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チノー Research Memo(7):成長分野の需要増加への対応と経営基盤強化で、業績拡大へ期待が高まる(2)


■今後の見通し

4. 成長戦略の進捗状況
2022年3月期においては、中期経営計画の下、各施策が着実に実行されてきた。

「(1) 成長分野のさらなる開拓・拡大」の観点からは、チノー<6850>が成長分野として位置付けている半導体・電子部品、次世代蓄電池・新素材、モビリティ関連等をターゲットに分野別開拓プロジェクトチームを設置し、市場ニーズの収集・分析から製品開発へと展開した。また、脱炭素社会の実現に向けた水素利用技術支援として燃料電池/水電解評価装置や液体水素用温度センサなど、計装システム・温度計測技術の提供に注力した。

「(2) コア事業の高度化と価値向上」においては、『温度標準』、『赤外線計測』、『湿度・ガス計測』等における技術ロードマップと、それらに並行して製品・システムのロードマップの整備を進めており、メンテナンス・サービス事業拡大のための組織体制の整備やクラウド事業の実用化に向けた取り組みを行っている。

「(3) 海外事業の基盤強化と拡大」においては、国内外の営業連携を強化して、国内顧客の海外プロジェクトへ参画することでグローバルなサービス提供に取り組んでおり、また、中国・韓国を中心にアジア地域向けの製品売上を拡大するため、マーケティング機能を強化し海外グループ各社と連携しながら推進している。

「(4) 経営基盤の強靭化」においては、人的資本の向上に向け、教育研修制度を整備・充実させ、全社で組織開発活動を推進し、ICTインフラ面では、業務フローの電子化、営業・サービス活動の変革を支えるデジタルツールの導入をはじめDXの取組みを強化した。また、指名・報酬委員会の発足、株式報酬の導入を核とする役員報酬制度の見直し、取締役会実効性評価の実施等を通じてガバナンスを高度化した。

今後も同社技術への需要は高まり、貢献できる様々な領域が出現してくるものと考えられる。既存事業の強化と成長分野への進出拡大でさらなる業績の拡大が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)


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