を与えて苦しんだ。膝を気にするそぶりをたびたび見せており、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「注射を打つなどしながら、痛いのを我慢してやっていた」と明かし、今後は手術を受ける可能性も示唆した。  7月の名古屋場所は、新型コロナウイルス関連で大量の休場者が出る事態に。「お相撲さんは、土俵の上で皆さんを喜ばせることしかできない」と横綱。古傷の痛みに耐えながらも逸ノ城と賜杯を争い、千秋楽まで土俵の火を消さなかった。  出場する以上は、白星を求められるのが番付の頂点に君臨する横綱の宿命。けがが悪化するリスクも背負い、今場所も気迫十分に臨んでいた。  八角理事長(元横綱北勝海)は照ノ富士の精神力の強さをたたえつつ、「もう一度やり直してほしい」と回復を願う。大きな背中で示した思いは、ファンにも届いたことだろう。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕霧馬山(手前)を攻める照ノ富士=11日、東京・両国国技館
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