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トライSTG Research Memo(9):中期経営計画を発表、2021年2月期にV字型回復を目指す


■今後の見通し

3. 中期経営計画について
トライステージ<2178>は2019年4月3日付で、中期経営計画「Tri’s vision 2021」(2018年3月30日発表)を見直した「ローリングプラン2019」を発表した。当初の中期計画策定時に対して、海外子会社や関連会社の減損をはじめ通販事業なども含めて収益状況に乖離が発生したためで、改めて2021年2月期までの業績計画を見直した。通販事業における経験とノウハウに加えて、データ基盤やAI/ITを活用することで「ダイレクトマーケティングのイノベーション・カンパニー」となり、新たな成長ステージへの移行を目指す。

基本方針としては、「ダイレクトマーケティング支援」を展開する同社と子会社のアドフレックス、MCCの3社を集中領域に設定し、その中でテレビ事業とDM事業を「安定事業」と位置付け、新たに構築中のDDM(ダイレクトデータマーケティング)基盤をベースとした新たなソリューションサービスとWEB事業を「成長事業」と位置付け、経営リソースの再配分を進めていく。また、海外事業やその他の事業については、今後の収益性やグループ内シナジーを判断軸として事業の選択と集中を早期に実施していく方針だ。

(1) 重点戦略
a) 成長事業の拡大
今後の成長事業として、DDM基盤の構築による新たな顧客サービスの開発を進めている。DDM基盤とは、同社が保有する各種メディアの膨大なデータやコールセンターで蓄積したコンタクト履歴、顧客情報等と、クライアント企業が保有するカスタマーデータを統合し、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)を構築、これにBI(ビジネスインテリジェンス)ツールやAIツールを連携させることで、クライアント企業の売上げ及び利益の最大化につながるマーケティング施策(メディア・クリエイティブ・CRM施策)を実現するプラットフォームとなる。クライアント企業の業績拡大を支援することで、同社の収益も拡大する好循環を生み出す仕組みとも言える。

DDM基盤構築のスケジュールとして、全体を3フェーズに分けて開発を進めている。第1フェーズは、同社が保有する各種データやクライアント企業が保有するカスタマーデータを収集しCDPを構築するフェーズとなり、2019年2月期より開始している。第2フェーズは、CDPに蓄積したデータを分析し実際の施策提案を行うフェーズとなり、既に一部顧客では試験的に進めている段階にある。第3フェーズでは、第2フェーズまでに蓄積した顧客DBやノウハウを活用した事業展開(おもにCRM事業)を想定し、ダイレクトマーケティングの総合支援企業へと変革していくグループ全体のDDM基盤を一元化し、シナジーを創出するフェーズとなる。現在のスケジュールでは第2フェーズまでを2020年2月期までに完了し、2021年2月期中に第3フェーズを開始することを目標としている。なお、第3フェーズに移行後も機能のチューニングは実施していくことになる。開発費としては2021年2月期までに約5億円程度を見込んでいる。課題は、クライアント企業のカスタマーデータをどれだけ収集できるか、という点にある。各企業ともに顧客情報については厳しい管理を行っているため、どれだけ有効な情報のデータ提供を得られるか顧客ごとに変わってくるためだ。同社では各クライアント企業と調整を行いながらCDPの構築を進めていく予定にしている。

もう1つの成長事業として、アドフレックスのWEB事業の拡大にも取り組んでいく。「AdScale」の評価が高く、大規模企業を中心に顧客基盤が急速に拡大しており、増加する引き合いに対応するため人材投資も年率50%ペースの急ピッチで増員していく計画となっている。また、海外を中心に先進的なツールの探索を積極的に行っており、サービスラインナップの拡充も進めていく。このため人材投資は営業系だけでなく、技術系も含めて強化していく方針だ。2021年2月期の売上高は今期見込み比で約2倍の100億円超を目指している。営業利益率に関してはまだ先行投資段階のため2%台と水準は低いが、今後、売上規模の拡大が続けば、さらに引き上げていくことは可能と見られる。

b) 安定事業の強化
テレビ事業については、営業、メディア、コンタクトセンターと各組織の強化による事業の底上げを図り、今後も安定収益を確保していく計画となっている。

具体的には、営業部門においては九州支店開設による顧客支援体制の強化、営業現場におけるBIツールの活用、映像解析による映像制作の強化(売れる映像作り)、顧客ニーズを的確に捉えるコンサルティング型営業の徹底、オムニチャネル化支援等に取り組んでいく。また、メディア部門では、放送枠の新たな販売手法の開拓やAI活用による受注予測サービスの開発、放送枠の効果分析による仕入最適化などに取り組み、コンタクトセンター部門ではAI活用による発呼数予測の精度向上、データ分析による受電状況把握の強化を行っていく。

一方、DM事業については、強みであるダイレクトメールの封入・区分、発送(代行)サービスにおけるシェアの維持拡大、並びに小型宅配便サービスの拡大に加えて、川上工程となる企画・デザイン・印刷領域にも領域を拡げていくことで、トータルサービスの提供を実現し、質と量の改善・拡大に取り組んでいく方針となっている。なお、川上工程への進出についてはここ数年の課題となっており、業務提携なども視野に入れながら事業展開していくことを目指している。

(2) 業績目標
2021年2月期の経営数値目標については、売上高で630億円、営業利益率で2.7%を掲げている。営業利益は概算で17億円となる見通しで、今期見込み比では売上高で15%増、営業利益で約2.5倍と急回復する計画となっている。事業セグメント別では、テレビ事業とDM事業で安定成長を見込んでおり、WEB事業が先行投資の効果で急成長し、売上成長のけん引役となる。また、利益面では主力のテレビ事業が回復するほか、WEB事業で黒字転換、海外事業や通販・その他事業の損益改善に取り組むことでV字型回復を目指している。弊社では、赤字事業がなくなれば年間15億円程度の営業利益が可能であり、これにWEB事業の利益を上積みすることができれば、利益目標の達成は射程圏内にあると見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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