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クイック Research Memo(4):主力の人材サービス事業が好調に推移したほか、全セグメントで増収増益(2)


■業績動向

2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の業績見通しについてクイック<4318>は、売上高21,400百万円(前期比10.5%増)、営業利益2,486百万円(同33.2%増)、経常利益2,500百万円(同17.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,706百万円(同16.6%増)とする期首計画を据え置いている※。第2四半期までの業績が売上・利益ともに同期間における過去最高を更新し、計画も超過したものの、景気の先行きについては慎重な見方が必要な状態が続くとしているためである。しかしながら、コロナワクチン接種の普及などにより2022年3月期下期は国内経済の回復が期待されているほか、医療系・建築系・IT系人材のニーズは引き続き高く、その他業種においてもコロナ禍への対応が進み採用環境は回復に向かっていることから、下期に事業環境が急速に悪化することは考えにくいと弊社では見ている。また、同社としても下期は予想に対してさらなる売上増・黒字化を目指していることからも、通期業績予想が上方修正される可能性もあると弊社では期待している。一方で来期以降に向けた積極的な投資を実施していくとしている。

※「収益認識に関する会計基準」等を22/3期首から適用しており、前期比は21/3期の数値を比較のため遡及修正した場合の値となる。


なお、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」の適用により、一部サービスに関する売上高の計上方法が、従来の仕入原価を含めた売上計上(グロス)から仕入原価を控除した売上計上(ネット=粗利額のみの計上)へと変更になる。これにより、影響の大きいリクルーティング事業では、「リクナビ」や「Indeed」などの商品の売上計上方法が変更になる。

事業別の業績見通しとしては、人材サービス事業が売上高14,592百万円(前期比10.1%増)、営業利益2,463百万円(同11.2%増)、リクルーティング事業が売上高2,704百万円(同23.3%増)、営業利益393百万円(同108.3%増)、情報出版事業が売上高1,963百万円(同4.6%増)、営業利益145百万円(同62.2%増)、IT・ネット関連事業が売上高1,267百万円(同0.1%減)、営業利益232百万円(同22.9%減)、海外事業が売上高872百万円(同14.1%増)、営業損失11百万円(前期は108百万円の損失)を見込んでいる。第2四半期までの業績が全事業別で増収増益となっているものの期首計画を据え置いていること、前期と比較すると採用環境は回復傾向にあることから、各事業の通期業績は上振れて着地する可能性が高いと弊社では予想している。

人材サービス事業のうち、人材紹介ではサービスエリアの拡大などにより既存の専門職領域を強化するとともに、看護師以外の医療周辺分野など、採用ニーズが強く景気の影響を受けにくい新たな専門職種マーケットの開拓を進める方針である。また、「看護roo!」をはじめとする同社運営サイトの機能開発やコンテンツ拡充、ユーザビリティの向上、効果的なプロモーションの実施などにより、登録者数の拡大と生産性の向上を推進する。人材派遣でも、採用ニーズが旺盛な医療・福祉分野の強化を進める。特に看護師派遣では、ノウハウやブランド力を生かすことで派遣希望登録者を獲得するとともに、若手人材の育成にも注力して生産性向上を図る。保育士派遣では、「ほいとも」内の求人情報やコンテンツを拡充する一方、新規注力エリアの神戸で新規顧客の開拓とブランドの浸透を図る。なお、コロナ禍でリモート対応が急がれる行政や教育分野に対しては、IT関連業務のスタッフ派遣要請にも対応する考えである。以上により、下期は前年同期比で人材紹介は35百万円減、人材派遣は91百万円増、保育園は5百万円増の見通しだが、人材紹介については足元の採用環境に照らして売上拡大を目指す方針だ。

