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SFP Research Memo(8):オーガニックな成長継続に加え、独自の「アライアンス構想」による成長加速を目指す


■成長戦略

1. 中期経営計画
SFPホールディングス<3198>は、2022年2月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を推進している。しかしながら、新型コロナウイルスの影響により、数値目標の達成に向けては不確実性が高まっており、今期の業績予想と同様、合理的な算定が可能となった時点で、改めて見直しを行う予定としている。もっとも、「アライアンス構想」(詳細は後述)を軸とした戦略の方向性に大きな変更はないもよう。また、同社自身のオーガニックな成長についても、引き続き、首都圏及び関西エリアを中心に一等立地への出店を進めるとともに、人員の増強や効率的な店舗運営、新たなブランドの開発などに取り組む長期方針であり、オーガニックな成長継続と「アライアンス構想」による成長加速の2層型の成長イメージを描いている。

2.「アライアンス構想」
同社は、外部要因(店舗スタッフを含めた採用難など)や内部要因(規模拡大に伴うコントロール範囲の限界やミドルマネジメント層の人材不足など)が成長の足かせとなっている状況への対応を図るとともに、地方都市への進出を効果的に進めるための戦略として、独自の「アライアンス構想」を進めている。具体的には、地方都市において豊富な経営ノウハウを有する居酒屋を経営する企業と資本提携し、同社の主力ブランド(「磯丸水産」等)を提供することにより成長を支援する仕組みとなっている。同社にとっては、地方都市での事業基盤(出店立地や人材、地域ネットワークのほか、能力や意欲に秀でたマネジメント層)を一気に囲い込むことができるメリットがある。一方、提携先にとっても、自らのブランドを継続しながら「磯丸水産」や「鳥良商店」など人気ブランドが第2の成長エンジン(収益源)に加わるとともに、様々なスケールメリットの享受や規模拡大の機会(提携先ブランドの全国展開など)はもちろん、提携先間での業態・ナレッジの共有も可能となる。すなわち、単なるM&Aによる業績の上乗せではなく、あくまでも主力ブランドを軸とした成長戦略の一環であるところや、提携先の自主独立性や成長意欲を生かした仕組みとなっているところに特徴がある。この戦略は、1)地方でも行列ができるほどの人気ブランドを有しており、2)オーナー企業からの脱却を果たした実績があり、3)同社自身がM&Aされた経験がある、といった同社だからこそ実行できるモデルとも言える。

なお、M&AやFC展開による地方都市への進出は、これまでも検討してきた成長軸の1つであるが、このタイミングで一気に舵を切ったのは、前述した環境変化への対応に加え、M&Aを実施するうえでの外部要因が追い風となってきたことも背景として考えられる。地元で魅力あるブランドを立ち上げ成功したものの、後継者問題に悩む経営者や、成長の壁にぶつかっている若手経営者などをターゲットとして、今後数カ年で10社程度との提携を目指しているようだ。また、繰り返しになるが、今回の新型コロナウイルスの影響が「アライアンス構想」をさらに後押しする可能性も出てきた。

弊社でも、今回の新型コロナウイルスの影響により、成長戦略の進捗にも遅れが生じる可能性が想定されるものの、事態収束後の持続的な成長に向けて、しっかりと環境分析や情報収集、体制整備などの準備を進めていくことが重要であると見ている。特に、3社目以降のアライアンスメンバーの選定をはじめ、出店エリアの拡大に向けた検討、環境変化を見据えた新業態の開発やブラッシュアップなどの動きにも注目していきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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