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イグニス Research Memo(6):2020年9月期は減収見込みも「VR・エンターテインメント事業」の収益化へ


■業績見通し

2020年9月期の業績予想についてイグニス<3689>は、売上高を前期比28.2%減の4,000百万円と見込んでいるが、利益予想については現時点で非公表となっている。

減収予想となっているのは、前期に決定したゲーム1タイトルのサービス終了及び2タイトルの譲渡に伴うものである。また、「VR・エンターテインメント事業」についても、徐々に実績が積み上がってきたものの、年間のライブ公演数・動員数を合理的に見積もることが困難なため現時点ではカウントしていない。したがって、売上高予想のほとんどは「with」で構成されており、一旦保守的な前提を置いたものとみることができる。

一方、損益予想については、「VR・エンターテイメント事業」等への先行投資に流動的な部分が多いため、現時点で非公表としている。

弊社では、「with」のこれまでの伸び率や足元の状況等を勘案すれば、売上高予想の達成は十分に可能であるとみている。したがって、計画に入っていない「VR・エンターテインメント事業」でどれだけの上乗せができるかがポイントとなるであろう。また、「ゲーム事業」についても、サービス終了及び譲渡までの間の業績貢献のほか、譲渡に伴う業績への影響(譲渡収入等)があることにも注意が必要である。一方、損益面については、「VR・エンターテインメント事業」への先行費用のかけ方次第と言えるが、積み上げ型収益モデルである「with」の伸びに伴ってベース利益が底上げされてくることから、少なくとも黒字化の可能性は高いと判断している。「VR・エンターテインメント事業」においては、引き続き機能拡充などの事業投資が想定されるものの、2019年9月期と2020年9月期との違いでいえば、2020年9月期は売上があがってくるということになる。仮に同じ規模の事業投資があったとしても、売上が有るか無いかで、利益に対する影響は変わってくる(改善せいてくる)。それらを踏まえ最大の注目点は、何と言っても爆発力が期待される「VR・エンターテインメント事業」の動向であろう。自社関連IPや「INSPIX LIVE」が立ち上がってきたとはいえ、まだ試行錯誤の段階にあることから、今後どのように拡大させ、収益の最大化を図っていくのか、そのスピードを含めてフォローする必要があるだろう。また、前例のない音楽体験を実現する「INSPIX WORLD」のリリースに向けた動きやその反響にも注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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