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【注意喚起】こどもの「外傷」「やけど」「窒息」事故に注意!


旅先でも"おうちパトロール”を

 独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、「屋内で起こるこどもの事故」について注意喚起を行います。

 大型連休を利用し、こどもを連れて旅行や親戚のおうちに遊びに行くご家庭も多いかと思います。2019年から2023年までの5年間にNITEに通知された製品事故情報(※1)では、0歳から6歳までのこども(乳幼児)が被害に遭った事故(※2)は73件発生していますが、そのうち約7割(54件)は屋内での事故となっており、外傷(挟み込み・下敷きなど)、やけど、窒息・誤飲で重篤な被害を受けたケースが多くなっています。
 家の中には、大人にとっては危険がなくとも、こどもにとっては思わぬ製品事故の危険が潜んでいることがあり、普段大人だけで過ごしている親戚のおうちや宿泊施設などに行くときは特に注意が必要です。
 屋内でのこどもの事故を未然に防ぐために、事故を防ぐポイントを知り、危険な状態になっていないか点検する“おうちパトロール”が重要です。もし、危険な状態を発見したら、こどもがその製品に近づけないようにするなどの改善をしてください。
 普段は“おうちパトロール”をしていても、外出先では忘れてしまうかもしれません。外出先でも“おうちパトロール”を実践して、楽しく安全に大型連休を過ごしましょう。

(※1)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含みます。
(※2)死亡、重傷、軽傷の事故。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O15-Wg3nV2Rv

■家の中で起こるこどもの事故を防ぐおうちパトロール
○こどもにとって特に注意が必要な製品がないかチェックする。
○こどもにとって危険な設置をしていないかチェックする。
○外出先でもチェックする。

1.事故の発生状況
1-1. 年ごとの事故発生件数
 NITEが収集した製品事故情報のうち、2019年から2023年までの5年間に発生した、0歳から6歳までのこどもが被害に遭った事故73件について、図1に「年ごとの事故発生件数」を示します。屋内の事故が約7割(54件)を占めています。 なお、屋外の事故では、自転車に関連した事故が多く発生していました。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O9-pD93US41
1-2. 事象別製品別の被害状況
 表1に屋内の事故54件の「事象別製品別の被害状況」を示します。 
 「外傷」としては、扉の隙間に指を挟むなどの事故や、転倒した家具の下敷きになる事故などが発生しています。 「やけど」では、熱湯を扱う家電製品による事故が多く発生しています。
 「窒息、誤飲」では、家具や建具による死亡事故や、玩具の誤飲などで重篤な被害に至っており、特に注意が必要です。 
 「皮膚炎(化学やけど)」は、玩具に装着された乾電池から漏れた電解液が、玩具の真下にいたこどもの目や頬にかかったなど、乾電池の液漏れによる事故となっています。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O4-PNvo8d5J

 
1-3. 事象別年齢別の事故発生件数
 表2にこどもの屋内の事故54件の「事象別年齢別の事故発生件数」を示します。
 「やけど」はつかまり立ちにより手の届く範囲が広がる1歳前後での発生が多く、「窒息、誤飲」「皮膚炎」「溺水」は3歳未満に集中する傾向がみられます。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O3-1k6D9A5H

2.事故事例と気を付けるポイント
2-1.挟み込み、下敷き等の事故
事例①扉での指挟み
2019年2月 (東京都、2歳、重傷)
【事故の内容】こどもがシステムキッチンの扉の丁番の隙間に指を挟み、負傷した。
【事故の原因】扉を開くことで丁番に生じる隙間にこどもの指が挟まれ、負傷したものと考えられる。
SAFE-Lite 検索キーワード例】指、挟み、幼児

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O8-f09s3515

事例②固定していない家具が転倒し負傷
2020年4月 (千葉県、4歳、軽傷)
【事故の内容】棚が倒れて周辺を損傷し、こどもが軽傷を負った。
【事故の原因】付属の転倒防止金具が取り付けられておらず、設置直後で棚に何も置かれていなかったことで倒れやすい状態だったため、外力が加わって転倒に至ったものと考えられる。
SAFE-Lite 検索キーワード例】家具、転倒、幼児

