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革新の軌跡:通信からロボットへ拡大、柔軟な企業成長の歴史を紐解く



株式会社ベネフィットジャパン
(画像=株式会社ベネフィットジャパン )








佐久間寛(さくま ひろし)――株式会社ベネフィットジャパン 代表取締役社長


1988年11月 株式会社エスピージャパン設立代表取締役社長就任。1996年6月 当社設立 代表取締役社長就任(現任)、2008年5月 株式会社ライフスタイルウォーター代表取締役社長就任(現任)、2019年9月 株式会社モバイル・プランニング取締役就任(現任)








株式会社ベネフィットジャパン


当社は「すべての人々にテクノロジーの恩恵を」というビジョンのもと、多様な通信サービスを多岐にわたるルートで提供している会社です。主に「インターネット通信サービス事業」「ロボット事業」を軸に事業展開しており、インターネット通信サービス事業では、モバイルWi-Fiの販売およびレンタル、MVNEサービス、SIMカード、eSIMなど幅広い選択肢を提供しています。ロボット事業では、「新しい家族に出あえる」というコンセプトで、ロボットショップを展開し、ファンコミュニティを築くためにコミュニティサイトやロボット専用のアパレルショップなどの取り組みを進めています。







これまでの事業変遷について



株式会社ベネフィットジャパン
(画像=株式会社ベネフィットジャパン )



冨田:まずはこれまでの事業の変遷について教えてください。


株式会社ベネフィットジャパン 代表取締役社長・佐久間 寛氏(以下、社名・氏名略)
1988年にPRイベント関連の会社を創業しました。大手の通信会社様からPHSサービスのPR企画を請け負い、事業を行う中でインターネット事業はこれからも伸びていくという確信を持ち、1996年に株式会社ベネフィットジャパンを創業し、PHSの代理店を始めました。


2000年頃からMVNO(仮想移動体通信事業者)といって、自社ブランドで携帯電話やPHSなどの移動体通信サービスを行う企業もありましたが、接続料が高く、品質や価格面が担保できないという理由で、大手3キャリアが高シェアを占めている状況でした。そんな中、総務省が競争を起こすために、接続料の価格を規制緩和したことで、参入しやすくなり、2014年にMVNO事業(ONLYMobile)を開始し、企業規模を拡大することができました。


そこから、MVNOを中心とするモバイルWiFiを自社の売り上げの柱として事業展開をしていたのですが、これが大きくヒットして、現在20万回線を超えるお客様に利用いただいています。この主力事業が評価されたことも一因となり、2016年には東証マザーズに上場することができました。


弊社が次に目をつけたのが、家庭用コミュニケーションロボット事業でした。弊社ではモバイルWiFiの販売などを行っていたこともあり、家庭用コミュニケーションロボット事業でもお客様とのタッチポイントを増やすことができるという確信がありました。さらに、弊社ではお客様に商品を実際に体験していただいて、納得して購入いただく販売スタイルを得意としており、当時認知度が低かった家庭用コミュニケーションロボットの販売に適していると考え本格的に参入することを決めました。


このような取組みによる成長もあり、2018年に東証一部(現在の東証プライム)に市場変更しました。その翌年にシャープ社と協働によるオリジナルモデルの家庭用コミュニケーションロボット(ONLYROBO ロボホン プレミアム)を開発し、販売するにまで至りました。そして、家庭用コミュニケーションロボットという分野においては現在でも国内トップクラスの売り上げを誇っています。


冨田: なるほど、素晴らしいですね。インターネットや通信の環境が大きく変化し、人々のライフスタイルが変わっていく中で、時代の変化とともに進化し続ける会社だと感じました。御社の経営理念にも関わってくるところなのでしょうか?


佐久間: 弊社の経営方針は、お客様のライフスタイルをもっと楽しく便利にすることです。情報通信分野がその経営方針を最も叶えられる産業だと考え、深くウォッチし続けています。不動産やアパレル、外食など様々な業界がありますが、情報通信分野が一番お客様のニーズに応えられると確信しています。


上場を決意した背景や想い


冨田: 続いて、上場を決意した経緯をお聞きしてよろしいでしょうか?


