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量産型水田水位測定システムの研究開発を産学連携で開始。2020年までに実用化を目指す


2018年10月12日



学校法人金沢工業大学



石川発の水田水位測定システムを全国の農業法人へ

量産型水田水位測定システムの研究開発を産学連携で開始

2020年までに実用化を目指す。



 学校法人金沢工業大学では、北菱電興株式会社(技術開発事業部 石川県白山市)と農業法人 有限会社ばんば(石川県白山市)、農事組合法人んなーがら上野営農組合(石川県白山市)と連携して、量産型の水田水位測定システムの開発に着手しました。

 公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO)の平成30年度事業化促進支援事業の選定(2018年10月12日)を受けて研究開発に取り組むもので、2020年10月までの2年間で量産化技術を確立し、発売は2022年度頃を予定しています。水田1枚あたりの初期費用を1万円以下に抑えることで、石川発の水位測定システムの全国の農業法人での導入を目指しています。



 試作品の設計・製作、製品化は北菱電興株式会社が担当し、実証実験は有限会社ばんばと農事組合法人んなーがら上野営農組合が保有する水田で行います。

 学校法人金沢工業大学からは、独自のLoRa技術(特許出願済)を有し、「賢いバス停」「バスどこシステム」などの実証実験の実績も豊富な国際高等専門学校の袖美樹子 准教授(専門 半導体デバイス設計)が中心となり、LoRa通信モジュールのコスト削減などに取り組みます。(*LoRa:IoT向けの通信ネットワークに用いられている無線通信規格の一つ)

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201810098955-O1-9X3Nq4G5





本研究開発の社会的意義

近年,六次産業化への展開等,産業基盤の強化が急務である農業において,高齢化する既存就農者の負担軽減や次世代の担い手の新規参入を促進できるような労働環境の改善や更なる効率化が望まれています。水田では見回りが特に大きな工数を占め,大規模経営の農業法人等では、従業員が行う水田の見回りに要する時間と労力は相当なものとなっています。  

これらの問題に対してIoTを活用したシステムが市販されていますが、例えば水田10枚で約100万円の初期費用がかかり、通信も携帯電話回線を使用するため、コストの面で、県内の農家では導入が難しい状況となっています。



本研究開発の概要

本事業に着するのに先立ち、免許及び通信回線使用料が不要なLoRaを用いた試作機の実証実験を2017年6月から実施。田植えから稲刈りまで電池の交換なしで稼働することやデータの送信状況、水位計の誤差やシステムの耐久性など、さまざまな確認ができています。

 本事業ではこれらの実証実験を踏まえ、水田1枚あたりの初期費用を1万円以下に抑える研究開発に取り組みます。

具体的には、

■LoRa通信モジュールのコストを削減するため、セムテック社製LoRaトランシーバSX1276を採用。さらに量産時の製造コストを抑えるためSX1276用プリント基板を独自に設計し、これに袖准教授が考案した水田管理向けLoRa通信プロトコルを搭載します。(学校法人金沢工業大学と北菱電興株式会社)

■通信ユニットの小型化(北菱電興株式会社)

■費用削減のため、顧客自身で機器の設置やネットワーク開通処理が行えるホームページとアプリの開発(北菱電興株式会社と学校法人金沢工業大学)

■圃場での実証実験(北菱電興株式会社)

■販売戦略の構築(北菱電興株式会社と学校法人金沢工業大学)

 

製品名称は「石川型水位測定システム」とし、水田10枚を念頭に、フィールドサーバ10台と得られたデータをクラウドにアップロードする親機1台を基本セットとします。1セットの導入費用を抑え、通信もLoRaを使用するため、月額利用料も携帯電話回線を使用した市販のシステムの半額程度で運用が可能です。



本事業では、2020年までの2年間で実用化し、2022年度中に全国の農業法人向けに発売の開始を目指します。











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