 
■挟み込み・下敷きの事故を防ぐためのポイント
●指挟み防止グッズを活用する。扉はこどもの位置を確認してから開閉する。
 こどもが扉の丁番等に手を触れていると挟み込むおそれがあります。市販の指挟み防止グッズ等を活用して隙間に触れさせないようにすることが有効です。
 また、近くにこどもがいるときは、扉の開閉に注意してください。こどもがいつの間にか扉に近づいて隙間に触れていることがあります。扉を開閉するときは、こどもがどこにいるのか確認しましょう。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O6-C4mYh05b
●家具を壁や天井に固定する。家具で遊ばせない。
 たんすなどの家具にぶら下がったり、引き出しを開けてよじ登ったりして家具が倒れ、こどもが下敷きになるなどの事故が発生しています。家具は固定し、扉や引き出しにロックをかけて遊ばせないなどの対策を取ってください。家具の固定は地震の対策としても有効です。
(参考情報:東京消防庁の「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」)
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-bousaika/kaguten/handbook/

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O14-4m6ZBE75

2-2.やけどの事故
■事例③:電気ポットによるやけど
2022年4月(徳島県、0歳7ヶ月、重傷)
【事故の内容】
宿泊施設でこどもが電気ポットを転倒させて、やけどを負った。
【事故の原因】
電気ポットが、上蓋が確実に閉まっていない状態で置かれていたか、若しくはこどもが電気ポットに触れた際に蓋の開く取っ手を持ったことにより転倒時に蓋が開き、中から多量の熱湯がこぼれてこどもにかかった可能性が考えられる。
SAFE-Lite検索キーワード例】
やけど、熱湯、乳児

■事例④:ウォーターサーバーによるやけど
2022年1月(大阪府、1歳、軽傷)
【事故の内容】
こどもがウォーターサーバーを触ったところ、熱湯がかかってやけどを負った。
【事故の原因】
親が熱湯を給湯後、蛇口の先端に残っていた高温の水滴にこどもが触れたため手首をやけどしたものと考えられる。
SAFE-Lite検索キーワード例】
やけど、ウォーターサーバー、幼児

    
■こどものやけどの事故を防ぐためのポイント
●やけどのおそれがある製品にこどもを近づけないよう対策を取る
 こどもは目につくもの、手の届くもの、興味を引くものをすぐに触ろうとします。ウォーターサーバーや電気ポット・電気ケトルなどの高温の湯を扱う製品がこどもの触れられる場所に置かれていないか確認し、こどもから遠ざけるようにしてください。
 台所など複数の危険が潜む場所は、ベビーゲートを設置するなどして立ち入れないようにするのは有効な対策です。
 製品をこどもの手の届かない高所に設置することも有効な対策ですが、垂れ下がった電源コードをこどもが引っ張ったことで事故に至ったケースがあるため、コードの配置状況にも注意しましょう。
電気ポット・電気ケトルなどには、転倒してもお湯がこぼれにくいように安全対策がなされたものがありますので、そういった製品の使用もご検討ください。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O17-JXE6Kr4k

2-3.窒息、誤飲の事故

■事例⑤:玩具の部品(磁石)の誤飲
2021年9月(静岡県、2歳、重傷)
【事故の内容】
こどもが破損した玩具(マグネットパズル)を複数個誤飲し、負傷した。
【事故の原因】
玩具(対象年齢3歳以上)の樹脂ケースが破損し、内部の円柱形のネオジム磁石が脱落して、こどもが誤飲したものと考えられる。
SAFE-Lite検索キーワード例】
誤飲、幼児

■事例⑥:カーテンの操作用ひもによる窒息
2023年1月(神奈川県、3歳、死亡)
【事故の内容】
こどもの首がカーテン(シェード)の操作用ひもに引っかかり、死亡した。
【事故の原因】
事故発生時の詳細な状況が不明のため事故原因の特定には至らなかった。
SAFE-Lite検索キーワード例】
操作紐

