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米シンクタンク、ベネズエラのペトロは「正当な仮想通貨」を害すると警告【フィスコ・ビットコインニュース】


米国の歴史あるシンクタンク、ブルッキングス研究所が、ベネズエラの発行した独自仮想通貨ペトロについて「ペトロはベネズエラの経済的苦境を克服できないだけでなく、仮想通貨の健全性を大きく毀損する危険性が非常に高い」と警告を発したという。

続けて、「ペトロが、同研究所のアナリストが期待している通り価値がないことが判明した場合、“仮想通貨は詐欺を促進するものだ”という意見を後押ししてしまうだろう」とも述べている。

ベネズエラ政府が主導してICO(新規仮想通貨公開)の形でトークンセールが行われた独自仮想通貨「ペトロ」は、石油による価値の裏付けがなされるとされており、2月20日にプレセールを実施した。ニコラス・マドゥロ大統領は、5300億円以上を獲得したとし、ペトロを購入するために127カ国の起業家やその他の個人から186,000件以上の申し出があったと表明している。

しかし、ブルッキングス研究所は、石油での裏付けは表面上だけでペトロは保有者にとって本当のサービスを提供しておらず、これは単なる「国家の不法債務救済の一形態」に過ぎないとしている。

さらに、このICOにより「制裁の力は侵食の危険にさらされている」とし、ベネズエラ政府のペトロ発行が国際的な制裁を阻む効果的な方法であると思われてしまった場合、他の国々も封鎖を回避するために仮想通貨技術を使用しはじめる危惧もあるとした。

ベネズエラ政府としては、国家のお墨付きの仮想通貨を流通させて、ドルを買うことなくハイパーインフレを終わらせたいという企図があったのかもしれない。

しかし、ブルッキングス研究所は、ペトロは「分権化された安全で透過的な取引」を提供する「正当な」仮想通貨とは真逆に位置するものであり、「国家の不法債務救済の一形態である空っぽな仮想通貨開発とは、強硬な線を引かなければならない。そうでなければ仮想通貨の真剣かつ合法的な活動は厳しく抑制されてしまう」としている。

ペトロについては、他の専門家の声も厳しいものが多い。例えば米国の財務省は、ペトロを購入した場合、米国ベネズエラに課した制裁に違反する可能性があると投資家に警告し、その内容についても「ベネズエラ政府は自国の原油で通貨を担保すると説明しているが、実際には通貨と石油の交換を保証していない。交換できるのは、ボリバル(ベネズエラの法定通貨)だけだが、ボリバルにはほとんど価値がない」と警鐘を鳴らしている。

さらに、仮想通貨イーサリアムの開発者ヴィタリック・ブテリン氏も「ホワイトペーパーを読み直すと、ペトロは石油ではなく石油価格に基づいたボリバルに紐づいているのだとわかる。ブロックチェーンであれば安心ということではなく、それぞれのプロジェクトの信用性に注視すべきである。ペトロは完全に中央集権的なものであり、ベネズエラ政府が操作できるものだ。そのベネズエラ政府は全く信用できない」とツイッターで発言している。

先月末、ペトロ発行の直後に、マドゥロ大統領は「ペトロゴールド」の発行を発表した。今度はベネズエラの「金(ゴールド)」に裏付けされる仮想通貨の発行を考えているという。

ベネズエラのこの施策の成否が仮想通貨に与える影響はいかほどのものになるのか、懸念は大きい。




<MT>

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