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ODK Research Memo(5):「ODKを次のステージへ」


■今後の見通し

1. 中期経営計画
ODKソリューションズ<3839>は、2018年3月期実績の状況を踏まえて経営環境変化に対応し、前年の中期経営計画を見直し、ロールオーバーした新中期経営計画(2019年3月期から2021年3月期)を公表した。新中期経営計画では、目標が「新しいODKへのモデルチェンジ」から「ODKを次のステージへ」と変更。2018年3月期の好業績で、それまでの証券金融グループ主体の事業モデルから脱却し、独立系ITサービス企業としての収益基盤が確立できたことにより、新たな事業成長ステージに向けて、既存事業の収益性のさらなる向上と新規事業を将来の中核事業へと成長促進を図る段階へ移行する、という意味合いに考えられる。

具体的には、基本方針が「将来の主力業務創出・育成」、「収益力アップ」、「組織力アップ」の3点。基本戦略が、「アライアンス・M&Aの活用、情報分析・コンサル・マッチングソリューションの提供」、「主力サービスの絞込み・拡販、固定費の変動費化」、「業務推進方法の見直し、マネジメント層の強化・育成」の3点。重点課題が、「AIサービス、HRテックサービスの提供」、「教育改革対応、医療業務拡大、本支店機能・インフラの最適化」、「自動化・アウトソース推進、能力開発・スキル向上」の3点である。

総じて、同社は強みとする機密性の高い大量データ処理のノウハウ・技術力を活かして、それとシナジーを発揮できるサービスや顧客分野に進出していくという方針で、必要に応じてアライアンスやM&Aを積極的に行っていく模様である。2018年3月期での重点課題については、UCARO・マイナンバー関連サービスの拡販等、着実に進捗し事業成長している。そのため、2019年3月期は新規事業・サービスの開発については、アライアンス・M&A等を活用するとともに、社内体制の整備・強化をすすめる等、次の成長ステージに向けた基盤固めという色合いが感じられる。

2. 重点課題の概要と取組み
今回公表された中期経営計画における2019年3月期の重点課題は、1)AIサービス、HRテックサービスの提供、2)教育改革対応・医療業務拡大、本支店機能・インフラの最適化、3)自動化・アウトソース推進、能力開発・スキル向上の3点。

第1の重点課題については、それぞれ強みを有する企業とアライアンスを実現し、サービス提供を開始している。AIサービスの提供に向けて米国Zendesk, Inc.と連携し、コンタクトセンター向け顧客コミュニケーション最適化サービスの提供を開始。同社にとって新たな領域となるHRテック分野でのサービス展開においては、日本アイ・ビー・エム、タレンタと連携してサービス提供を開始している。

第2の重点課題は事業環境対応である。まず、教育分野においては、2020年の教育改革を事業機会と捉え、UCAROの提供をはじめ、より「個」に焦点を当てた入試に対応できるサービスを提供する。医療分野においては、ファルコバイオシステムズと連携して電子カルテの開発・導入支援等をすすめている。本支店機能・インフラの最適化は内部環境の最適化の対応であり、事業展開にあわせた拠点構成の見直し等を検討中とのことである。

第3の重点課題では組織力向上に向けた取組みの推進を掲げている。まず、自動化・アウトソース推進については、1)RPA※の活用で生産性向上及びヒューマンエラーリスクヘッジやオペレーション業務からコア業務への人的リソースシフトを図る、2)ブランディングの強化で同社の市場価値向上、企業認知度の向上を図る3)周辺業務のアウトソースでナカバヤシグループとの協業のさらなる推進と固定費の変動費化を図るとしている。次に、能力開発・スキル向上については、1)プロフェッショナルの育成として、能力開発の再整備や中堅・若手社員のユニットリーダー登用を図る、2)新たな戦力の確保として、動画面接「HireVue」の導入によるマッチング精度の向上や候補者との機会損失防止を図る、としている。

※Robotics Process Automationの略で、人間が手作業で行ってきた仕事を、AI等の認知技術を取入れたロボットに代行してもらうこと。



主力業務の拡大と新規事業進出がプラス寄与し売上高は本格的な拡大トレンドへ
3. 2019年3月期会社計画の概要
2019年3月期通期の連結業績予想については、売上高で前期比6.2%増の5,200百万円、営業利益は同9.8%減の330百万円、経常利益で同12.2%減の340百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同7.2%減の240百万円の計画になっている。

引続き、主力である学校法人向け及び証券会社向けサービスの拡大に注力するほか、新事業領域として、2018年3月期に開始したファルコグループとの医療システム開発やリアルグローブとのAIサービスの提供等アライアンスを活用した事業の推進を行っていく。

増収の要因は、前期貢献したDMM.com証券向け「SENS21」導入のための大規模な開発が完了し以降は運用フェーズとなるものの、教育業務での大学入試アウトソーシングの受注増やUCAROの拡販、ファルコバイオシステムズとの連携による医療関連サービスの拡大等が増収に貢献するためである。

一方、増収ながら減益になる要因は、1)2018年3月期に教育業務において臨時対応にともなう一時的な収益計上があったこと、2)金融業務(日本証券金融向け業務)の終了等を挙げることができる。しかし、新規事業も含め、全体の受託業務量の拡大で増収傾向が鮮明になっているため、想定外の大きな減益要因が発生しない限りは、おおむね前期と同等以上の利益水準は確保できるものと考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)



<NB>

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