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三栄コーポ Research Memo(3):家具家庭用品、服飾雑貨、家電の3事業が柱


*13:03JST 三栄コーポ Research Memo(3):家具家庭用品、服飾雑貨、家電の3事業が柱 ■事業概要

1. 家具家庭用品事業の動向
三栄コーポレーション<8119>最大の事業セグメントが家具家庭用品事業である。この事業は、OEMの比率が売上高の90%前後と高く、良品計画に代表される大手顧客の事業の伸びとともに成長してきた。ブランドでは、子会社の(株)エッセンコーポレーションがドイツのテーブルウェアブランド「Villeroy&Boch(ビレロイ&ボッホ)」、フランスの鋳物ホーロー鍋ブランド「CHASSEUR(シャスール)」等を輸入販売する。近年存在感を増しているのは、自社のeコマースインテリアショップ「MINT」である。楽天市場やYahoo!ショッピングで1,000を超えるアイテムを販売しており、リーズナブルな価格の良質なベッドやマットレス、アンティーク調家具、インテリア、ガーデンエクステリア、アウトドア用品等が消費者のニーズに合致している。直近では、巣ごもり需要の減退により成長は頭打ち傾向にある。同社では、自社ブランドやOEM商品の製造及びODM提案が可能な開発拠点として、マレーシアに家具・インテリアの自社工場(約4,000平方メートル)を有している。

2. 服飾雑貨事業の動向
服飾雑貨事業ではブランド事業が売上高の約50%を占めており、潜在的に収益性の高いセグメントである。同社が取り扱う最大のブランドが、ドイツで240年以上の伝統があるコンフォートサンダル・シューズを扱う「BIRKENSTOCK」であり、子会社(株)ベネクシーが小売り事業を運営する。1万円前後の価格帯にもかかわらず根強い支持があり、ショッピングセンターや有名百貨店内の直営店舗、eコマースで販売している。長く使う顧客が多い商品だけに、自社運営のアフターサービスが充実している。数年前から、「BIRKENSTOCK」のブームが落ち着いたことやコロナ禍に伴う集客難などが重なり業績が悪化したものの、不採算店の閉鎖やスタッフ・販売員の販売力強化を進め2023年3月期はセグメント利益は黒字化した。店舗数は、3年間で65店舗(2019年3月末)から38店舗(2023年3月末)まで縮小した。「BIRKENSTOCK」の今後の展開として、直営セレクトショップ「BENEXY(ベネクシー)」「Quorinest(クオリネスト)」業態への転換を急ぐ戦略である。

3. 家電事業の動向
OEM事業では、中国の子会社である三發電器製品(東莞)有限公司、香港の子会社である三發電器製造廠有限公司が小物家電を製造・輸出する。ブランド事業においては、調理家電の自社ブランドである「Vitantonio」、理美容家電の「mod’s hair」、業務用調理機器の「MULTI CHEF(マルチシェフ)」などを製造販売している。「Vitantonio」では、ホットサンドベーカーやコードレスボトルブレンダーなどが売れ筋となっている。ホットサンドを家庭で作るという生活スタイルやオリジナルドリンクが楽しめる生活スタイルなどを提案するユニークな家電ブランドとして人気が高い。なお、「Vitantonio」は子会社の(株)ゼリックコーポレーションが展開していたが、同社は2023年4月にゼリックコーポレーションを吸収合併した。アフターコロナ期に入り理美容家電の国内需要にも伸びが見られる。ヘアドライヤーやヘアアイロンのほかにも、巷で好評なmod’s hairコンパクトイオンヒートブラシもある。セグメント業績の現況は、工場稼働率の低下などにより苦戦しており、立て直しを急いでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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