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とうとう「転勤」。あなたの「住宅ローン控除」はどうなる? さまざまな条件で適用可否が変わります



まもなく、確定申告時期を迎えます。



今回は、個人の方にとって最大の恩恵が受けられる税額控除である「住宅ローン控除」(正式には、住宅借入金等特別控除)について、転勤との兼ね合いをまとめてみました。



【注】ここでお話する転勤とは、給与等の支払いをする者からの転任の命令に伴う転居、その他これに準ずるやむを得ない事由に起因して自宅を居住の用に供せなくなることをいいます



所得控除と違って、丸々その額が支払った税金から戻ってきますので、その適否については非常に関心が高いものでしょう。



ぜひ、参考になさってください。









住宅ローン控除を受けるためのおもな条件とは?


まずは基本的なところとして、住宅ローン控除を受けるためのおもな条件を抑えておきましょう。



 

1. 新築又は取得の日から6か月以内に居住し、適用を受ける各年の年末まで引き続き住んでいること



2. この控除を受ける年分の合計所得金額が3,000万円以下であること



3. 新築又は取得をした住宅の床面積が50㎡以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること



4. 返済期間が10年以上の住宅ローンが対象であることなど。




その他条件についての詳細は、下記をご参照ください。



【国税庁HP】住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)





転勤の状況によって、住宅ローン控除の適用可否は変わります


それでは、本題に入って参りますが、「転勤」と一口にいってもその状況はさまざまです。



・ 「単身赴任」 or 「家族」で転勤なのか?



・ 「国内転勤」 or 「海外転勤」なのか?



・ 住宅ローン控除「適用中の転勤」 or 「いったん入居」してからの転勤



・ 一度も入居せずなのか? 再入居後はどうなるのか?



住宅ローン控除の適用可否が複雑なのは、これらの状況により結果が違うからです。



下図に転勤状況別の適用可否を○Xでまとめました。



住宅ローン控除適用可否表



おおまかにお話しますが、海外転勤の場合の転勤中は一切控除を受けられません



これは、転勤中の本人が「非居住者」に該当するためです



そして、家族で転勤の場合で転勤中控除が受けられないのは、上記1.の条件を満たさないからです



あとは、一度も入居せずに転勤の場合は再入居後も基本は控除を受けられないのですが、例外として、国内転勤(本人が非居住者になっていないこと)で、単身赴任(家族は入居)であれば、控除を受けられます



あとは、すべて控除が受けられるものとなります。





転勤と住宅ローン控除の適用可否については変遷があります


現行の税法では上記のようになっておりますが、転勤と住宅ローン控除の兼ね合いについて、過去は一度転勤してしまうと再入居しても住宅ローン控除は復活しませんでした。



しかし、2003年度の税制改正により再入居後の適用について条件付きで認められ、さらに2009年度の税制改正により転勤時の条件が緩和され、入居後、その年の年末を待たずして転勤になった場合の再入居後の適用も認められるようになりました



このような変遷を経て現在に至っています。



最近の税制改正では、2016年度税制改正により、2016年4月1日以後は、非居住者が購入した場合も一定の要件を満たせば住宅ローン控除が適用できるよう緩和されております



住宅取得時期によって適用の可否が変わりますので、御自身の場合の適用可否についてはその点をご考慮ください。









その他の注意点とは?


再入居後に住宅ローン控除の適用を再開してもらうには、転勤前にあらかじめ手続きをしておくことと、再入居後住宅ローン控除を再度受ける最初の年に改めて確定申告をすることが必要です。



転勤前に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」、税務署から交付された「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書]、「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」の未使用分を税務署に提出しておきましょう



それと再入居後の控除期間につきましては、転勤期間を差し引いた「残存期間」になります。



控除を受けられなかった年分の延長はなく、当初の適用開始から10年ということです。





日銀のマイナス金利政策での悪影響で資産を増やすことは非常に難しい


現状、節税は最も有効な手段であります。



折角恩恵が受けられるのに知識不足でその恩恵を逃すことのないようにしてください。(執筆者:小木曽 浩司)



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