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昭和産業 Research Memo(1):2022年3月期は増収減益。原料相場高騰などが重荷。価格改定の取り組みは進展


■要約

昭和産業<2004>は、1960年に世界で初めて家庭用天ぷら粉を発売した食品中核企業である。「人々の健康で豊かな食生活に貢献する」をグループ経営理念とし、小麦・大豆・菜種・トウモロコシなど多種多量の穀物を国内食品メーカーの中で唯一取り扱う企業であり、ブランドメッセージとして「穀物ソリューション・カンパニー」を掲げている。

1. 2022年3月期の業績
2022年3月期の業績は、売上高287,635百万円(前期比12.4%増)、営業利益5,564百万円(同26.7%減)、経常利益6,576百万円(同28.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,006百万円(同60.4%減)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が長期化するなか、消費関連業種の景況感が下振れするなど、期を通じて厳しい状況となった。さらにコロナ禍による影響から停滞していた経済が上向き、荷動きが活発化するなか、ウクライナ情勢の深刻化による供給懸念により原料穀物相場が高値で推移し続け、為替相場での円安ドル高の進行による輸入コスト上昇、天候不順による原料穀物の品質懸念もあり厳しい環境が続いた。同社は2022年3月期第3四半期以降も厳しい環境が続くと判断し、2022年1月24日に業績予想の修正を発表したが、食品事業の価格改定の取り組みが進展したことにより利益が改善し、修正予想値に対しては売上高及び各利益いずれも100%以上での着地となった。

2. 2023年3月期の業績予想
2023年3月期業績予想について、現時点では業績予想を合理的に算定することは困難だと判断し、配当予想とともに未定としている。算定が可能になり次第、速やかに開示するとしている。同社グループは小麦・大豆・菜種・トウモロコシ等を大量に輸入しており、原料穀物相場や為替相場の影響を受ける。2022年3月期における原料穀物相場は過去に例のない高値圏で推移したが、加えてウクライナ情勢の深刻化も影響し、穀物相場は引き続き高値圏での推移が懸念されている。そのため2023年3月期は全事業共通の施策として価格改定の実施が挙げられ、最優先事項として進めて行くことになるだろう。また、世界的にも穀物需要が高まる世界情勢のなかで、原料となる各種穀物を安定的に調達することも重要な課題となる。

3. 中長期の成長戦略による進捗
「中期経営計画20-22」の目標数値として、最終年度となる2023年3月期に、売上高2,800億円(2022年3月期実績2,876億円)、経常利益130億円(同65億円)を掲げている。コロナ禍と原料穀物高の影響で当初計画に対しては厳しい状況であるが、グループ一丸となって目標達成に向けて取り組みを強化していく。

■Key Points
・外食産業にフォーカスした「ソリューション営業部」を立ち上げ
・グループ4社一体化による焼成パン事業の収益構造改革進展
・サンエイ糖化(株)との大豆ミートを使った大豆たん白食品は順調
・敷島スターチ(株)、サンエイ糖化を含めた、グループ一体となった生産拠点の最適化
・プレミアムオイルの販売構成比を高め、相場に左右されにくい収益構造の構築目指す

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)


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