冬の電気代が月5千円以上高くなったと4割が回答! 寒さを凌ぐ節電術とは
積水ハウス株式会社
積水ハウス株式会社は、1年間で最も寒くなる時期に向けて、冬場の快適な生活空間のご提案を目的に、全国の20~60代の既婚の持ち家に住む男女を対象に「自宅における冬の寒さ対策に関する調査」を実施しました。
積水ハウスの研究機関の住生活研究所では、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求のために「住めば住むほど幸せ住まい」研究として様々な調査を実施しています。今回は、電気代が高騰する今年の冬に合わせて、コロナ禍前後での冬の光熱費の変化や暖房器具の使用状況、光熱費節約対策を調査するとともに、新型コロナウイルス感染症が再び広がっている中、冬場の換気における室温低下対策をどのように行っている人が多いかを導き出しました。さらに、冬場に多く発生するヒートショックなどの健康面への意識や対策状況について、年代別の特徴等を探りました。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M100045/202301111988/_prw_PT1fl_6TsUCann.png】
コロナ禍前後で変化する光熱費や換気状況、年代によっても差が見られたヒートショックへの意識や対策状況についての調査結果をはじめ、寒い冬に自宅で快適に過ごすための4つの「幸せTips」もご紹介します。
高まる冬の在宅意向、コロナ禍前後で「外出したい派」と「自宅で過ごしたい派」が逆転
冬場の日中の外出・在宅意向は、コロナ禍前は「外出したい派(屋外・屋内)」が過半数の54.6%で、「自宅で過ごしたい派」が45.4%でした。一方、コロナ禍では「自宅で過ごしたい派」が9.0ポイント増加の54.4%で過半数となりました。夏に実施した調査の結果と比較しても、「自宅で過ごしたい派」の増加ポイント数は夏の約2倍となり、コロナ禍での冬場の日中における在宅意向の高まりが読み取れます。新型コロナウイルスの感染対策に加え、約3年間にもわたるコロナ禍の生活でおこもり習慣がついてしまった人もいることが予想されます。
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今年の冬は電気代が高騰、約4割は「節約のため、就寝中は暖房機器の使用を控える」
今冬の電力需給見通しの厳しさから、7年ぶりに全国規模での冬の節電要請が行われています。電力不足による電気代の上昇が続く中、自宅で過ごす時間が増えれば電力消費につながります。冬場に自宅で長い時間を過ごす上で、気になることや不安なことを聞いたところ、半数近くの人が挙げた「電気代が上がること」が1位となりました。世界的なエネルギー危機の中で高騰しているのは電気代だけではありません。3位の「ガス代、灯油代が上がること」も35.6%と、光熱費全般の上昇を懸念している人が多いことが分かりました。他にも2位は「運動不足」が43.4%、4位から6位は乾燥に関わる項目という結果になりました。冬に発生が増える「ヒートショック」については、不安と回答した人の割合は8.6%のみでした。
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コロナ禍前より電気代が上がったと回答した人の割合は、夏の44.0%に対し、冬は19.6ポイントも高い63.6%という結果になりました。電気代が上がった人のうち3人に1人は、月々で5,000円以上と回答しました。今年は電気料金の高騰に伴い、これまでと同様に電気を使用した場合でも家計への負担が増えることになりそうです。さらに、ガス代(灯油代)もコロナ禍前より増えている人が多いことがわかりました。ガス(都市ガス)も灯油も、この2~3年は単価が上昇していることから、暮らし方が同じでも料金が上がった実感があるでしょう。自宅で過ごす時間が増えることによる、ガスや灯油を用いたストーブや床暖房の使用時間の増加は、ガス代(灯油代)の上昇に影響していると思われます。手洗いの回数、家で食事する機会が増えたことによる洗い物の回数、入浴の頻度の増加なども、少なからず影響しているかもしれません。
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電気代やガス代の上昇が不安な人が多い一方で、寒い冬に自宅の部屋で暖かく過ごすために、暖房器具は多くの人にとって欠かせないようです。自宅で暖かく過ごすために行っていることを聞いたところ、「エアコンや、ストーブ・ヒーターなどの暖房器具を使う」が66.6%で1位でした。2位は「厚着をする」が42.8%、3位は「温かい飲み物を飲む」が40.8%でした。この結果から、暖房器具に頼るだけでなく、体を温める工夫を行っている人が多いことが読み取れます。
電気代節約のために、どのような暖房機器の使い方をしている人が多いのでしょうか。就寝中は暖房機器の使用を控える」と回答した人が38.6%で1位となりました。2位は36.2%で「エアコンや暖房機器の設定温度を下げる」、3位は35.2%で「日中は暖房機器の使用を控える」と続きます。フィルターの清掃や省エネ家電への買い替えで、寒さを我慢することなく電気代を節約している人も一定数いるようです。体を温める寒さ対策も同時に行うことで、暖房機器の設定温度を下げることができたり、比較的気温の高い日中の暖房機器の使用を控えたりすることが可能になり、光熱費の節約にもつながるのではないでしょうか。
