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アップル Research Memo(5):2018年12月期は大幅な増収増益予想だが、一時的要因を含む


■今後の見通し

1. 2018年12月期の業績予想
アップルインターナショナル<2788>の2018年12月期は、売上高が前期比21.9%増の16,620百万円、営業利益が同77.5%増の577百万円、経常利益が同3.9倍の1,293百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.7倍の1,160百万円を予想している。売上高は、中古車輸出事業において高額車両のモデルチェンジに伴う需要増を勘案している。経常利益が営業利益を大きく上回るのは、香港子会社の清算手続きの完了後に発生する為替換算調整勘定の実現に伴う為替差益約45百万HKD(約6.5億円:2017年12月末レート14.46HKD)を営業外収益に見込んでいるためである。

2. 2018年12月期第1四半期の業績
2018年12月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比8.9%増の4,058百万円、営業利益が同32.7%減の72百万円、経常利益が同28.7%減の80百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同25.1%減の55百万円であった。予定よりスローペースである。

第1四半期の出足は鈍いものの、第2四半期以降の業績拡大のための施策を打っている。シンガポール政府は、2018年2月より自動車保有台数の総量規制を行っており、市場が2018年央から縮小傾向に転じると予想される。同国の面積は東京23区もしくは琵琶湖とほぼ同じ大きさでしかなく、既に道路が国土の12%を占める。自家用車を持つために、自動車所有証(COE)を購入する必要があり、割高な車両価格と併せて、クルマを所有するためのコストは世界一高いと言われている。

自動車登録台数は約95万6千台。その内、自家用乗用車の55万2千台、レンタカーが5万1千台、タクシーが2万7千台、オートバイ・スクーターが14万3千台となる。車両の増加を抑えるため、増加率を2009年に1.5%、2012年が1%、2015年以降は0.25%に定めた。2018年2月の総量規制により、今後、新たにクルマを所有する場合は、権利書を放棄する人の出現を持たなければならない。同国は、自動車生産をしておらず、輸入は新車に限定している。ただし、登録1年以内であれば、新車扱いとなり輸出は可能だ。COEの有効期限が10年であるため、10年目になれば廃車し、中古車として海外に輸出する。

タクシー会社は、COEの取得後10年経過したら、新車への買い替えをする。環境保全のため、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)の需要が増加しており、タクシーにも採用されている。シンガポールを始めアジア諸国では、保守・整備に対する不安からHV・EVが長年忌避される傾向にあった。車両価格は中国製の方が安価であるが、タクシーとして10年間使用する前提であれば品質及び信頼性から日本車も選択肢となる。

同社は、2017年8月に、シンガポールにHV・EVの修理・整備に特化した子会社を設立した。現地に専門の整備会社を設けることで、シンガポールにおける輸出車両へのメンテナンス保証サービスを提供し、同社の輸出販売事業とのシナジー効果を発揮することを企図している。タクシー会社は、主要なターゲット顧客となる。大手であれば、年間500~1,000台規模の買替需要が見込まれる。第2四半期に大手タクシー会社による入札会が設けられる。受注に成功すれば、第1四半期の不振を挽回できる。

2017年5月に連結子会社のA.I.HOLDINGS(HONG KONG)LIMITEDの解散を決議し、2018年12月期中に清算が完了する予定でいる。これに関連して、期初予想では営業外収益として為替換算調整勘定の実現に伴う為替差益約650百万円を織り込んでいる。同利益は、昨期下期に計上される可能性があったことから、上期におけるシンガポール市場での販売不振を下期に挽回することが困難であったものの、通期予想を据え置いた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)


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