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17日の香港市場概況:ハンセン1.6%高、中国GDPマイナス成長で景気刺激期待


17日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比373.55ポイント(1.56%)高の24380.00ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が142.60ポイント(1.47%)高の9815.20ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は1379億1100万香港ドルに拡大している(16日は1058億4300万香港ドル)。

内外の好材料で投資家心理が上向く流れ。トランプ米大統領は日本時間17日朝方、米経済活動再開に向けた3段階の指針を公表し、「一部の州では、1カ月後に事業や学校が再開できる」との認識を示した。米メディアは日本時間17日早朝、ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」を投与したことで、新型コロナ患者が続々と快復に向かった——と報道している。また、香港政府は16日、この日新たに確認された新型コロナウイルス感染者が1人にまで減少したと報告した。3月9日以降、約1カ月半ぶりの低水位を記録し、5日連続で1ケタ台にとどまっている。

なお、取引時間中に公表された今年1~3月GDP成長率と3月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)に関しては、総じて景気悪化を示唆する内容だったが、嫌気する売りは限定的だった。注目のGDP成長率は前年同期比マイナス6.8%。前四半期(19年10~12月)の実績(プラス6.0%)から大幅に悪化し、市場予想(マイナス6.0%)以上の落ち込みを記録している。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1月下旬から経済活動が大きく停滞したことによるもの。四半期ベースの公表が始まった1992年以降で、マイナス成長は初めてだ。ただ、市場関係者の一部からは、「すでに最悪期は脱した」との見方が広がりつつある。モルガン・スタンレー(MS)は最新リポートで、4~6月期の国内総生産(GDP)成長率が1.5%となり、プラス成長を回復すると予想した。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産投資会社の九龍倉置業地産投資(1997/HK)が6.1%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.8%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が5.5%高と値上がり率上位に並んだ。

セクター別では、港湾・海運、空運の運輸関連が高い。中遠海運港口(1199/HK)が5.3%、招商局港口HD(144/HK)が2.0%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.1%、中遠海運HD(1919/HK)が2.9%、中国南方航空(1055/HK)が7.4%、中国東方航空(670/HK)が5.7%、中国国際航空(753/HK)が5.0%ずつ上昇した。

中国自動車セクターも急伸。上記した吉利汽車のほか、北京汽車(1958/HK)が6.8%高、華晨中国汽車HD(1114/HK)が5.9%高、広州汽車集団(2238/HK)が5.6%高、東風汽車集団(489/HK)が3.6%高で引けた。

レジャー関連の銘柄群も物色される。マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が4.8%高、オンライン映画チケット販売の猫眼娯楽(マオイェン・エンターテインメント:1896/HK)が3.9%高、旅行予約サイトの同程芸龍HD(780/HK)が3.1%高、ホテル大手チェーンの上海錦江国際酒店集団(2006/HK)が2.2%高と値を上げた。

一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.66%高の2838.49ポイントで取引を終えた。ハイテク株が高い。食品飲料株、保険株、自動車株、空運株、インフラ関連株、不動産株なども買われた。半面、産金株は安い。医薬品株、テレワーク関連株、発電株も売られた。

亜州リサーチ(株)




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