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3人に1人以上がコロナ禍で換気頻度が増加、十分な換気と光熱費節約は両立できるのか
光熱費を節約しながら暖かく過ごしたい一方で、今年の冬は新型コロナウイルス感染症が再拡大しており、できるだけ換気をしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。約3人に1人が定期的に窓を開けて換気する頻度がコロナ禍前と比べて増加していることがわかりました。そこで、換気の際に困ることを聞いたところ、1位は「暖めた部屋の室温が下がる」で、43.6%の人が回答しました。2位以下は「虫などが入ってくる」が28.0%、「花粉が入ってくる」が21.8%と続きました。
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換気の際に室温低下を防ぐために工夫していることを聞いたところ、1位は31.3%で「換気時間を短くする」となりました。しかしコロナ禍においては、短時間で十分に換気ができているかが不安な人も多いのではないでしょうか。2位は23.4%で「換気中も暖房器具を消さない」で、さらに「工夫していることはない」という人も3割以上いることが判明しました。換気中に室温が下がってしまうのは防ぐことが難しいのかもしれません。十分な換気と光熱費の節約を叶えるためには、暖房に頼りすぎずに体を温める工夫ができるとよさそうです。
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「ヒートショック*」の認知度は約9割、一方で3人に1人は未対策
日本では、毎年冬にヒートショックが多発しており、ヒートショックによる年間死亡者数は交通事故よりも多いと言われています。そのような中で、ヒートショックの認知度は88.2%と、世の中に広く知られていることがわかりました。全体の半数以上は「どのような状態になるか内容に関して知っている」、約1割は「ヒートショック発生時の対策方法まで知っている」と回答しており、命に関わる危険な症状であることも多くの人が理解しているとうかがえます。
*ヒートショック:暖房のきいた暖かい部屋から暖房をつけていない寒い部屋への移動などによる、急激な温度変化により血圧が上下することで、心臓や脳の血管にダメージを与え、心筋梗塞や脳梗塞などの発作を起こすこと。
ヒートショックや室温管理への意識は、周囲にヒートショックの経験者がいるかどうかで大きな差があることも読み取れます。冬場に自宅で長い時間を過ごす上で気になることとして「ヒートショック」や「換気による室内温度の低下」を挙げた割合は、「周囲の人がヒートショックの経験あり(以下、ヒートショック経験者)」の人では20%を超えましたが、「周囲の人がヒートショックの経験なし(以下、ヒートショック未経験者)」の人は8.2%と、ヒートショック経験者の半分以下の割合でした。「電気代が上がること」「ガス代、灯油代が上がること」を挙げた割合では反対の結果となったことからも、ヒートショックの経験者は自分事としてとらえられるようになり、光熱費への懸念よりも健康への意識が優先されるのかもしれません。
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ヒートショックの発生が心配な場所は、全年代で1位が浴室、2位が脱衣場でした。3位のトイレは、全体では28.8%でしたが、60代では全体より17.4ポイント高い46.2%という結果になりました。浴室やトイレにおける危険性は認知が高まっていると読み取れる一方、「廊下」は全体で10.4%、また「寝室」は全体では5.9%、40代以上では2-3%台でした。先述の通り「就寝中は暖房機器の使用を控える」人が約4割ということからも、寝室をヒートショックのリスクが高い場所と考えている人は少ないのかもしれません。しかし、朝の起床時や夜中にトイレへ行く時など、暖かい布団の中と寒い寝室の温度差に注意が必要です。
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ヒートショックを防ぐために行っている対策は、全体では「風呂上りには手早く着替える」が24.0%、「浴室暖房機で浴室を温める」が21.5%と、浴室や脱衣場に関するものが多く挙がりました。一方で「朝起きる前に暖房が付くようタイマーを設定しておく」は13.2%、「寝ている間もずっと暖房をつけておく」が6.8%と、寝室周りの対策を行っている人は限られるようです。さらに、約3人に1人は「特に何も対策していない」と回答。特に30代から50代では「特に何も対策していない」人の割合が最多でした。ヒートショックは誰にでも起こりえるため、自分事として対策をすることが大切です。
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4つの「幸せTips」で冬のおうち時間を快適に
調査では、暖房器具の使用と、暖房器具に頼らず暖かく過ごす工夫をバランスよく行うことで、冬の光熱費を節約しながらも快適に過ごせることがわかりました。衣服の重ね着や温かい飲み物で体温を調整したり、湿度や空気の流れを上手にコントロールしたりするのがおすすめです。一方で、寒さを我慢しすぎることは体の調子を悪くしてしまう可能性があります。必要な空間や時間帯に合わせて、暖房器具も上手に活用していけると良いですね。
積水ハウスでは、リビングや寝室、廊下等、自宅の様々な空間において、寒い冬も自宅で快適に過ごすためのご提案を用意しています。ここでは、住まいに盛り込みたい4つの「幸せTips」をご紹介します。
