巨大な巣の集合体をつくるアシナガバチの集団構造を解明
2022年8月2日
巨大な巣の集合体をつくるアシナガバチの集団構造を解明 血縁者同士で巣を噛み切って分割する珍しいアシナガバチの生活史を遺伝学的に明らかに
【本研究のポイント】
・オーストラリア産のアシナガバチRopalidia plebaianaは巨大な集団を作ることが知られていた。
・多くの越冬女王は前年に羽化したコロニーに戻り、各コロニーは血縁関係の高い個体同士によって分割されることが明らかとなった。
・オスは交尾に際して広く移動分散するのに対して、メスはほとんど移動しないことが明らかとなった。
・大型のコロニーほどオスを多く生産する傾向にあり、これは巣場所をめぐってメスが争う場合に期待される局所的資源競争で説明できることを明らかにした。
【研究概要】
岐阜大学応用生物科学部の土田浩治教授と茨城大学理学部の諸岡歩希准教授の研究グループはオーストラリア産のアシナガバチRopalidia plebeianaの集団構造を明らかにしました。本種は非常に大きなコロニー集団を作り、その集団が何十年も続くことが知られていました(図1(d), (e))。さらに、日本のアシナガバチのように毎年新しい巣が作られるわけではなく、巣盤が再利用されることが知られており、その巣盤は巣上の女王によって口で噛み切って分割されることが知られていました(図1(a), (b), (c))。本研究では現地調査によって巣盤が分割される過程を詳細に明らかにし、さらに遺伝マーカーを使ってその集団構造の解明を試みました。その結果、巣盤の分割は女王間の血縁度が高い個体同士によって行われており(図2)、これは縁者びいき注1)的な行動(nepotistic behavior)であると判定されました。さらに、大きなコロニーほど生産されるオスの数が多くなる傾向にあり、これはメスが巣場所をめぐって争う場合に理論的に期待される局所的資源競争注2)で説明できると考えられました。
本研究では、極めて特異的な集団構造を、遺伝マーカーを使って解明することに成功しました。社会性昆虫では、これまで、縁者びいき的な行動は適応的であると考えられてきましたが、それが見つかることはほとんどなく、極めて珍しい例と考えられました。さらに、この様な大きな集団でも、次世代の生産が理論的な予測に矛盾していないことを明らかにしました。
本研究成果は、日本時間2022年7月28日にScientific Reports誌のオンライン版で発表されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202208024637-O5-GBxtC7g0】
図1. 巣盤の分割過程の写真(a, b, c)と多くのコロニーから構成される巣集団(d, e). 巣の創設期(a)から, 働きバチの羽化期(b)を経て, コロニーの分割が完了した(c). 分割は口で噛み切ることで行われる.晩秋(解散期)のコロニー集団(d)とコロニー最盛期のコロニー集団(e). 各コロニーは互いに独立しており, 敵対的である. ポンチ絵(f)は巣盤の分割過程を示した.
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202208024637-O6-53G33Lwy】
図2. コロニー間(左側)とコロニー内(右側)での分割後の血縁度の比較. コロニー内の血縁度が有意に高くなっており, 女王同士が血縁関係にもとづいて巣を分割したことが明らかとなった.
【研究背景】
昆虫社会は血縁選択説を通して進化したと考えられており、その基本は血縁関係のある個体同士が協力し合うという前提に基づいています。オーストラリア産アシナガバチであるRopalidia plebeianaは単年生のアシナガバチであり、コロニーは晩秋に解散しますが、巣盤は毎年再利用されることが知られていました。また、その巣盤は冬越した新しい女王によって春に分割されることが知られてきました。そのコロニーは巨大な集合体を形成し、その様な集団にはメスが巣場所をめぐって争う局所的資源競争が作用し、大きなコロニーほどオスが多く生産されると予測されてきました。
【研究成果】
本種では、越冬した女王が越冬地から集団営巣地に飛来し、図1(f)に示したポンチ絵のように巣盤が分割されて新しい巣が形成されます。巣盤が分割された後で巣盤間と巣盤内の女王の血縁度を調査したところ、後者の血縁度が有意に高く、巣盤の分割は血縁度の高い女王同士が低い女王を排除して行うことが明らかとなりました(図2)。この様な血縁度に基づいた行動は、理論的には予測されてきましたが、実際に検出されるのは極めて稀なことです。また、各コロニーから生産された性比は、大きなコロニーほどオスを多く生産しており、局所的資源競争の予測に良く合うことが分かりました。
【今後の展開】
血縁者の認識が体の表面をコーティングする体表炭化水素にもとづいて行われているのかを調査する予定です。
【論文情報】
雑誌名:Scientific Reports
論文タイトル:Nepotistic colony fission in dense colony aggregations of an Australian paper wasp
著者:Koji Tsuchida, Norio Ishiguro, Fuki Saito-Morooka, Jun-ichi Kojima, Philip Spradbery
DOI: 10.1038/s41598-022-17117-y
【用語解説】
注1)縁者びいき(nepotistic behavior)
血縁関係のある者同士が助け合う行動で、血縁関係のない者は援助の対象とされない。血縁選択説では血縁認識がその大前提となっており、そのメカニズムとして体の表面をコーティングする体表炭化水素がその候補とされている。しかし、その体表炭化水素の多様性を維持して、さらに繊細な認識能力を保持するにはコストがかかると考えられるので、実際の野生生物では検出されないことが多い。
注2)局所的資源競争
血縁者が限られた巣場所のような資源をめぐって競争する状況にあるときに、母親はオスに偏った性比で子供を産むと言う理論的な予測。例えば、ミツバチの場合、女王は次の新女王を生産するときには新女王に残すことのできる巣は一つなので、新女王は1匹で十分であり、残りの資源はオスに配分した方が良いと理論的に期待される。
【研究者プロフィール】
土田 浩治(つちだ こうじ):論文筆頭著者、論文責任著者
岐阜大学 応用生物科学部 教授
石黒 則雄(いしぐろ のりお)
元岐阜大学 応用生物科学部 研究生
諸岡(齋藤) 歩希(もろおか ふき)
茨城大学 理学部 准教授
小島 純一(こじま じゅんいち)
茨城大学 理学部 名誉教授
Spradbery Philip (フィリップ スプラッドベリー)
元XCS consulting Pty Ltd.
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