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SOU Research Memo(5):オークションで高速回転商いを実現、小売はオムニチャネル化をめざす


■事業概要

3. 販売事業
(1) 国内外オークションによる圧倒的販売力
仕入れた商品は、主にSOU<9270>とSTAR BUYERS LIMITEDが運営する業者向けオークション「STAR BUYERS AUCTION」で販売され、そのほか国内の他社市場や海外展示会などを通じ、国内外の業者向けに卸販売されている。売上高に占める卸販売の構成比は約96%と高いが、残りは自社の小売店やECサイトを通じて一般消費者へ向けて小売販売を行っている。国内オークションは、本社内にあるオークション会場で毎月4日間開催されており、毎月約16,000点の商品が出品され、取扱高は月額で15億円ほどになっている(2019年8月期第2四半期)。国内ではさらに、オンライン入札オークション(開催は毎月23日)を開始した。

そのほか、子会社の古美術八光堂が運営する、自社販路として業者向け骨董品オークション「THE EIGHT AUCTION」を毎月2回開催し、小規模のオークションも開催を増やしている。骨董品・美術品は、希少性による情報の非対称性が強く、ネットで扱いにくいため採算がよい。しかも35人もの骨董品鑑定士が在籍するという強みもある。これに同社の収集力が加われば、骨董品・美術品において圧倒的な存在になれる可能性すらある。

海外では、2017年3月に香港でダイヤモンドやメレダイヤ(0.1カラット以下の小さいダイヤモンド)を対象にオークションをスタートした。2018年8月期には年4回へと開催数を増やした上、時計のテスト販売も開始するなど、規模を拡大しており、2019年8月期には時計オークションを本格化させ、ダイヤモンド・時計合計で10回の開催を予定している。

全体の売上高の約64%(2019年8月期第2四半期)が自社オークションを通じた業者向けの卸販売であり、低採算だが安定した需要が期待できる高回転の商売が可能となっている。また、オークションでは多様な商材を大量に販売しているため、市場動向や市場価格などの情報把握が容易で、「SOU Brain」の機能向上やコンシェルジュの鑑定・査定のレベルアップを促進している。そして、そのことがさらに良質な商品の大量買取、オークションでの大量販売へとつながっている。このように、同社のビジネスサイクルは良循環しているということができる。

(2) オムニチャネル化が進む小売
同社の小売事業は歴史が浅く、2016年1月に関西国際空港近接の複合施設での「ブランドリセールショー ZIPANG(ジパング)」を、国内一般消費者やインバウンド客に向けて開催したのが始まりである(2019年1月閉店)。2016年10月には、東京・銀座に国内富裕層やインバウンド客向け小売ブランド「ALLU銀座店」をオープン、並み居るブランドショップとは競合しない、希少性の高いヴィンテージ商品やアンティーク商品を中心にラインナップした。2018年9月には大阪・心斎橋に「ALLU心斎橋店」をオープンしたが、「ALLU」の平均販売単価は約37万円とも言われている。ECは、「ALLU銀座店」のオープンと同時に、店頭の商品を購入できるECサイト「ALLU」を開設したのを始め、2018年3月に中国に500万人の会員がいるという越境ECアプリ「豌豆公主(ワンドウ)」へ本格出店、2019年1月には一般顧客向けにストリートブランドなども幅広く展開する新ECサイト「usus(ウズウズ)」をオープンするなど、消費者接点を次々拡大している。さらに、各接点(店舗やEC)の在庫を同期化する同時出品システムを開発するなど、小売のオムニチャネル化を強力に推進している。


ビジネスモデルのコア「SOU Brain」と3つのチカラ
4. 3つのチカラを高速で回す
「SOU Brain」と呼ばれる自社開発した商品管理システムは、どんな人からいつ何をいくらで買い取ったかという取引情報から、いつ何がいくらで売れたかという販売の最新トレンド情報までを網羅した、膨大な売買データを蓄積するデータベースである。店頭買取や「LINEで査定」などの買取、オークションや小売といった販売を通じて蓄積された膨大な取引データを「SOU Brain」によって蓄積することで、鑑定・査定の際に同社は的確で素早い値付けを提示することができる。「SOU Brain」により店頭での鑑定・査定に余裕ができることから、コンシェルジュは高級高額品ゆえの売却の背景をヒアリングするなど顧客接点を広げることができ、顧客との信頼関係を築きやすくなっている。このため、相対的に低い価格を提示しても顧客が売却してくれるのみならず、リピーターとして継続的に来店してくれるようになるようだ。

また、値付けがしっかりしているためトレンド商品によっては逆に高値で買い取ることも可能となっている(高回転商売ゆえトレンドリスクは軽減されやすい)。さらに、「SOU Brain」がコンシェルジュのサポートをすることで、育成が難しいとされる「目利き」の教育期間も短縮が可能である。もちろん各店舗は本部とオンラインでつながっており、本部にいる各商品ジャンル別の精通者(エキスパート)が、必要に応じて本各店コンシェルジュの接客などをサポートする体制を取っている。なお、システム及びシステム周りの開発・改修は自社化されている。「SOU Brain」はデータベースの規模と蓄積能力によって目利きを科学していると言うことができ、業界で同社が他を圧倒する原動力になっている。そして今も、その差を日々拡大しているところである。

以上示してきたように、同社は、「SOU Brain」で蓄積したデータをもとに、Webマーケティングで集客した売り手を全国に展開する買取専門店へ送客し、高額品、中でも鑑定難易度が高く利益率のよい商材を買い取り、事業者向けオークションを中心に在庫回転平均2ヶ月という高速で安定した販売をしている。つまり、成長エンジンである「SOU Brain」を中心に、売り手集客力、買取品仕入力、販売力という3つのチカラを高速で回すことで成長してきたと言える。そして、集積したデータを再び「SOU Brain」で蓄積し次の事業サイクルを回す・・・という螺旋状に進化するビジネスモデルになっているのである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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