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3Dマトリック Research Memo(7):2019年4月期業績は欧州販売ライセンス契約の内容次第


■今後の見通し

1. 2019年4月期の業績見通し
スリー・ディー・マトリックス<7777>の2019年4月期の連結業績は事業収益で512~2,562百万円、営業利益で2,217百万円の損失から203百万円の利益とレンジ形式で予想を開示している。事業収益では止血材の欧州での包括的販売提携契約の締結に伴う契約一時金2,000百万円と韓国でのCEマーク認証取得時に得られるマイルストーン収入50百万円の有無が変動要因となる。「PuraStat®」の売上高については前期比2.2倍増の512百万円を見込んでいる。

費用計画について見ると、研究開発費は671~1,042百万円と幅を持たせた計画となっている。欧州で予定していた次世代止血材の臨床試験の開始時期が変動要因となっていたが、臨床試験は先送りされることになったため、下限に近い水準で落ち着くものと予想される。また、販管費については前期比38百万円増の1,402百万円を計画しており、第3四半期まではおおむね計画どおりの進捗となっている。第4四半期は米国での癒着防止材の営業活動を進めるためのリクルート活動を行っており、関連費用も含めて通期の販管費は計画をやや上回る可能性がある。

「PuraStat®」の地域別売上計画は、欧州が前期比145%増の375百万円、アジア・オセアニアが同75%増の119百万円、中南米・カナダが同9倍増の18百万円となっている。

欧州向けに関しては第3四半期までの通期計画に対する売上進捗率が約33%と低いが、今後の包括的販売提携の契約交渉次第となる。契約締結後は、止血材と後出血予防材とのクロスセルによる販売拡大が期待される。なお、イギリスで2018年11月より開始した消化器内視鏡手術領域における止血材の臨床研究「POPS」に関しては、実施医療施設の開設が、各医療施設での承認手続きや医師へのトレーニング等で時間を要しているようで、当初の計画よりはやや遅れ気味となっている。「POPS」の目的は、「PuraStat®」の止血効果だけでなく後出血予防、創傷治癒などの副次効果についての臨床データの収集・解析を行い、その後の比較試験の設計や使用ガイドラインの策定につなげていくことにある。20ヶ所の基幹病院で200例を目標に実施する予定で、毎月4~5ヶ所の病院でリクルートメントを開始し、2019年中の完了を目標としていたが2020年にずれ込む可能性がある。ただ、費用は国家予算の補助金が充当されるため、同社の売上に寄与するほか、今回のPOPS開始によって参加する基幹病院20ヶ所で口座が自動的に開設されるため、イギリス向けの今後の売上拡大に寄与する取り組みとして期待される。

アジア・オセアニア向けについては、第3四半期までの売上進捗率が56%となっているが、前述したように第4四半期からオーストラリアで直販体制に移行したことで販売価格が2倍になっており、通期は会社計画を上回る売上が見込まれる。そのほか2019年4月期の計画には、韓国における止血材のCEマーク認証取得時に獲得できる販売パートナーからのマイルストーン収入50百万円を見込んでいるが、現在の状況からすると2020年4月期以降にずれ込む可能性が高い。

中南米・カナダ向けについては、ブラジルやメキシコでの販売増により18百万円を見込んでいたが、足下の状況からすると中南米市場の立ち上がりについては時間を要しており、計画を下回る見通しで、カナダ向けの出荷が間に合えば若干売上が計上される可能性はある。なお、カナダ市場における止血材の市場規模は30~50百万米ドルと同社では推計※している。

※カナダの医療機器市場、医療費支出、GDP等を考慮した試算。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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