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15日の香港市場概況:H株指数0.3%高と続伸、本土系金融株に買い


15日の香港市場は、中国銘柄を中心に全体として底堅い展開。主要50銘柄で構成されるハンセン指数は前日比75.27ポイント(0.28%)安の27174.96ポイントと反落する一方、本土企業株で構成されるH株指数は30.76ポイント(0.29%)高の10738.00ポイントと続伸した。売買代金は943億200万香港ドルに拡大している(14日の売買代金は851億7500万香港ドル)。

地政学リスクがやや後退する。北朝鮮情勢を巡っては、米メディアが15日、「北朝鮮はグアム近辺へのミサイル発射計画を中止する」と報じている。中国景気の過度な減速懸念も和らぐ。中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)開催を秋に控え、「中国政府は景気安定に注力するだろう」との見方が流れている。

業種別では、H株銀行セクターの上げが目立つ。中国工商銀行(1398/HK)が2.8%高、中国農業銀行(1288/HK)が2.2%高、中国銀行(3988/HK)が1.6%高で引けた。商銀の利益成長ペースが加速している——と報告されたことが手がかり。商業銀行全体の純利益は2017年上半期(1~6月)に9703億人民元(約16兆350億円)に達し、前年同期比で7.9%増加した。伸び率は第1四半期(1~3月)の4.6%から上向いている。月次動向で収入保険料の伸びが報告されるなか、保険株もしっかり。

スマホ関連の銘柄群も軒並み上昇。光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が1.4%高と続伸し、上場来高値を連日で更新した。中間業績の149%増益が材料視されている。モバイル関連の銘柄に買いが波及し、ハンセン指数採用の小型電子部品メーカー瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が1.5%高、携帯端末部品メーカーの比亜迪電子(BYD電子:285/HK)が4.4%高と値を上げた。

ただ、上値も重い。昨夜の原油相場が急落し、この日の時間外取引でも下げていることがネガティブだ。上海商品取引所では、銅やアルミ、鉄筋などが安く推移している。

石油や石炭のエネルギー関連セクターがさえない。中国石油化工(サイノペック:386/HK)が3.1%安、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が1.8%安、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が1.5%安、中国神華能源(1088/HK)が3.9%安、中国中煤能源(1898/HK)が2.3%安と下落した。

非鉄や鉄鋼、セメントの素材セクターも安い。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が3.9%、江西銅業(358/HK)が2.6%、鞍鋼(347/HK)が3.9%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.7%、中国中材(1893/HK)が3.8%、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.0%ずつ値下がりした。

本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.43%高の3251.26ポイントで取引を終えた。銀行株が相場けん引。グラファイト(黒鉛)関連の銘柄群も急伸した。自動車株や空運株、ITハイテク関連株などもしっかり。

【亜州IR】



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