■事例⑦:幼児用ベッドガード(ベッド用落下防止柵)による窒息
2020年1月(兵庫県、0歳5ヶ月、死亡)
【事故の内容】
こどもが幼児用ベッドガードとマットレスの隙間に挟まり、死亡した。
【事故の原因】
事故発生時の詳細な状況が不明のため事故原因の特定には至らなかったが、わずかに広がった柵とマットレスとの隙間にこどもの全身が落ち込んだ際に自力脱出できずに窒息したと考えられる。
SAFE-Lite検索キーワード例】
ベッド用落下防止柵

    
■こどもの窒息・誤飲の事故を防ぐためのポイント
●小さな玩具やその部品、コイン形電池やボタン形電池の保管方法や扱いに注意する
 こどもが小さな玩具やその部品、コイン形電池やボタン形電池を飲み込んでしまう事故が発生しています。特に  3 歳までのこどもは、身の回りのものを口にいれて確認しようとするので、誤飲の危険性が高いと考えられます。
 玩具は購入前や使用前に対象年齢を確認してください。対象年齢を満たさない玩具等、誤飲のおそれのある製品は、こどもの手の届かない場所や鍵のかかる場所に保管するなど、保管場所に気を付け、こどもに触れさせないようにしてください。
 また、玩具などの部品で口に入るサイズのものが外れたりしないか、確認してください。コイン形電池やボタン形電池を使用する玩具は、電池を格納しているふたが外れやすくなっていないか点検を行いましょう。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O12-0nxI4339
●ブラインドの操作用ひも等ループ状のひもに触れさせない。
 こどもが室内でかくれんぼなどをしている内に、首にブラインドの操作用ひもなどのループ状となったひもに絡まって窒息する事故が発生しています。ひもをこどもに触れさせないよう、次の点に注意しましょう。

 ・クリップなどでこどもの手の届かない位置にひもをまとめる。
 ・踏み台となるものをひもの近くに設置しない。

 ひものつなぎ目を外れやすくする安全対策を施した製品や、ひもにループがない若しくはループが小さい製品もありますので、購入時の参考としてください。
 操作用ひも以外にも、カーテンの留めひも(タッセル)や高所窓の開閉用チェーンが絡まったことによる事故も起きていますので、ループ状のひもに注意してください。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O11-w9Ou4ldG
●幼児用ベッドガードは、対象月齢に注意する。
 幼児用ベッドガードは、小さなこどもに使用してしまうと、正しく固定しても隙間が生じて体が挟まり、自力では脱出できず窒息するおそれがあります。
 製品購入前や使用前に、取扱説明書や注意表示で製品の対象月齢をよく確認してください。
 一般財団法人製品安全協会が定めた製品安全基準(SG基準)では、幼児用ベッドガードの使用年齢を「生後 18 月以上」と定めており、「生後18月未満は窒息のおそれがあるため、絶対に使用しない」旨、取扱説明書等に記載することとなっています。 

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O7-BFinS1Lo
(参考情報)
こどもの寝具に関する注意ポイントについては、以下、消費者庁ホームページも参考にしてください。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20201105/
    
■こどもの事故を防ぐためのポイント
●危険であることをこどもに伝える。
こどもが言葉で伝えて理解できる年齢になったら、製品の誤った使い方による危険や、正しい使い方を普段から教えるようにし、こどもとも一緒におうちパトロールを行ってください。

3.おうちパトロールでチェックすべきポイント例

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O5-E184U5Jc
 上記で挙げたポイント以外にも、スチーム式加湿器など、こどもにとって特に注意が必要な製品や危険な設置状況が考えられますので、前述のポイントも参考に確認してみてください。

▌今回の注意喚起動画はこちら
>>「こどもの事故(屋内)チェックポイント

【動画:https://www.youtube.com/watch?v=8RKT96idYwA
一般消費者用検索ツール「SAFE-Lite」のご紹介
 NITEはホームページで製品事故に特化したウェブ検索ツール「SAFE-Lite(セーフ・ライト)」のサービスを行っています。
 製品の利用者が慣れ親しんだ名称で製品名を入力すると、その名称(製品)に関連する事故の情報やリコール情報を検索することができます。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O2-wFlqu9X0
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404239859-O1-hh2o2LNd

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全センターの概要
 NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。

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