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5日の香港市場概況:香港銘柄の買いでハンセン1.7%高、空運関連も急伸


5日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比404.11ポイント(1.66%)高の24770.41ポイントと5日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が98.32ポイント(0.99%)高の10066.25ポイントと6日続伸した。ハンセン指数は3月11日以来、約3カ月ぶりの高値水準を回復している。本土株指数が大台10000ポイントに乗せて引けるのは4月29日以来。売買代金は1348億6600万香港ドルにやや拡大している(4日は1254億1100万香港ドル)。

世界的な経済回復の期待が続いたほか、米中貿易問題の警戒感がやや薄らいだことがプラス。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は4日、「新型コロナウイルス世界的流行の中でも、中国は第1段階通商合意を履行している」と述べた。先ごろ流れていた「中国は米農産品購入の公約を守っていない」との報道内容を否定している。

世界各国が経済対策を強めている点も改めて材料視された。欧州では欧州中央銀行(ECB)は4日、パンデミック緊急購入プログラム(有価証券購入による資金供給)の購入額を6000億ユーロ(約74兆円)増やし、少なくとも2021年6月末まで継続すると発表している。米中の指標発表を前に、買いが手控えられる場面がみられたものの、ハンセン指数は後場に入り上げ幅を広げた(本土株指数はプラス転換)。時間外取引のNYダウ先物高や、取引時間中に始まった欧州市場の株高をにらみながら、香港の各指数は引けにかけて一段高となっている。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港の不動産や金融が高い。恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が8.5%、九龍倉置業地産投資(1997/HK)と太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)がそろって6.2%、新世界発展(17/HK)が5.4%ずつ上昇した。中国当局の香港支援スタンスが歓迎される。中国人民銀行(中央銀行)は4日深夜、「国際的な金融センターとしての香港を支援する」とウエブサイトに掲載した。

空運関連セクターも急伸。中国3大エアラインの中国南方航空(1055/HK)が10.7%高、中国国際航空(753/HK)が8.6%高、中国東方航空(670/HK)が7.7%高、香港キャリアの国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が5.5%高、空港運営の海南美蘭国際空港(旧・瑞港国際機場集団:357/HK)が15.8%高、同業の北京首都国際機場(北京首都空港:694/HK)が11.6%高と値を上げた。米路線を巡る懸念が薄らぐ流れ。トランプ米政権は4日、前日(3日)に公表した「中国航空会社の旅客便乗り入れ禁止方針」を見直す検討に入った。中国民用航空局が4日、海外航空会社の運航制限を緩和すると発表したことで態度が軟化したとみられている。

半導体やスマートフォン部材などハイテク関連も物色された。華虹半導体(1347/HK)が8.8%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が5.5%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が3.4%高、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が4.0%高、舜宇光学科技(2382/HK)が3.7%高で取引を終えている。

一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.40%高の2930.80ポイントで取引を終えた。空運株が高い。証券株、海運株、医薬品株、半導体株、消費関連株の一角も買われた。半面、資源・素材株は安い。不動産株や自動車株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)




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