佐久間: 創業当初は自己資金で運営していたのですが、様々な方に上場を勧められました。


当時は上場についてあまり知識がなく、パナソニックやトヨタのような大企業だけができるものだと思っていたのですが、その後ナスダック・ジャパンができて、若い経営者たちが上場を目指すようになりました。そして、話を聞いているうちに弊社でも実現が可能だと感じ始めました。


さらに、当時の携帯電話ディーラー業界では、小さいと潰れてしまうところが多く、中途半端な規模では大手に吸収されてしまうという事例も多々ありました。そこで上場を果たすことで、会社の方針を大きく変えられるのではないかと考え、上場を決意しました。


その後ナスダック・ジャパンの説明会で弊社のプレゼンをしたところ、40社ほど集まり、最終的には30億円ほど支援をいただくことができました。結果的に上場は弊社のターニングポイントになりました。


冨田: そういう時代の流れの中でIPOをするというのは、当たり前ではなかったかと思うのですが、その中で色々な判断材料をもとに決意されたのですね。


佐久間: そうですね。最終的には上場をして良かったと思っています。上場を果たしたことで、信用力が上がり、周りに優秀なステークホルダーの方も増えました。さらに取引先も中小企業の販売店から大手上場会社まで広がり、様々なお取引をしていただけるようになりました。


将来の展望について


冨田: これまでのお話から過去の経緯をお聞きしましたが、今後の事業戦略や展望についてもお伺いしたいと思います。具体的に将来に向けてどのような取り組みを考えられているのでしょうか?


佐久間: 今後の事業戦略としては、今の方針と変わらず、お客様にとって楽しく便利なサービスを提供することが私たちのスタイルだと考えております。さらに、テクノロジーの進化によって、素晴らしいサービスが生まれると信じております。


具体的な方針として、今後はAI、IoT、ロボット、5G、6Gといった技術革新によって生まれる様々なサービスを社会に広げる役割を担っていきたいと考えています。現代社会において、ITのリテラシーが高い人は自ら調べて体験し、使いこなせるかもしれませんが、必ずしもITリテラシーが高くない方や地方ではなかなか新しいものに触れる機会がないという大きな課題があります。


そこで、私たちは全国津々浦々でイベントを開催し、お客様に新しいテクノロジーを体験してもらうことが使命だと考えています。27年間この活動を続けてきた経験を活かし、ロボット事業成功させたり、次世代のテクノロジーを広めていくことが私たちのミッションです。


冨田: お話を聞いていて、御社は技術変化や通信に対して柔軟に対応し、個人の方たちがより良いライフスタイルを送るための手段としてのさまざまなものを提供していると感じました。


ファイナンスにおける重要テーマ


冨田:続いての質問になりますが、金融や経済の観点から、御社のファイナンスにおける重点テーマについて教えていただけますでしょうか?


佐久間:今後のファイナンスにおける重要テーマとしては、大きく2つあると考えています。


1つ目は株主への還元です。現在の弊社では、ある程度安定した業績状況が積み重なってきており、今後は株主に還元するという意味を込めて、2026年3月期までに配当性向を30%に順次引き上げることを目指しています。


もう1つは事業への投資やM&Aになります。現在はインバウンドやアウトバンドを狙った中期経営方針を実施しており、同業者とのM&Aを進めていくことや、次世代規格であるeSIM関連に投資していく予定です。特にeSIMは欧米を中心に世界で広まっており、スマートフォンにSIMカードを挿さなくても、スマートフォンに内蔵された本体一体型のSIMで、一般的なSIMの申し込みなどと異なり、オンラインのみでお申し込み~開通までの手続きが可能で、手軽に利用できるメリットがあります。いずれ日本でもそのような状況になることは間違いないと考えており、世界中で適切な通信サービスが提供できるように先進的に投資を行っていきたいと考えております。


ZUU onlineユーザーに一言


冨田: ZUU onlineの投資家の方たちに向けて一言お願いします。


佐久間: 弊社は、時代のニーズに合わせて、これからも成長していく企業だと自負しております。投資家の皆さんには、ぜひ私たちの経営理念に共感していただき、一緒に成長していけるパートナーとして支えていただけることを願っています。どうぞよろしくお願いいたします。



氏名

佐久間寛(さくま ひろし)

社名

株式会社ベネフィットジャパン

役職

代表取締役社長

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