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プロ野球選手の契約金は退職金の前払い?税金の課税方法を解説


プロ野球選手の契約金は退職金の前払い?税金の課税方法を解説
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プロ野球選手には退職金がありませんので、入団時に受け取る契約金が退職金の前払いや代わりと言われたりもします。

ただ税金面においては、契約金と退職金では課税の仕組みが違いますので、今回はプロ野球選手が受け取る契約金に課される税金について解説します。

プロ野球選手が受け取る契約金に課される税金とは

プロ野球選手の契約金には所得税・住民税が課される

プロ野球選手の契約金は、所得税および住民税の課税対象です。

所得税はその年に得た所得に対して課される税金で、適用される税率は課税所得金額が大きいほど高くなる累進課税制度」が採用されています。

住民税は所得税と同様、その年に得た所得に対して課される税金なので基本的な税額の算出方法は所得税と同じですが、住民税の税率は一律10%と、課税所得金額の大小で適用税率が変わることはありません。

累進課税制度では所得が大きいほど税率は高くなる

退職金は退職所得として税額計算を行う

所得税を計算する際の所得は、所得の発生形態などに応じて10種類に分類され、退職金を得た場合には退職所得として計算を行います。

退職所得の特徴としては、退職金の額から勤務年数に応じて差し引くことができる退職所得控除額の存在があります。

<退職所得控除額の計算式(原則)>

勤続年数(※)

退職所得控除額

20年以下の場合

40万円×勤務年数

(80万円に満たない場合には80万円)

20年超の場合

800万円+70万円 × (勤務年数-20年)

※1年未満の勤務年数は切り上げて1年とする。

退職所得控除額は勤務年数が長いほど多くなり、たとえば勤務年数20年における控除額は800万円ですので、受け取った退職金が800万円以下であれば退職所得はゼロです。

控除額を差し引いた後の金額が残っている場合でも、残額を2分の1したのが課税退職所得金額となることから、同額を給与等で受け取ったケースより課される税金は小さくなります。

契約金は退職所得として計算することはできない

プロ野球選手の契約金など臨時的な収入は、「臨時所得」として所得金額を計算することになります。

契約金も一括でまとまったお金を受け取れる点では退職金と同じですが、退職所得として計算することはできません。

ただ契約金は年俸や給与と違い毎年得ることができる収入ではないので、事業所得や給与所得などに当てはめてそのまま計算してしまうと、税負担が重くなる可能性があることから、一定の要件を満たした臨時所得は平均課税で計算することが認められています。

平均課税は臨時所得の5分の1に対して税率を乗じ、その金額を5倍にして税額を算出する「五分五乗方式」で計算する課税方式です。

所得税は課税対象税額が高いほど税率が上がる仕組みなので、税率を乗じる元の金額が5分の1になれば適用される税率は下がります。

最終的には税額を5倍にすることになりますが、そのまま税額計算をする場合よりも算出される額は小さくなりますので、契約金に課される所得税は同額を給与等で受け取ったときよりも抑えることができます

なお、平均課税による計算は所得税だけを対象としており、住民税については通常の方法で税額計算をしなければなりません

住民税については通常の方法で税額計算をしなければならない

契約金を受け取る際に税金を支払うことになる

所得税は1年間の所得に対して課される税金なので基本的に後払いですが、契約金については源泉徴収の対象です。

源泉徴収は報酬等を支払う事業者等が、報酬等を受け取る者の代わりに税金を支払う制度で、源泉徴収された金額の過不足については確定申告で精算します。

税金の払い過ぎがあれば確定申告手続きをすることで還付されますが、納付した額が少なかったときは申告時に不足分の税金を納めなければなりません

住民税の支払い時期は所得税の確定申告を行った後になりますので、先に支払う税金の額を計算してからお金を使う方が望ましいです。

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