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①温活の習慣化につながるインテリア:
温かい飲み物やあったかグッズの活用で体を温めましょう。ソファやベッドの近くに温かい飲み物を置けるサイドテーブルを設置、上着や靴下を脱いだりして散らかりがちなベッド周りにかごを置いてあったかグッズの「居場所」をつくるなど、生活空間に馴染む小さな工夫をすることで、体を温めることが習慣化できるかもしれません。
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②湿度を上手にコントロール:
湿度が上がると体感温度も上がると言われています。冬は湿度が下がりがちですが、寒さ対策に加え、肌や喉の乾燥、風邪予防のためにも加湿器の使用がおすすめです。ただし、加湿のしすぎはカビの発生などにもつながるため、ご自身やご自宅にとって最適な温湿度になるように工夫してみてくださいね。
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③空気の流れを工夫:
空気の流れを意識して暖まった空気を循環させ、暖房効率を高めましょう。サーキュレーターの活用のほか、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に移動する性質を利用して、エアコンの吹き出し口の角度を下向きにして暖かい空気を足元から上に循環させる工夫もおすすめです。ヒーターやストーブなどの暖房器具を使用する場合は、冷気が入りやすい窓の近くに設置すると冷気が暖められてから循環するので効果的です。
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④家全体の温度を均一に:
快適さを高め、ヒートショックのリスクを軽減するため、家の中の温度差をなるべく減らしましょう。住まいづくりやリフォームを検討中の人は、高性能の断熱材の使用、ダブル・トリプルガラスの窓や二重サッシの採用など、熱の逃げ道を少なくする工夫をしてみてはいかがでしょうか。今お住まいのご自宅では、廊下や脱衣場に暖房器具を置いたり居室のドアを開けたりして家全体を暖めるほか、家の中で熱が逃げやすい窓には断熱シートを貼るなどもおすすめです。
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ぜひ皆様も4つの「幸せTips」を参考にご自宅でできる工夫を行い、もっと快適に過ごす冬の暮らしを目指してみてはいかがでしょうか。
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住生活研究所長 メッセージ
寒い日々が続いていますが、今年の冬はいかがお過ごしでしょうか。
今回の調査では、5割近くの人が電気代上昇により家計の負担増加を懸念し、節約のためにいろいろと工夫している人がいる一方、何の対策もしていない人も2割いることがわかりました。実は、家の中で逃げる熱量を試算すると、窓から逃げる熱量が最も多くなります。そのため、窓の断熱性能を高めるだけで温かく快適になり、省エネにもつながります。ヒートショック予防のためにも、洗面や脱衣場などは部分暖房を用意して、家の中に寒い場所を作らない工夫も大事ですね。
今シーズンの冬は温かく快適に過ごす健康的な暮らしを目指してみませんか。
河﨑由美子
執行役員 住生活研究所長
1987年入社。高校入学までの12年間を海外で過ごした経験や子育て経験などを生かし、総合住宅研究所でキッズデザイン、ペット共生、収納、食空間など、日々の生活に密着した分野の研究開発全般に携わる。一級建築士。
<「自宅における冬の寒さ対策に関する調査」調査概要>
調査期間:2022年10月20日~24日
集計対象人数:500人
集計対象:全国の20~60代の既婚の男女・持ち家(戸建て、集合)
<記事などでのご利用にあたって>
・引用元が「積水ハウス 住生活研究所」による調査である旨と、引用元調査「自宅における冬の寒さ対策に関する調査(2022年)」の記載をお願いします。
・積水ハウス ウェブサイトの該当記事(https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2023/20230112/)
へのリンク追加をお願いします。
< 住生活研究所について>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202301111988-O17-zDi5t4eF】
積水ハウスが2018年に開所した、日本の企業として初めて「幸せ」を研究する研究所です。
人・暮らしの視点で、ライフステージ・ライフスタイル、そしてこれからの住まいのあり方の調査・研究を行っています。今後迎える「人生100年時代」には、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求が重要と考え、時間軸を意識した「住めば住むほど幸せ住まい」研究に取り組んでいます。研究を通して、幸せという無形価値、つまり「つながり」「健康」「生きがい」「私らしさ」「楽しさ」「役立ち」といった幸福感を高め、家族やライフスタイルの多様な変化に対応する幸せのかたちをお客さまへご提案することを目指しています。
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