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日プロ Research Memo(6):2021年5月期は減収・営業微減益だが計画超で着地


■業績動向

1. 2021年5月期連結業績の概要
日本プロセス<9651>の2021年5月期の連結業績は、売上高が前期比1.6%減の7,643百万円、営業利益が同3.6%減の701百万円、経常利益が同2.3%増の803百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.6%減の544百万円だった。

コロナ禍による開発計画変更などで前期比では減収・営業微減益だった。ただし制御システムの好調などで、期初計画(売上高7,430百万円、営業利益570百万円、経常利益665百万円、親会社株主に帰属する当期純利益445百万円)、及び2021年4月27日付の上方修正計画(売上高7,580百万円、営業利益650百万円、経常利益745百万円、親会社株主に帰属する当期純利益505百万円)を上回って着地した。全体としてはコロナ禍の影響が想定よりも軽微にとどまり、グループ間の連携強化進展、プロジェクト管理強化による生産性向上、経費削減なども寄与した。

売上総利益は減収によって前期比2.4%減少し、売上総利益率は22.3%で同0.1ポイント低下した。販管費は同1.5%減少したが、減収のため販管費率は前期比横ばいの13.1%だった。経常利益は営業外収益で保険解約返戻金65百万円を計上したため微増益だった。親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等の増加で微減益だった。

なお新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取り組みとして、ガイドラインを作成の上、社員や家族、ステークホルダーの健康第一に、リモートワークやオンライン化、3密防止などの対策を徹底した。また人材育成に向けた施策として、各種研修を計画的に実施した。なお業績連動賞与は4期連続最高を更新し、コロナ禍でも予算を達成したため特別手当を支給した。

2. セグメント別動向
セグメント別の動向は以下のとおりである。

(1) 制御システム
制御システムは、売上高が前期比7.9%増の1,451百万円、利益が同26.7%増の401百万円だった。次世代制御ミドル及び配電自働化システムの開発量が減少したが、火力発電所向け監視・制御システム、新幹線運行管理システム、海外高速鉄道運行管理システム、ATOS、在来線運行管理システムが好調に推移して増収・大幅増益だった。利益率は27.7%で同4.1ポイント上昇した。プロジェクト管理強化に加えて、低採算案件の一巡も寄与した。

(2) 自動車システム
自動車システムは、売上高が前期比4.3%減の1,806百万円、利益が同4.4%増の469百万円だった。コロナ禍による開発計画変更などでパワートレイン制御(エンジン制御、変速機制御)が減少したため減収だが、注力分野の自動運転・ADAS関連、車載ネットワーク関連、基盤ソフトウェア、電動化関連の需要が旺盛に推移し、オフショア開発拠点であるIPD大連の活用なども寄与して増益だった。利益率は26.0%で同2.2ポイント上昇した。

(3) 特定情報システム
特定情報システムは、売上高が前期比2.4%減の682百万円、利益が同9.4%減の153百万円だった。危機管理関連が試験フェーズに入って開発量が減少したため減収減益だった。ただし映像監視関連の画像処理は好調に推移している。利益率は22.5%で同1.7ポイント低下した。

(4) 組込システム
組込システムは、売上高が前期比3.2%増の1,078百万円、利益が同13.6%減の219百万円だった。シェア拡大に向けた人員増で減益だが、売上面は順調だった。主力の半導体関連ではSSDが好調に推移し、新たなNAND応用製品も受注した。IoT建設機械関連も拡大した。利益率は20.3%で同4.0ポイント低下した。

(5) 産業・ITCソリューション
産業・ICTソリューションは、売上高が前期比6.1%減の2,624百万円、利益が同15.4%減の476百万円だった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響、駅務機器の開発端境期などで減収減益だった。ただしクラウドシステム構築、航空宇宙関連、イメージングソリューション関連は堅調だった。利益率は18.2%で同2.0ポイント低下した。


財務の健全性は高い
3. 財務状況
財務面で見ると、2021年5月期末の資産合計は11,782百万円で前期末比486百万円増加した。投資有価証券が減少し、現金及び預金、有価証券が増加した。負債合計は2,106百万円で同207百万円増加した。賞与引当金、未払法人税等が増加した。純資産合計は9,675百万円で同279百万円増加した。利益剰余金が増加した。この結果、2021年5月期末の自己資本比率は同1.1ポイント低下して82.1%となった。自己資本比率は低下したが、無借金経営で内部留保は潤沢である。財務の健全性は極めて高いと言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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