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インテリックス Research Memo(10):首都圏の中古マンション市場は今後も堅調な推移が見込まれる


■インテリックス<8940>の今後の見通し

3. リノベーションマンション市場の見通し
首都圏におけるマンションの販売動向について見ると、2019年は中古マンションの成約件数が前年比2.4%増の38,109戸と2年ぶりに増加に転じたのに対して、新築マンションの供給戸数は同15.9%減の31,238戸と大きく落ち込み、4年連続で中古マンションが新築マンションを上回った。新築マンションについては建築コストの高止まりなどで採算が厳しくなっていることもあり、2020年も供給戸数は32,000戸前後にとどまる見通しとなっている。新築マンションの供給戸数が限られることもあり、相対的に割安感のあるリノベーションマンションの需要は2020年も堅調に推移するものと思われる。また、首都圏以外の主要都市部においても中古マンションの需要は総じて堅調に推移する見通しだ。

中長期的に見ても、中古マンションのストック数が年々積み上がっていくため、リノベーション市場は安定成長が続くとの見方に変わりはない。国土交通省の調べによれば、全国のマンションストックは2018年時点で654.7万戸、このうちリノベーションが必要不可欠とされる築30年以上の物件は197.8万戸と約3割を占めているが、20年後の2038年には2.8倍の560.2万戸に拡大すると予想されているためだ。マンションの1棟建て替えには居住者の同意が必要であり、実現が容易でないことも戸別のリノベーションマンション市場拡大を後押しする要因となる。実際、これまでマンション建て替えの実績は全国で244棟にとどまっている。

今後の市場拡大を見越して、リノベーションマンションを手掛ける企業もここ数年、増加傾向にある。リノベーション住宅の認知度向上と流通促進を目的に2009年に発足した(一社)リノベーション協議会の会員数(不動産、設計、ハウスメーカー、住設メーカー等)で見ると、協会発足時の117会員から2019年12月末時点では972会員まで拡大している。参入企業の急増によって同社はここ数年、首都圏において苦戦を強いられたものの、ここにきて逆に撤退する企業も出始めているようで、首都圏については競争環境もある程度落ち着いてきたものと思われる。一方、地方エリアについては引き続きリノベーションで豊富な実績を持つ同社の優位性は続くものと予想される。ちなみに、2019年4月-12月の適合リノベーション住宅件数(戸建含む)5,283件に対して、同社の2019年3月-11月における販売件数は987件となっており、リノベーション住宅における市場シェアは約19%の水準になっていると推定される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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