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日本電技 Research Memo(2):空調主力の計装エンジニアリング専業会社


■会社概要

1. 会社概要
日本電技<1723>は「計装エンジニアリング専業企業」である。オフィスビルをはじめ、ホテル、病院、工場などの非居住用建築物を対象に空調設備を自動制御するビルディング・オートメーション分野、及び工場の組立工程の自動化などのファクトリー・オートメーション分野において、設計から施工、メンテナンスまでを手掛けている。特に主力の空調計装は、自動制御機器大手であるアズビルの最大手特約店として、また業界の草分け的な存在として豊富な実績とノウハウを誇っている。同社は、計装エンジニアリングによってビルや工場の空調をコントロールし省エネ化を実現するなど、建物の快適性や生産の効率化を支えることで、地球環境への貢献も目指している。


環境・省エネ化への多様で厳しい要求に対応
2. 市場環境
ビル空調は、個別空調とセントラル空調に分けられる。個別空調は、例えば雑居ビルのように1室ずつエアコンを置いて管理する手法で、ダイキン工業<6367>や日立製作所<6501>などメーカーが中心である。セントラル空調はビル全体の空調を建物の特定箇所で一元管理(中央監視)する方法で、同社などによる空調計装を指す。空調計装は2,000億円といわれる市場規模があり、その8割をアズビルと同社を含むアズビル特約店によって占められている。このため空調計装は、事実上、アズビル製の機器が業界スタンダードになっている。また、アズビル特約店の中で、同社は唯一のエンジニアリング専業会社というポジションにあり、自他ともに認める高い技術力を有している。

空調計装の市場は、ビルや工場などの建設時に関わる新設工事の落ち込みを、メンテナンスやリニューアル工事など年々積み上がる既設工事でカバーする形で推移してきた。それが、2020年の東京オリンピック開催へ向けて、都市部の再開発を中心に新設工事が増えてきた。また、オフィスビルは、近年、先進的なビル建築が増加する一方、歴史的建造物の保全維持(リニューアル工事)も増えるなど、建物の個別の仕様・用途に合わせた空調設備の導入が求められており、さらに省エネ化の需要も年々高まっている。病院では、温度管理はもちろん空気清浄と院内感染防止の観点から適切な湿度管理が要求される。特に、手術室には厳しい空調の基準が設けられており、換気差圧を利用して空気の清浄性を高める空調制御などが必要とされる。このほか、研究施設やクリーンルーム、美術館など、空調制御技術が利用されている施設は数多い。

1997年12月の京都議定書決議以来、世界的に環境・省エネに対する関心が高まっており、建設業界もZEBへの実現に向けて取り組みが行われている。こうしたなかで、計装は「計測・監視・制御」の手法により、エネルギーの使用状況を把握し削減することが可能であり、省エネ化に必須とされる技術であるため、中長期的に安定した需要が見込まれている。また、経験工学で培った高度な計装エンジニアリングの技術力があるからこそ、同社はこうした多様で厳しい要求に応えることができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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