■事業概要

1. 事業領域
AMBITION<3300>は投資用マンションの開発から管理・転貸(サブリース)、賃貸仲介、入居者サービスまでを一気通貫で行うことができる稀有な企業である。創業からの中核事業は転貸(サブリース)であるが、その後入居者探しを担う「ルームピア」、「バロー」を、さらには投資用マンションの土地の仕入れから企画・開発・販売を行うヴェリタスをグループ化した。不動産テックを駆使した効率的な業務にも定評があり、今後はそのソリューションの外販が期待される。扱う物件は、東京23区、中でも利便性が高く資産価値の高い都心に特化している。

2. 首都圏投資用マンション市場
首都圏での用地の確保の難易度は上昇し、一般的なファミリー向けの新築マンション供給戸数は減少を続けており、一方でマンション価格は上昇を続けている。一部で過熱感を指摘する声もあるが、新築マンションの需給のバランスは崩れておらず、当面は大きな調整はないと見てよいだろう。首都圏の投資用マンションに限定するとさらに市場の堅調さが際立つ。供給戸数は2013年から2017年までの5年間で堅調に推移しており、平均価格も緩やかな上昇基調である。2018年上期(1月〜6月)は、供給戸数が4,623戸(前年通期の76%)に達しており、2019年も市場成長が予想される。同社ではヴェリタスが投資用マンションの開発及び販売を行っている。ヴェリタスの投資用マンションの特徴は東京都心部に特化したプレミアム仕様であり、市場物件と比較して差別化されている。

3. 強みは“客付け力”
一般論として、サブリース(転貸)事業には空室リスクが伴う。同社が成長に向けて積極的なサブリース物件の取得を行える背景には、空室リスクを避ける“客付け力”がある。借り上げ物件に入居者を付けられる自信があるからこそ、物件を増やせる。客付け力は、(1)自社店舗、(2)スタッフのノウハウ、(3)良質な仕入れ、(4)IT活用の4つの要素がある。

(1) 自社店舗
ルームピア、バローの首都圏20店舗で顧客の的確なニーズを把握し提案する体制が整っており、サブリース物件の約4割を成約させている。

(2) スタッフのノウハウ
“立地”重視で選びがちな風潮のなかで、“物件”の魅力をきちんと伝える営業手法に定評がある。また適正な賃料設定ができるよう訓練されたスタッフがいることも強みだ。

(3) 良質な仕入れ
上場を機に物件オーナーからの信用力も向上し、一棟で任されることも増えた。首都圏のDINKS・単身向け、デザイナーズマンションに注力してきたことによる“目利き力”も有利に働く。2017年10月には個性的なデザイナーズマンションの開発で定評のあるヴェリタスをグループ化し、良質な物件の仕入れ力はさらに増した。

(4) IT活用
不動産業界内でも屈指のIT活用企業として定評がある。インターネット広告運用時にAIを活用して効果・効率を改善したり、顧客の利便性を追求するためにAIチャットやITによる重要事項説明などを採用し、常に先進的な不動産取引の姿を追求している。

4. 主要経営指標(サブリース事業)
同社のプロパティマネジメント事業の主要な経営指標は、サブリース戸数と入居率である。サブリース戸数は、ストックビジネスの特徴そのままに右肩上がりに推移してきた。2014年12月末から2018年12月末までの4年間に年率22.7%で増加し、9,776戸(2018年12月末)に達している。物件を積極的に仕入れると入居率は一時的に下がるという関係にある。例年、4月から12月までの期間は物件仕入れを優先し入居率は低め、繁忙期の1月~3月に契約を増やし入居率が上がる。2018年12月末の入居率は95.3%となり12月末時点の入居率では過去最高だった2017年12月末に匹敵する高い水準を維持した。2017年以降は9月と12月の入居率の落ち込みが減ったのが特徴である。その理由としては、プレミアムエリアの人気物件を仕入れられていることに加え、物件の仕入れと営業体制の両輪がうまく噛み合っていることが挙げられる。

5. インベスト事業:ヴェリタス
インベスト事業の主体となるのは、2017年10月に連結した投資用デザイナーズマンションを開発・販売するヴェリタスである。ヴェリタスは、東京23区のプレミアムエリアと呼ばれる地域を中心に投資用マンションの開発及び販売をしており、この領域におけるリーディングカンパニーの1社。「ヴェリタス」は「本物」を意味するように、高付加価値で個性的なマンションを手掛けるプロ集団として定評がある。世界的なインテリアデザイナー森田恭通(もりたやすみち)氏やトップモデルとして活躍する押切もえ(おしきりもえ)氏、日本を代表する女性写真家・映画監督でもある蜷川実花(にながわみか)氏などがプロデュースするデザイナーズマンションの開発実績がある。

一例として、東京都品川区で開発を手掛ける新築投資用デザイナーズマンション「PREMIUM CUBE 大井町 #mo」(竣工日:2019年2月下旬/入居日:2019年3月上旬)は、予定を上回るスピードで1R・1Kの計46戸が早期完売となった。本物件は、3路線活用可能な大井町駅徒歩9分と利便性の高いロケーション。デザインは押切もえ氏によるもので、#moシリーズ第7弾となる。外観はホワイトとダークブラウンのタイルでシックな落ち着きと強いインパクトを表現。内装ではキッチンやバスのカラーバリエーションも多く、“デザインが息づく日常”という、美しさと機能性の調和のとれたスタイリッシュライフを演出する。さらに外出先から各種IoT機器をスマートフォンで操作できる入居向けサポートアプリ「VERIOT(ヴェリオ)」も標準搭載している。その他にも、「PREMIUM CUBE G 東新宿」、「PREMIUM CUBE G 市谷甲良町」が早期完売。「THE PREMIUM CUBE G 潮見」も販売好調だ。

6. 今後期待される保険事業
同社は2017年7月に金融庁から認可を受け、(株)ホープ少額短期保険として、保険事業を開始した。第1ステップは、同社の管理物件の顧客に対し、賃貸住宅入居者向け家財保険・賠償責任保険、賃貸オフィス・飲食店入居者向けの保険などを販売する。18,094戸(うちサブリース9,776戸)に及ぶ管理物件及び今後の取扱物件の入居者が販売対象であり、確実性の高い追加収入を見込むことができる。さらに第2ステップとしては、販売代理店による同社管理物件以外への外販である。既に数社の販売代理店との提携が計画されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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情報提供元:FISCO
記事名:「アンビション Research Memo(3):コンセプトは「不動産SPA」。首都圏投資用マンション市場は堅調