リクルーティング事業では、営業体制の見直しによる新規顧客の開拓やインサイドセールスを推進するとともに、「Indeed」の拡販も推進する方針である。さらに、新卒採用領域を中心に採用戦略の構築から入社後の人材育成、定着フォローまで、顧客企業の採用課題をワンストップで解決する付加価値の高いコンサルティング営業を強化する計画である。以上により、下期は前年同期比で「Indeed」は62百万円増、求人広告は55百万円増、自社企画商品は209百万円増の見通しだが、一部業種を除いて採用環境は回復していることから、さらなる売上拡大を目指す。

情報出版事業では、コンシェルジュサービスで転職領域の職種拡大・営業体制強化を推進するとともに、紙メディアとWeb関連サービスとの連携を推進することで、広告効果の向上と新たな収益構造の構築に取り組む。また、ポスティングサービスでは、Webプロモーションによる新規顧客獲得や配布スタッフの拡充などを進める。以上により、下期は前年同期比で生活情報誌は10百万円減、「Indeed」は2百万円増、「ココカラ。」は28百万円減、ポスティングが34百万円減の見通しだが、「ココカラ。」及びポスティングが市場環境との兼ね合いのもと売上拡大を目指す。

IT・ネット関連事業のうち、「日本の人事部 HRカンファレンス」では、ITやSaaS、社員教育の分野で新規顧客開拓を継続するとともに、出展社数の拡大及びコンテンツ拡充を推進する。併せて、回復が予想されるリアルと定着が見込まれるオンラインを融合したハイブリッド型イベントも模索する。「日本の人事部」では、掲載サービスやインタビュー記事などのコンテンツ拡充、サイト内での人事課題解決に向けたマッチングの促進を図り、「日本の人事部」ブランドのさらなる浸透とユーザー数の拡大、広告枠の拡充を目指す。システム開発分野では、新規採用と既存社員の育成を同時に進め、DX推進・実現に向けた開発案件の受注拡大を目指す。ラーニング分野では、オンラインとリアルのハイブリッド型研修を強化するとともに、内定者向けAI・データ活用・DXなどトレンドテクノロジー向けの研修メニューを拡充することで、競合他社との差別化を図る。以上により、下期は前年同期比で「日本の人事部」は114百万円減、開発事業で17百万円増、ラーニング事業で7百万円増の見通しだが、「日本の人事部」についてはHRマーケットの市況に照らして売上拡大を目指す方針だ。

海外事業では、コロナ禍により各国での企業活動や国際間移動などが制限されていることから、企業の採用ニーズも現地人材へとシフトしている。これに対して同社は、現地内での人材紹介や人材派遣、人事労務コンサルティングを強化することで、顧客企業の人事課題解決パートナーとしての地位の確立を狙う。一方、中長期的には、コロナ禍により英国などの一部の国での取り組みに限られている「クロスボーダーリクルートメント」の強化も視野に入れている。以上により、下期は海外各地域で前期比増収、通期で黒字化を目指す。

3. 中長期成長イメージ
同社は、コロナ禍による中長期的な影響を合理的に算出することが困難なことから、中期計画について「未定」としている。確かにコロナ禍の影響が読みづらく、不透明感が生じているものの、少子高齢化などによる人手不足から、特に専門職の採用ニーズは今後一層高まることが見込まれる。一例を挙げると、看護師の採用ニーズは2025年度に6万人~27万人が不足するという推計(厚生労働省)や、コロナ禍に伴い医療現場での看護師不足が急速に進行したという現実もある。また、5GやAI・IoTなど先端技術に携わるエンジニアに対する採用ニーズは、コロナ禍に関係なく根強い。このように、業種による濃淡はあるものの、人材紹介市場は今度さらに拡大する見込みであると期待できる。こうした事業環境のなかで同社は、強みである「選択と集中」「登録者獲得施策」「一気通貫制」をベースに人材紹介事業における特定領域の深化と拡大に注力するとともに、「横軸展開」によって新領域の開拓を推進することで、総合型人材紹介を目指す方向性を描いている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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