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CACHD Research Memo(6):最大の強みは「トランスフォーメーション力」


■強みと課題

1. 強み ~ 「トランスフォーメーション力」を支える「企業文化」「顧客基盤」「財務体質」
会社沿革、事業内容、業績動向の考察から浮かび上がるCAC Holdings<4725>最大の強みは、時代によって変化する社会のニーズ・課題に応じて、自らを変革する力、「トランスフォーメーション(企業変革)力」である。

同社は、独立系ソフトウェア専門会社としての成長に安住することなく、「M&Aによる事業拡大」に「選択と集中による事業構造改革」を織り交ぜながら、現在のIT&ヘルスケアサービス企業へと進化してきた。

その「トランスフォーメーション力」を支えているのが、「挑戦を是とする企業文化(経営の意思)」「事業拡大の核となる優良な顧客基盤」「機動的な財務戦略を可能とする盤石な財務体質」である。

当然のことながら、「挑戦」は手段であり、同社では、「顧客指向、CSV重視」という使命・目的(経営理念)が明確であるからこそ、目的達成のために必要な「挑戦」が是とされる企業文化が根付いたと推察する。

また、他社に先駆けた海外IT事業への取り組みや収益の2本柱に育ったCRO事業への進出は、日本初の独立系SIerとして築き上げた「優良な顧客基盤」との良好な関係の賜物と言える。つまり、「挑戦」のシーズを生み出しているのが「優良な顧客基盤」というわけだ。

M&A戦略や迅速な事業構造改革、安定的な株主還元を支えているのが、「盤石な財務体質」である。現在に至るまでリクルート株式を大量に保有しているのは、リクルートが重要な取引先であるためだろうが、同社は必要に応じて、リクルート株を売却してきた実績を持つ。ここでもまた、顧客との良好な関係が同社の財産となっている。

2. 課題 ~ 強みの裏返しで起こりがちなもの
利益が低迷している原因をWhyツリー分析で掘り下げていくと、同社の課題が、1)海外市場での売上拡大を追求するあまりM&Aの基本であるデューデリジェンスやPMIが不十分になるなど、手段であるはずの「挑戦」が目的化してしまったこと、2)顧客基盤が優良で顧客との関係が良好であるがゆえに、もっと早く取り組むべき施策が後手に回ってしまったこと、であることが浮かび上がる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)



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