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ALBERT Research Memo(2):ビッグデータアナリティクス領域におけるソリューション事業を展開


■会社概要

1. 会社沿革
ALBERT<3906>は2005年の設立で、家電商品選択支援サイト「教えて!家電」の開発・運営からスタートした。2007年にはインターネット上のユーザーの行動履歴を分析し、パーソナライズした情報を表示するレコメンドサービス「おまかせ!ログレコメンダー(現、Logreco)※」を開始し、売上を伸ばしていく。2011年以降はユーザーの行動履歴だけでなく、属性やその他の周辺データも収集・分析してマーケティング施策に生かすプライベートDMP「smarticA!DMP」のサービスを開始し、対象領域をマーケティング領域全般に広げたほか、各種分析サービス等にも注力し業績を拡大、2015年2月に東京証券取引所マザーズ市場に上場を果している。

※2019年6月に事業譲渡。


その後、国内市場では、テクノロジーの進化とともに経営全般にAI技術を活用する動きが活発化し、データサイエンティストの不足感が高まるなかで、同社はベンチャーとしては圧倒的な質と量を誇るデータサイエンティスト(2019年6月末時点で派遣・契約社員を含めて161人)の蓄積されたナレッジを武器に、マーケティング領域から、IoT、自動運転技術領域をはじめとする先進的な分野に事業軸をシフトしている。

なお、同社は株式上場後に積極的な人材投資を進めて自社プロダクトの開発に注力してきたが、売上が想定よりも伸びず、2015年12月期以降、3期連続で営業損失を余儀なくされるなど経営状況が厳しくなり、2016年12月に(株)ウィズ・パートナーズが業務執行組合員を務めるウィズ・アジア・エボリューション・ファンド投資事業有限責任組合を割当先とする転換社債型新株予約権付社債2,409百万円を発行し、事業活動資金に充当した。

その後、経営改革を推進するため、2018年3月に代表取締役社長として松本壮志(まつもとたけし)氏が新たに就任。松本氏は2017年8月に代表執行役員として同社に入社したが、以前は(株)ハーツユナイテッドグループの取締役COOとして経営戦略を指揮してきた人物で、経営のプロとして経営及び事業戦略の立案や実行力に長けており、経営再建の指揮を執ることとなった。同社は、データ分析サービス等の質に関して顧客から高い評価を受けていたものの、そうしたサービスをいかに効果的にマネタイズしていくかという経営戦略が脆弱であったことが業績低迷の主因であったが、松本氏の強いリーダーシップのもと、基本戦略(体制の改編、ケーパビリティの確保、重点産業・顧客のスコープ)が実行された結果、社長就任一年目の2018年12月期業績において、売上高が3期ぶりに過去最高を更新するなど、早くも結果が数値となって表れる格好となった。

なお、基本戦略のなかで業界大手企業との関係強化も重点施策の1つとして取り組んできたが、2018年5月にトヨタ自動車、同年10月に東京海上日動火災保険、同年12月にKDDIと相次いで資本業務提携を締結し、これら大手企業との関係強化が、同社の技術力の高さの裏付けとなり、信用力の向上にもつながったと言える。

2019年6月末時点の主要株主について見ると、筆頭株主はウィズ・アジア・エボリューションファンド投資事業有限責任組合で20.2%、次いで松本社長が無限責任組合員を務めているA&T投資事業有限責任組合が9.4%となっており、CATALYSTパートナーであるトヨタ自動車が5.1%、KDDIが3.0%、東京海上日動火災保険が1.5%をそれぞれ保有している。CATALYSTパートナーとは基本的に資本業務提携を結ぶことで関係強化を進めていく方針となっており、その際の株式については筆頭株主であるウィズ・アジア・エボリューションファンド投資事業有限責任組合が売却するスキームとなる。同ファンドは転換社債型新株予約権付社債(2019年12月償還予定)を保有しており、潜在株式も含めると40%程度の保有比率となる。なお、2019年7月に新たなCATALYSTパートナーとしてSMBCグループと業務提携契約を締結したが、今回、資本出資が無かったのはSMBCグループが、コーポレートガバナンスとして政策保有株を持たない方針としているためだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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