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USENNEX Research Memo(1):グループ顧客資産と販売チャネルのシナジーで売上拡大及び収益向上を実現


■要約

USEN-NEXT HOLDINGS<9418>は、2017年12月にU-NEXT<9418>(存続会社)とUSEN<旧4842>が経営統合して設立された持株会社である。事業は、個人向けに映像配信サービスを提供するコンテンツプラットフォーム事業や、祖業でもある、飲食店など業務店向けにBGMを配信する音楽配信事業、そのほかブロードバンドサービス、店舗・施設運営の支援ツールやソリューションサービスなど6セグメントに分けられる。

主力子会社は、音楽配信サービスの(株)USEN、定額制映像配信サービスの(株)U-NEXT、業務用機器・システム販売の(株)アルメックスで、その他12の子会社・グループ会社が主力子会社周辺領域を含めて事業展開している。USENの創業は1961年で、その後全国を網羅する有線放送網を構築、20世紀末のIT革命以降は、ブロードバンドや映像配信などサービスのデジタル化を推進してきた。2009年に、ブロードバンドと映像配信のサービスを拡張するためUSENから独立する形でU-NEXTが設立されたが、2017年12月、両社が保有する顧客基盤や販売チャネルなどグループ企業としての強みをより一層生かすため、再統合した。

2017年12月期の売上高は114,291百万円(前期比149.3%増)、営業利益は5,867百万円(前年は営業損失396百万円)だった。コンテンツプラットフォーム事業における販促強化と統合のための一時費用がやや負担となった。2018年8月期について、同社は売上高108,000百万円、営業利益5,500百万円を見込んでいる。本社移転などに伴う一時費用が発生するが、実質2ケタ増益の見込みとなっている※。

※統合と決算期変更により、2017年12月期は旧USENグループ各社の収益を3~11月の9ヶ月間取り込み、2018年8月期は旧U-NEXTグループ各社が1月~8月の8ヶ月間、旧USENグループ各社が12~8月の9ヶ月間の取り込みとなっている。


コンテンツプラットフォーム事業はまさに伸び盛りだが、コンテンツ調達や販促のための資金が必要である。店舗運営ソリューション事業は、グループの総力を前提としたビジネスである。統合によって同社は今後、音楽配信事業の安定高収益を高成長事業へ回すことで成長を促進し、顧客資産や販売チャネルといったグループ各社の強みを背景とするシナジーで収益性向上を推進する考えである。

業務店向け音楽配信と業務用システム以外、各事業の属する市場は、概ねレッドオーシャンと言えそうだ。但し、映像配信のようにフロンティアが広がる市場と、インターネット回線の代理店販売やMVNOなど波が荒くなっている市場に大別できる。また、業務店向け音楽配信と業務用システムについては、ブルーオーシャンと言えそうだが、前者はインターネット等の技術革新に伴う新規事業者の出現、後者は大手メーカーの再強化など新たな流れも見えつつある。そうした環境ゆえ、今般の経営統合は、強みを補強、弱みをカバー、チャンスを広げ、脅威に対抗するにはいいタイミングだったといえよう。特に、映像配信や業務店向け音楽配信など強みがあり成長が期待される事業については、市場の広がりや統合のシナジーを生かすことで、資金力に任せて迫ろうとする巨大外資など競合他社にも打ち勝つことができると思われる。

■Key Points
・2017年12月にU-NEXTとUSENが経営統合し持株会社化、グループ資産やノウハウの有効利用を狙う
・祖業である音楽配信の高収益に加え、グループの顧客基盤や販売チャネルを映像配信や店舗運営ソリューションの成長に生かす方針
・本社移転などによる一時費用は負担だが、2018年8月期は実質2ケタの営業増益を見込んでいる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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