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コスモ・バイオ Research Memo(1):研究用試薬のバイオ専門商社。2020年12月期は増収・大幅増益


■要約

コスモ・バイオ<3386>は世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献する独立系のバイオ専門商社である。ライフサイエンスに関わる世界の大学・公的研究機関・検査機関・民間企業・病院などの研究室・検査室で使用される、基礎研究分野の研究用試薬・機器・消耗品・臨床検査薬を国内外で販売している。グローバルネットワーク、取扱数約1,200万品目の品ぞろえ、グループ内のメーカー機能等を強みとして、世界のライフサイエンス研究者と仕入先を結んでいる。また多様な顧客ニーズに応えるべく、最先端・高品質の製品、最新の技術情報・サービスをワンストップで提供している。

1. 自社製造・受託サービスのメーカー機能強化
成長ドライバーとして自社製造・受託サービスのメーカー機能を強化している。仕入で充足できないニーズに対して「自ら作る、サービスを提供する」ことで、最新の製品・技術情報及びソリューションを提供する。特にカスタムペプチド合成・抗体受託製造(以下、カスタムペプチド合成・抗体作製サービス事業)、及び「鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術」を利用したタンパク質受託製造(以下、鶏卵バイオリアクター事業)を成長ドライバーと位置付けて、第2の収益柱構築に向けて両事業の規模拡大・収益化に注力している。

2. 2020年12月期は計画超の大幅増益
2020年12月期の連結業績は、売上高が前期比6.6%増の8,092百万円、営業利益が同85.6%増の752百万円、経常利益が同73.7%増の817百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同183.2%増の674百万円で、計画を上回る増収・大幅増益だった。主力の研究用試薬が同4.6%増収、機器が同14.4%増収と順調だった。プロダクトミックスの良化も寄与して売上総利益率が上昇し、2019年12月期のオフィス移転に関わる一時的費用の剥落などで販管費が減少した。特別利益には投資有価証券売却益を計上した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響は、売上面では消耗品や受託サービスの需要増加、コスト面では営業経費の減少につながり、全体としてプラス要因が勝ったようだ。

3. 2021年12月期は減益予想だが保守的
2021年12月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比1.3%増の8,200百万円、営業利益が同7.0%減の700百万円、経常利益が同8.3%減の750百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.8%減の480百万円としている。プロダクトミックスの変化(利益率が高くないカタログ品の売上伸長)による売上総利益率の相対的な低下、コロナ禍の影響により自粛していた出張営業に伴う営業経費の増加などを見込んでいるため、営業減益・経常減益予想としている。親会社株主に帰属する当期純利益については投資有価証券売却益の剥落も影響する。ただし、従来から期初時点では保守的な計画を打ち出す傾向が強い。成長ドライバーと位置付けている自社製造・受託サービスが拡大基調であることも勘案すれば、同社の予想は上振る可能性が高いだろうと弊社は予想する。

4. メーカー機能強化と新市場への展開で安定的かつ持続的成長を目指す
中期経営計画では安定的かつ持続的成長を実現する企業を目指し、10年後の姿を見据えた事業戦略として、メーカー機能を中心とする第2の収益柱構築、ライフサイエンスをベースとした研究試薬以外の新市場への展開を推進する方針を打ち出している。カスタムペプチド・抗体作製サービス事業及び鶏卵バイオリアクター事業を中心とする自社製造・受託サービスの売上高は、4期でコスモ・バイオ単体売上高の1割強を占めるまでに成長している。成長ドライバーと位置付ける自社製造・受託サービスが拡大していくことで、中長期的に収益拡大・高収益化が期待される。

■Key Points
・世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献するバイオ専門商社
・成長ドライバーとして自社製造・受託サービスのメーカー機能を強化
・2021年12月期は減益予想も、保守的な印象で上振れの可能性も

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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