高梨にもらった勇気＝森、バイト経て再出発―トランポリン

　トランポリン女子で２０１９年世界選手権個人覇者の森ひかる（２２）が９日、東京都内で記者会見し、新たな所属が「ＴＯＫＩＯインカラミ」になったと発表した。競技に専念するプロとして活動するのは、トランポリンでは異例。森は「昨年の東京五輪は心にとても大きな傷をつくった。（２０２４年）パリ五輪では金メダルを取る」と意気込みを語った。 　金メダルが期待された五輪では、その重圧に押しつぶされて予選敗退。現役引退を考えながら、回転すし店で自身初めてというアルバイトを経験した。苦境の中で、スキージャンプ女子の高梨沙羅（クラレ）の姿に力をもらったという。 　高梨は北京五輪の混合団体でスーツの規定違反により失格したが、その後のワールドカップ（Ｗ杯）で優勝。森は「私もトランポリンを続けて復活し、少しでも（周囲の）心を動かせたら」。　 　森は今春、金沢学院大を卒業。練習拠点を失った。しかし、自らメールを送ってアピールし、所属先が決まった。今後は、１３年世界選手権男子シンクロナイズド優勝の山口学コーチに師事し、主に都内で練習する。再出発した元女王が、「もっと成長したい」と目を輝かせた。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見後に笑顔でポーズを取る森ひかる＝９日、東京都中央区