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神戸物産 Research Memo(10):当面は1,200店舗を目標に、長期的には1,500店舗を視野に入れる(1)


■神戸物産<3038>の今後の見通し

3. 重点施策の取り組み状況について
(1) 店舗運営のDX化の取り組み状況
FC店舗向けのDXソリューションとして、自社開発した自動発注システムが挙げられる。従来は仕入担当者が日々、状況に応じて商品発注を行うなど属人的な業務で経験年数が必要とされていたが、自動発注システムの導入で発注業務が簡素化される。直営店舗で導入したところ、担当者の業務負担が大幅に軽減するなど具体的な効果も確認できており、FC店舗へ導入を進める予定だ。ただし、ほかのDXサービス(動画による教育研修サービス等)とパッケージにして提供するか単独で提供するか、利用料金も含めて検討している段階であり、導入時期は未定としている。なお、自動発注システム導入の目的はFC店舗の収益力向上であることから、直接的な業績への影響は軽微となる。

(2) 販売チャネルの拡大による新たな販路確立
販売チャネルの拡大による新たな販路として、2022年11月にECサイトを立ち上げた。当面は、配送エリアを神奈川県内に限定するほか、ケース単位での注文に限定している。12月現在、登録会員数は順調に伸びているものの、ケース単位がネックとなり注文数は伸び悩んでいるようだ。同社の物流システムがケース単位を基本とし、個配には対応していないことから、個配コストを考慮しケース単位での注文としているが、状況によっては個配も検討するとしている。また、配送エリアも順次拡大していく予定だ。「業務スーパー」が近隣にない顧客をターゲットにしていることから、ECサイトで潜在顧客を取り込むことができればさらなる事業規模拡大が期待できる。

(3) 店舗数拡大
業務スーパー事業の成長戦略の1つである店舗数の拡大については、従前、1,000店舗の早期達成を目標として掲げていたが、2022年10月期に達成した。このため、次の目標として1,200店舗、長期目標として1,500店舗を視野に入れ始めている。

地域別の人口構成比と業務スーパー店舗数の構成比を比較した場合、地盤となる関西圏は人口構成比で16.3%となっているのに対して、店舗数は25.8%と高い。一方、ここ数年で出店を強化してきた関東圏については人口構成比で29.1%、店舗数で27.4%とほぼ拮抗してきたが、店舗数そのものは関西地域とほぼ変わらないことを考えれば、出店余地は依然大きいと見ることができる。また、九州や北海道のほか東海エリア(愛知県、岐阜県、三重県)についても人口比での店舗数が少なく、出店余地が大きいエリアとなる。

関西エリアについては人口77千人当たりに1店舗を出店している計算となり、仮にほかのエリアでも同様の比率で店舗展開できたとするならば、1,600店舗までは出店できる計算となる。商圏の違いや出店条件に適う不動産物件の有無などで実際の上限値は変わってくるが、関西エリアでもまだ店舗数が増加し続けていることを考えると、出店拡大による成長は続くものと予想される。既存のFCオーナーの出店意欲が旺盛なほか、最近では「業務スーパー」の集客力の高さを評価して、新規加盟を希望する企業も増えてきている。同社は既存FCオーナーとの関係構築もあるため審査基準は厳しくしているが、既に複数店舗を運営している企業であれば新規に出店候補地を探す手間が省けることもあり、M&AまたはFC化を進めていくことにしている。食品スーパー業界はコロナ禍の2020年に一時的に潤ったものの、2022年以降は食料品の相次ぐ値上げや光熱費の高騰により、経営状況が厳しくなっている企業も多いことから、同社にとっては店舗拡大の好機と見ることもできる。

また、既存店向け商品出荷額の拡大施策としては、顧客に選ばれる魅力的なPB商品を継続的に開発していくことが重要となる。今後もグループ会社における商品開発を強化していくほか、M&Aも活用しながらPB商品の構成比率を引き上げていく方針だ。こうした取り組みに加えて、店舗運営のDX化やTV、SNS等への露出によって集客力の維持向上を図っていく戦略となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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